犬の糖尿病のインスリンについて!効かない場合の原因など!

犬の糖尿病のほとんどは、人で言う
I型糖尿病で、人とはその発症メカニズム
や病態は異なりますが、治療には
インスリン投与(注射)が必要になるタイプ
の糖尿病です。

 

また、人の糖尿病では経口血糖降下剤
(血糖値を下げる飲み薬)が使われる
ことも多いですが、犬の場合には、
糖尿病診断時にすでに重度の状態で
インスリン分泌能力がなくなっている
ことがほとんどです。

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そのため、経口血糖降下剤による
血糖値のコントロールは不可能である
ため、飲み薬が使用されることはまずありません。

 

ですから、犬の糖尿病の治療、管理
には、一生涯に渡ってインスリンの
投与が必要になります。

 

こちらでは、犬の糖尿病の
インスリン療法、またインスリンが
効かない場合などについてまとめて
みましたので参考にしてください。

 

<犬のインスリン療法について>

 

犬と人のインスリンのアミノ酸配列は
類似しているため犬の糖尿病には
人のインスリン製剤(ヒト遺伝子組み換え型)
が使われるのが一般的です。

 

また、インスリン 製剤には作用が現れる
までの時間によって、

【超速効型】
作用出現まで10~20分・作用持続時間3~5時間

【速攻型】
作用出現まで30~1時間・作用持続時間5~8時間

【中間型】
作用出現まで30~3時間・作用持続時間18~24時間

【混合型】
製剤によって異なるが作用持続時間は中間型とほぼ同じ

【持続型】
作用出現まで1~2時間・作用持続時間ほぼ24時間

などがありますが、一般的に犬で
使われるのは、中間型の製剤です。
(ノボリンN注・ヒューマリンN注など)

*ただし、作用や効果の出現状態に
よっては製剤の変更もあります。

 

そして、基本的には一日2回の
注射が必要になることがほとんどです。

 

また、インスリン量については
適切な投与量を決めるためにも
最初は数日間に渡って、血糖値を
測りながら投与量を調整していく必要が
あり、数日間は入院となることが多いです。

 

適切な血糖の数値(100-200mg/dl)
維持できる投与量が概ね決まったら、
その後はインスリン注射法の指導を受けて
自宅で 飼い主さんが注射するように
なります。

 

*犬の糖尿病のインスリン治療では
血糖値が下がりすぎてしまう(低血糖症)
と危険なため、正常な血糖値の参考基準値
(63~110mg/dl)より高めを目標にします。

 

ただし、血糖値は食事量や食べた時間、
また日常生活のちょっとしたことでも
変動しますし、インスリンの効果も
最初とは変わってくることが多いです。

 

そのため、しばらくは1~2週間に
一度は、通院して血糖値を測定しながら
インスリンの投与量を調整していく
必要があります。
(投与量を勝手に変更することは禁忌です)

 

目標の数値内で維持できるように
なったとしても1~2ヶ月に一度は、
通院が必要です。

 

また、家庭で簡易に検査できる
血糖測定器もあるため、それを
使って自宅で血糖値を測ることが
推奨される場合も多いです。

 

血糖値は、ストレスなどでも上昇する
ため、自宅で普段通りの食生活を
送っている状態、リラックスした状態で
同じ時間に測定した値が一番正確です。

 

ですから、自宅で測定ができる場合には
それをメモして1週間分、または2週間分
を病院で見せて、インスリン投与量を
調整してもらうことが望ましいです。
(その辺りは状況に応じて病院より指示が
あると思います)

犬の低血糖!子犬や成犬で考えられる原因や病気、対処法など!

インスリン投与を始めても
血糖値が安定するまでには時間が
かかることもありますが、基本的
には、1日2回、1~5単位ずつ(体重や
数値による)の注射でコントロール
できるようになります。

 

ただし、投与量の調整を続けても
血糖値が下がらず、インスリンが
効かないと思われる状況の時もあります。

 

そのような時には、他の病気を
併発している可能性が高いです。

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<インスリンが効かない場合に考えられる原因について>

 

一般的なインスリン療法を行っても
血糖値が下がらない、血糖値が安定
しないなどの場合には、主に以下の原因
が考えられます。

 

【クッシング症候群(副腎皮質機能更新症)】

犬のクッシングは、副腎皮質ホルモン
(コルチゾール)の過剰分泌によって起こる
病気で脱毛や皮膚異常、腹部膨満、筋力低下、
多飲多尿などさまざまな症状が見られます。

 

そして、その他の病気を併発すること
も多く、その一つが糖尿病です。

 

インスリンは血糖を下げる作用がある
ホルモンですが、コルチゾールは血糖を
上げる作用があるホルモンです。

 

そのため、コルチゾールの過剰分泌に
よってインスリンの作用は妨げられ、
効きにくくなり、血糖が思うように
下がりません。

 

その場合には、クッシングの治療と
並行しながらインスリン投与を行う
必要があります。
クッシングは血液検査で分かり、薬剤
投与にて治療していきます。

 

犬のクッシングの血液検査!コルチゾールの数値や診断など!

