目・鼻・口の異変

犬の緑内障の手術法や費用、経過や予後について!

犬の緑内障は、眼科疾患の中でも
早急な治療が必要とされる緊急疾患
ですが、その重症度や状況によって
治療法も異なってきます。

 

治療法を決めるには、緑内障が
*原発性(原因不明、主に先天性)
*続発性(他の眼科疾患が原因)
のどちらか?またその時点で視覚(視力)
があるか?が重要になります。

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緑内障の治療は、基本的に

*内科療法
(点眼など薬剤投与によって眼圧を下げる)

*外科療法
(外科的な処置で房水を減らす、また眼球摘出など)

のどちらかになります。

犬の緑内障について!痛みなど症状や治療法と点眼薬など!

こちらでは、犬の緑内障の外科処置(手術)
の方法や費用と経過、予後などについて
まとめてみましたので参考にしてください。

 

<緑内障で外科療法の適応について>

 

犬の緑内障で、外科的な処置が必要
となる状況は、

*緊急性が高く、内科的療法では、
十分な眼圧を下げる効果が得られない

*内科的療法では回復が望めない

*すでに視覚を喪失している

などの場合です。

 

まだ視覚を維持できている状況では
一刻も早く眼圧を下げる必要があり、
まず眼圧下降効果の高い点眼薬の投与
行われますが、それによって十分な効果
が得られないときには、外科的な治療で
眼圧を下げる処置が必要になります。

 

また、一旦は眼圧を下げることが
できても、その維持がうまくできず、
内科的な治療では、眼圧のコントロール
が難しく再発を繰り返すような場合
にも外科的治療が検討されます。

 

さらに、診察時にすでに視覚を喪失
(失明)しているときにもその後の
合併症を防ぐために外科的な処置が
必要になります。

 

特に、発症してから早期に治療が
行えなかった場合には、内科的治療
では対応が難しいことが多くなります。

 

<緑内障の外科治療について>

 

犬の緑内障の外科療法には、
状況に応じて主に以下の方法があります。

 

*隅角癒着解離術

*周辺虹彩切除術

*チューブシャント術

*毛様体レーザー凝固(破壊)術

*眼球摘出・義眼挿入

*眼内薬物注入

 

【隅角癒着解離術】

隅角(房水の排出口を)を広げる手術。

閉塞隅角緑内障(隅角が癒着している)
に適応。(慢性の緑内障にも)

その他、房水の放出のためには、
虹彩はめ込み術や管錐術などがあります。

 

【周辺虹彩切除術】

虹彩に切開孔(穴)をあけて房水の流れる
バイパスをつくる手術。

閉塞隅角緑内障(隅角が癒着している)
に適応。(特に急性の場合)

 

【チューブシャント術】

インプラント(チューブ)を結膜下に設置
房水の側路、分流(シャント)を作る手術です。

他の手術が適応でない場合、効果が
得られない場合などに適応。

 

【毛様体レーザー凝固術】

毛様体をレーザー照射により破壊し、
房水の産生を抑制して眼圧を下降させる。

視覚の回復が見込めない、他の手術で
効果が期待できない場合などに適応。

 

【眼球摘出(義眼挿入など)】

眼球を摘出、見た目を良くする
ために義眼(強膜内シリコン球)を挿入
することもあります。

すでに視覚を喪失している場合、末期の
緑内障、回復が望めない眼内腫瘍などに適応。

 

【眼内薬物注入】

硝子体内に薬物(ゲンタマイシン)
を注入して毛様体を破壊する処置です。
(眼球が萎縮、眼の機能を失わせる)

すでに視覚を喪失している場合、末期の
緑内障に適応。費用を抑えたい時など。

 

<手術の費用について>

 

外科手術の費用は、術式によって
異なりますが、150,000~300,000円
程度が相場になります。

 

また、手術そのものもそうですが
その後の管理や入院期間によっても
費用は変わってきます。
また通院も続きます。
特に術後しばらくはこまめな診察が
必要になります。

 

さらに、前述したように外科手術を
行なってもそれで治療は終わりでは
ありません。ずっと治療は続きます。

 

また、場合によっては早期に再手術
が必要になることもありますし、
手術による効果が十分に得られない
場合には、他の手術法での治療が
必要になることもあります。

 

ですから、それらの可能性も考える
と全体的な費用はもっと高額になる
ことが多いです。

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<緑内障の外科治療の経過や予後について>

 

犬の緑内障は、進行度にもよりますが、
内科療法だけで良好な状態を維持して
いくのは難しいため、基本的には
外科治療の併用が検討されます。

 

ただし、どんな術式においても
術後には合併症や副作用のリスクが
ありますので、それらを考慮に入れた
上で術後管理はしっかりと行う必要が
あります。

 

眼球摘出以外の外科療法は、緑内障
の根治のための手術ではありません。
あくまでも対処療法の一つです。

 

術後の合併症について:

術式によっても異なりますが
主に以下の合併症の可能性が挙げられます。

*低眼圧
房水の流れが良くなりすぎて眼圧が
下がりすぎてしまう。一時的なものが
多いが、処置が必要になることも。

*前房出血
角膜と虹彩の間の前房に出血を起こし、
視覚が見えづらくなる。
ただし、多くの場合、出血は数日で吸収される。

*虹彩炎
虹彩や毛様体に炎症が起き、
痛みや充血などが見られる。
軽度であれば1週間程度で改善。

*術後眼内炎
手術の際の創口から細菌感染を起こした
場合に発症。重篤な後遺症を残すこと
もある怖い合併症だが稀。

*網膜剥離
眼球の内側にある網膜が剥がれる。
再手術が必要。

*房水路の閉塞
房水路を作ったり、広げたりする
手術後にその通り道が塞がる。
術後数日は、比較的頻繁に見られる
ことがある。処置や再手術が必要に
なることも。

などが挙げられます。
(これらは眼球摘出術の場合には起こりません)

 

視覚がある場合に、房水の産生抑制、
または房水の排水路をつくる外科処置に
よって眼圧を降下させることができて
合併症を抑えることができれば、予後は
しばらくは良好なことが多いです。

 

手術後も経過を見ながら内科療法と
併用しながら、再発を防ぎ、視力の温存
を目的に治療を継続していく必要があります。

 

ただし、外科療法を行なっても
いずれは再発したり、また手術が
必要な状態になったりといったことが
起こります。

 

そして、少しずつ治療の反応も悪く
なっていき、最終的には視覚を喪失
(失明)するようになることがほとんどです。

 

ですから、それまでの期間をいかに
長くするかが重要であり、それには早期
に内科的、外科的治療を適切に行なって
いくことです。

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