犬の糖尿病による白内障の治療!点眼の効果や手術のリスクなど!

犬の糖尿病も人と同様に
さまざまな合併症を引き起こしますが
その中でも比較的多いのが目に現れる
合併症で代表的なのが「糖尿性白内障」
「糖尿性網膜症」です。

 

これらは、いずれも視力低下から
始まり、最終的には失明となる危険性
の高い病気です。

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犬の糖尿病の治療では、基本的に
インスリン投与によって血糖値を正常近く
に保つことで合併症の予防をします。

 

しかし、糖尿病は早期の発見が難しいこと
もあり、また他に何らかの基礎疾患(併発
する病気)などがある場合、インスリンが
効きにくく、血糖値のコントロールが
なかなか思うように行かないこともあり、
白内障など合併症が進行してしまって
いることもあります。

 

そして、一旦白内障になってしまうと
その後、血糖値を下げることができても
白内障が治ることはありません。

 

そのため、糖尿病の治療と並行して
白内障の治療も必要になります。

 

こちらでは、犬の糖尿病によって起こる
白内障の治療についてまとめてみました
ので参考にしてください。

 

<糖尿病性白内障について>

 

白内障は、目のレンズの役割の
水晶体が濁る病気です。

 

人では白内障は加齢に伴う目の病気
と言うイメージがありますが、犬の
場合には、先天性であったり、外傷性、
他の目の病気の合併症などさまざまな
原因があります。

 

そして、全身性の疾患の合併症として
一番多いのが糖尿病によるものです。

 

糖尿病によって起こる白内障は主に以下が
原因になって発症します。

 

【水晶体内の糖の蓄積】

細胞内に取り込まれたブドウ糖の多くは、
解糖系経路(糖の代謝)を通り、ATP
(アデノシン三リン酸)となり、エネルギー
として利用されます。

 

しかし、高血糖によって取り込まれる
ブドウ糖の量が増えると、解糖系経路
だけでは処理しきれず、迂回経路
(ポリオール代謝経路)を通り、ブドウ糖は
ソルビトールへと変換されます。

 

このソルビトールが水晶体内に
蓄積することで白内障の混濁を引き起こします。

 

また、このソルビトールは、さまざまな
代謝異常を生じさせ、同じく目の網膜症や、
その他、腎臓や神経への微小血管障害など
糖尿病の合併症の原因とされています。

 

【水晶体内タンパクの糖化】

高血糖が続くと生体内のタンパク質は
糖と結び付き、糖化していきます。

 

糖化は老化の原因ともされますが、
タンパク質本来の機能を損なわせ、
さまざまな障害を発生させます。

 

水晶体内には、クリスタリンと言う
タンパク質があり、光の乱反射を防ぎ、
透明性を確保する役割を果たしています。

 

このクリスタリンが糖化すると、
紫外線による酸化との相乗効果
あり、水晶体が混濁し、白内障を起こします。

 

<糖尿病性白内障の治療について>

 

犬の白内障は、原因が何であれ、
水晶体の濁りを取り除くのが治療で
あり、それが行えない場合には完治は
できません。

 

そして、完治のための治療は基本的に
人の場合と同様で外科手術によって、
濁った水晶体を取り除き、代用として人工
の眼内レンズを挿入するという方法です。

 

ただし、犬の白内障手術にはリスクも
多く、必ずしも成功するとは限りません。

 

また、目の状態によっては手術適応には
なりません。(手術をしても視力の回復が
望めない、成功率が低いと判断される
など)

 

そして基本的に、他に問題がなく体が
健康な犬であっても白内障の手術は
ハードルが高いですが、特に糖尿病に
よる白内障ではさらにハードルが高くなります。

 

【糖尿病の手術リスクについて】

 

人であれば白内障の手術は眼球の局所麻酔
によって行われますが、犬の場合には
全身麻酔になります。

 

健康体でも100%安全な麻酔というもの
はありませんが、糖尿病ではさらに
リスクは高くなります。

 

糖尿病では、全身の動脈硬化(血管が
狭く硬くなり血液の流れが悪くなった
状態)が進んでいるのが普通です。

 

全身麻酔時は、血圧が低下しますので
血流が悪くなり、全身に血液が行き渡ら
なくなります。
それによって心筋梗塞や脳梗塞、
腎臓では腎機能の低下などが起こる
危険性が高くなります。

