生殖器の病気

犬の前立腺肥大症の薬について!作用や効果と副作用、価格など!

犬の前立腺肥大症は、去勢手術を
行なっていない中〜高齢の犬の多くが
発症するポピュラーな病気です。

 

前立腺肥大症は、膀胱の下にある
前立腺が少しずつ肥大して大きくなって
くる病気ですが、症状が進行してどんどん
前立腺が大きくなってくると周辺の臓器
(尿道や直腸)を圧迫するため、排尿障害
や排便障害などの症状が現れてきます。

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そして、前立腺肥大症には精巣から
分泌される性ホルモンが関係している
ことから、治療の基本去勢手術(精巣
摘出)を行うことです。

 

肥大だけであれば、去勢手術を行う
ことで徐々に肥大した前立腺は小さく
なっていき、それに伴い、症状も改善
されていきます。

 

ただ、去勢手術は全身麻酔が必要に
なりますので、麻酔がかけられる体
(特に内臓関係)の状態でない場合には、
行えません。
また年齢などから、手術はリスクが
高くなることもあるため、すべての症例
で手術が適応になるわけではありません。

 

その場合には、内科的治療として
お薬(ホルモン剤)の投与で対処していく
ようになります。

 

また、前立腺の状態によっては、
手術とホルモン剤の投与が一時的に必要
になることもあります。

 

こちらでは、犬の前立腺肥大症の
内科的治療、ホルモン剤について
作用や効果、副作用、お薬代などを
まとめてみましたので参考にしてください。

犬の前立腺肥大の症状(血尿や便秘、痛みなど)や治療について!

 

<犬の前立腺肥大症の内科的治療について>

 

前述したように、犬の前立腺肥大症の
治療の第一選択は去勢手術です。
手術によって精巣を摘出して前立腺に
影響を与えている性ホルモンを無くして
しまうことが、肥大症の治療には一番
効果的です。

 

去勢手術をするとその後再発の心配もなく、
予後も良いため、また去勢手術を行うことで
他の病気(会陰ヘルニアや精巣ガンなど)の予防
にもなるため、手術が可能な状況であれば
必須となります。

 

しかし、手術を行う場合でも、あまりに
前立腺の肥大が大きく、排尿・排便障害
が出ている場合には、まずお薬(ホルモン剤)
を投与して肥大を少し小さくしてから
手術を行う場合が多いです。

 

そして、

*全身麻酔のリスクが高い
(内臓疾患など)

*年齢的に手術の負担が高い
(特に高齢の場合や、その後の寿命を考慮)

*飼い主さんが手術を望まない
(どうしても手術はしたくないなど)

などの場合は、手術は行わず内科的治療
としてホルモン剤の投与となります。

 

ただ、そもそもホルモン剤の投与に
よって治療できるのであれば手術は
必要ないのでは?と思ってしまうかも
しれません。

 

しかし、前立腺肥大症=去勢手術
というのが基本となっているのには、
ホルモン剤の投与による治療には限界が
あり、手術を行う方が、治療効果も高く、
またリスク
も少ないからです。

 

<犬の前立腺肥大症のお薬について>

 

犬の前立腺肥大症のお薬としては、
「ウロエース錠」が主に使用されています。

 

これは犬用の前立腺肥大症の治療薬と
して発売されている動物用医薬品で、
ステロイド受容体拮抗薬です。


出典:http://www.aska-animal.co.jp/

有効成分は、「酢酸オサテロン」で
抗アンドロゲン(男性ホルモン)作用を
有しています。

 

前立腺の肥大は、以下のメカニズムで
起こります。

「テストステロン」
(アンドロゲンの一種、男性ホルモンの
中で作用が強いステロイドホルモン)

(結合)

「5α-リダクターゼ」
(男性ホルモンと結合することで、
男性ホルモンをより強力にする酵素)

(変換)

「DHT(ジヒドロキシテストステロン)」
(テストステロンよりさらに作用の
強い男性ホルモン)

となり、

「DHT(ジヒドロキシテストステロン)」

( 複合体形成)

「アンドロゲンレセプター」
(男性ホルモン受容体)

作用が発現

前立腺の肥大

 

そして、ウロキナーゼの有効成分の
「酢酸オサテロン」は、

*前立腺内へのテストステロンの取り込みを阻害

*DHT- アンドロゲンレセプター複合体形成を阻害

*前立腺内のアンドロゲンレセプター量を減少させる

作用によって、肥大した前立腺を縮小
させる効果を発揮させるお薬です。

 

実際の効果として、ウロエース錠を
一日一回、7日間連続投与において
前立腺の大きさが約60~70%縮小する
ことが認められています。

 

これによって、周辺臓器の圧迫が
軽減され、排尿や排便障害が改善する
のです。

 

ただし、投与終了後6ヶ月で前立腺は
元の大きさまで肥大したということです。
( お薬の服用のみで去勢手術を行わなかった場合)

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<ウロエース錠の用法、用量、価格など>

 

ウロエース錠は一錠中に
酢酸オサテロン 2.5 mgを含みます。

 

そして、体重1kg 当たり酢酸オサテロン
として,1 回 0.25 ~ 0.50 mg を
1 日 1 回経口投与します。

 