 

【メス犬で未避妊】

近年、犬も繁殖予定のないメス犬は
避妊手術(卵巣子宮摘出)が推奨されて
いますが、これには乳がんや子宮蓄膿症
などの病気の予防のためというのもあります。

 

ですから、比較的早期(生後1年未満)
に手術を終える場合が多いですが、
手術をしていない子もいます。

 

避妊手術を行っておくと発情はなくなり
ますが、未避妊に場合には年に2回ほど
発情が起こります。

 

そして、発情期~発情後には、
プロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌
されます。
このプロゲステロンは、強力な
インスリン抵抗性(インスリンに対する
感受性低下、インスリンの作用が十分
に発揮できない状態)を引き起こします。

 

また、プロゲステロンは、異所性
(本来ホルモンを産生しない臓器で産生
されるホルモン)の成長ホルモン分泌
を起こします。

 

成長ホルモンもインスリン抵抗性
引き起こします。

 

そのため、未避妊のメス犬は糖尿病
のリスクが高いことで知られ、また
治療のインスリンの効果が出ないのです。
(糖尿病の犬のうち未避妊のメス犬が
占める割足は60%以上と報告されています)

 

この場合、避妊手術を行ってから
インスリン投与を続けていけば
良い効果が見られることがほとんどです。

 

避妊手術は、全身麻酔が必要になり、
糖尿病の場合、リスクは高くなりますが
それが原因の場合、手術を行わないと
血糖コントロールは難しいため、
インスリン投与で一時的に血糖値を
下げ、リスクを最小限にした状態で
手術が行われるようになります。

犬の避妊手術の流れ~絶食や手術,入院から退院後のケアまで!

 

【炎症】

炎症性サイトカイン(体内でさまざまな
炎症を引き起こす原因因子)は、
インスリン抵抗性をもたらすことが
分かっています。

 

そのため、体内のどこかに何らかの炎症
があるとインスリンの作用が出にくく
なります。

 

犬で多いのは、口腔内の炎症(歯石や
歯垢による歯肉炎や歯周病など)
挙げられます。
特に中〜高齢の犬で日常的に口腔内の
ケアを行っていない場合、口腔内の
衛生状況は非常に悪くなっているのが
普通です。

 

その他、前述した未避妊の場合には、
子宮内で炎症を起こしているような
こともあります。(子宮蓄膿症)

 

また、膀胱炎などの泌尿器疾患
多いです。

 

基本的に糖尿病ではさまざまな
合併症を引き起こすリスクが高いため、
何らかの疾患を引き起こし、それに伴う
炎症が起こっている可能性も高いのです。

 

いずれにしろ、何らかの炎症がある
場合には、インスリン療法の妨げに
なるため、それらの治療を徹底する
必要があります。

犬の歯周病の治療法や抜歯、手術などにかかる費用は?

またもし、前述した考えられる原因が
見当たらない場合には、インスリン製剤
を変更するなども必要になります。

 

<まとめ>

 

犬の糖尿病をインスリン療法で
コントロールしていくためには、
他の何らかの病気、併発疾患を
確実に治療、また予防していくことが
重要になります。

 

ですから、血糖値だけでなく定期的
に全身の状態をチェックするための
検査を受けましょう。

 

また、インスリンの効果を発揮させる
ためには、食事療法も重要です。
基本的に、犬の糖尿病は、
インスリン療法+食事療法にて治療を
行っていきます。

ドッグフードで糖尿病ケア!安心の無添加療法食で糖質制限を!

インスリン療法だけでは良好な血糖値
を維持するのは難しいです。

 

糖尿病用の専用の療法食は
いくつかのメーカーから色々な種類
が出ていますのでできればそれらを
与えるのが望ましいです。
(手作り食では、管理が難しい場合
が多いです。)

 

糖尿病は、なるべく早期に治療を
開始して血糖値を目標値で維持する
ことが大事です。
コントロールがうまく行かず高血糖
の期間が長くなるとさまざまな合併症の
リスクが高くなり、白内障など目に
影響が出てくると失明の恐れもあります。

 

また、当然余命も短くなりますし、
突然死のリスクも高くなります。

 

食事療法をはじめ、適切なインスリン
投与、合併症の予防など獣医師の指示に
したがって徹底的な管理をしていきましょう。

 

また、自宅で血糖値測定などを行う
場合には、その数値によっての対処法
(低すぎる場合、高すぎる場合など)
などもしっかりと確認しておきましょう。
食欲がなく食事を食べなかった時など
も同様です。
(食事量によっては投与量の調整が必要に
なることもあります。)

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