 

当然、これらの予防のためにさまざまな
対策を行っての全身麻酔となりますが、
糖尿病がある場合には、これらのリスク
は増加します。

 

また、糖尿病では、高血糖によって
白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下
しますので細菌やウイルスなどに対する
抵抗力が弱くなり感染症にかかりやすく
重症化しやすくなります。

 

そのため、術後の感染症を併発したり
傷が化膿しやすかったりなどのリスク
が高くなります。

 

白内障の手術では術後管理が非常に
重要となり、それによってその後の
予後も変わってくるのですが、糖尿病
の場合には、術後管理もとても難しく
なってきます。
例え手術が成功したとしても術後に
感染症を起こしたりするリスクが高い
と視力の回復は難しくなります。

犬の白内障の手術法や費用!術後管理や経過、予後について!

ですから、糖尿病がある場合、
積極的に白内障の手術が行われる
ことは少ないです。

 

ただし、

*糖尿病の初期であり、合併症が軽度で
全身状態が悪くない

*治療によって血糖値のコントロールが
できており、良好な状態を維持できている

*白内障の手術が適応(手術によって
視力回復が望める状態)

などの場合には手術が推奨されることも
あります。

 

また、手術が成功した場合でもその後
糖尿病の治療(血糖のコントロール) を
しっかりと継続して良好な状態を保つ
ことができなければまた白内障は発症します。

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【点眼薬の治療効果について】

 

そして、手術のリスクが高く、適応と
ならない場合には、糖尿病の治療と並行
しての、点眼薬による内科療法がメイン
となります。

 

糖尿病による白内障の場合も
一般的に使われる白内障用の点眼薬
と同様のものが使用されます。

 

ただし、基本的に白内障は内科療法で
治療できるものではなく、点眼薬に
よる治療は、白内障の進行抑制のため
のものであり、濁りがなくなるわけでは
ありません。
また、視力を回復させることもできません。

 

現在、国内で動物用として販売されて
いるものは一種類のみで、
「ライトクリーン」という点眼薬です。

 

この点眼薬は、基本的には老年性の
白内障の初期には効果的ですが
進行した白内障や糖尿病性白内障に
関しては、あまり効果は期待できない
とも言えますが、少なくとも何も
しないよりは、多少なりとも進行抑制
になります。

 

その他、国内では未承認ですが、
海外製品の白内障の点眼薬も輸入されて
いて、それらは、ライトクリーンよりは
効果が高いとされています。
(ドッグクララスティルやキャンシーなど)

 

それらは、進行抑制だけでなく
場合によっては濁りが改善する可能性
もありますが、糖尿病性白内障では
その効果は分かっていません。

 

また、それらは日本では未認可と
いうこともあり、扱っていない
動物病院も多いです。
(ネットなどで個人で購入することは
できますが、使用に関しては自己責任となります)

白内障点眼薬について詳しくはこちら↓

犬の白内障の点眼薬!種類と作用や効果、注意点について!

 

<まとめ>

 

糖尿病性白内障は、糖尿病が原因と
なって起こっているため、根本的に
糖尿病をしっかりと管理して合併症
を抑制することが一番大事なことです。

 

ですから、白内障に対する治療だけ
行っても効果はありません。

 

また、すでに視力を失っている場合
でも放置すれば白内障の合併症による
ぶどう膜炎緑内障を起こす可能性も
あり、最悪の場合、眼球摘出が必要に
なることもあります。

 

ですから、糖尿病の治療と並行して
目の状態もしっかりと観察、重症化
しないように進行を抑制することが
大事になります。

 

糖尿病も初期で手術が成功して
その後、血糖コントロールがうまく
継続できれば白内障を止めることも
可能ですから、いかに早く糖尿病を
発見できて治療に入れるかということが
大事ですね。

 

また、糖尿病の合併症は様々です。
白内障のように目に起こる合併症
では直接命に関わることはありませんが
他の臓器への影響ではそれらが寿命を
左右しますし、ケトアシドーシス
(糖尿病の急性代謝性合併症)では、
命の危険性があります。

 

白内障のように外見上分かりやすい
異常だけでなく、体全体に起こる可能性
のある合併症についてもしっかりと理解し、
抑制できるように血糖の管理を徹底する
ことが重要です。

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