つまり、体重10kgの犬であれば
一日一回一錠ということです。
5kgであれば一日一回1/2錠。
20kgであれば一日一回2錠。
(基本的には最低量0.25mgでスタート、
効果によってはその二倍量0.50mgまで
投薬可)

 

そして、「投与期間は7日間とし,
それ以上は継続して使用しないこと」
とされています。
もし7日間飲んでも思うように効果が
見られない場合でも一旦は中止という
ことです。
(ただし、病院にもよりますが、状況
によっては少し延長する場合もあるようです)

 

ウロエース錠の価格についてですが、
病院によっても異なりますし、犬の
大きさ(投与量)によっても価格を変える
場合もありますが、平均的には
一錠あたり300円前後で設定している
ところが多いようです。

 

また、その他、前立腺の状態や他の症状
によっては抗生物質抗炎症剤などの投与
が必要になります。

 

<ウロエース錠の副作用について>

 

犬の前立腺肥大症の治療薬ウロエース錠
の副作用については、

*ときに肝機能検査値の異常が認められることがある。

*精液量の減少及び精子奇形率の増加等
の精液性状の悪化が見られることがある。
(これらによる繁殖への影響は,確認されていない)

*血中コルチゾール値の低下を認めることがある。

とされています。

 

そして、使用制限として、

*重篤な肝障害、肝疾患を有する犬には投与しないこと

*糖尿病を併発している犬には投与しないこと

*副腎皮質機能に異常を認める犬には投与しないこと

*その他の疾病に罹患した犬に投与する
場合は、投与後の経過を観察し,必要に
応じて臨床検査を行うこと

とされています。

 

重篤ではないにしろ、肝炎などが
ある(肝機能の数値が高い)場合には注意が
必要ですね。
また、糖尿病やクッシング症候群
(副腎皮質機能更新症)がある場合も投与は
不可です。
その他の病気がある場合も慎重な投与と
なります。

 

また、薬剤投与との因果関係は明らかに
なっていませんが、ウロエース錠投与後に
死亡例が3例ほど報告があります。
(ただしどんな薬剤でも副作用とされる
死亡例はあります)

犬の前立腺疾患の手術法や費用について!経過や予後なども!

ウロエース錠は、他の黄体ホルモン薬
(酢酸メゲストロールや酢酸クロルマジノン
など)と比べると副作用は非常に少ない薬剤です。

 

<まとめ>

 

ウロエース錠は、投与1週間ほどで
60~70%前立腺の肥大が縮小するため、
前立腺肥大症に対する効果としては
高いお薬です。
(症状が軽度の場合、早ければ投薬開始後
3日ほどで症状の軽減が見られることも
あります)

 

ただ、お薬の重要な基本的注意にも
記載されていますが、ウロエース錠に
よる治療は根治治療ではありません。

以下抜粋↓
”本剤による前立腺肥大症に対する治療は,
根治療法ではないことに留意し,本剤投与
により期待する効果が得られない場合には,
手術療法等他の適切な処置を考慮すること。
なお,前立腺腫瘍及び前立腺膿瘍等の
前立腺過形成以外の疾患等において、
本剤の有効性は確認されていない。”

 

お薬はずっと飲み続けられるものでは
なく、基本的には7日間の投与です。
場合によって多少長めに投与することも
ありますが、それでも肥大が縮小されて
くれば投与はやめるお薬です。

 

そして、ほとんどの場合、
その後、再発が見られます。
再発までの期間はそれぞれです。
(約半年前後)

 

元の肥大の大きさや投薬後の縮小の
程度にもよりますが、投薬をやめてお薬
の効果がなくなってくるとまた少しずつ
肥大は始まってくるのです。

 

そして、周辺臓器への圧迫から排尿や
排便障害の症状が出始めるまでの期間
がどのくらいかというのには、肥大の
スピードや個体差が関係してくるため
それぞれです。
また、年齢にもよります。

 

要は、肥大してきたらまた投与を行う・・
という風に投与を繰り返す必要があるのです。

 

そして、前立腺の病気は過形成による
肥大だけではなく、嚢胞
や膿瘍などが原因
となっても肥大します。
そして基本的にそれらにはウロナーゼは
効きません。

 

そして、犬の前立腺肥大では過形成以外
の前立腺炎や嚢胞、膿瘍なども増えてきて
います。特に肥大を繰り返す場合にはそれら
のリスクも高くなります。
また、それらは治療も難しく、厄介な
病気です。

 

ですから、手術ができる状態であれば
去勢手術を受けておくことで、過形成
以外の前立腺疾患の予防もできるのです。

 

そのため、特に若くして前立腺肥大を
発症した場合には、手術を受けておくこと
が推奨されます。
高齢になればなるほど全身麻酔のリスクも
上がりますので。

犬の去勢手術後の経過(痛みや腫れ,食欲や元気など)について!

 

高齢や麻酔のリスクが高く手術が
行えない場合には、お薬による治療しか
方法はありませんが、再発や副作用の
リスクを理解し、治療後も経過観察を
しっかりと行っていきましょう。

 

排尿障害は命に関わることもあります。
また排便障害も相当な苦痛を伴います。
もしも異変が見られた場合には
早期に診察を受けてくださいね。

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