犬の前立腺疾患の手術法や費用について!経過や予後なども!

去勢手術をしていないオス犬で
高率に発生するのが前立腺の病気です。

 

前立腺は膀胱の真下にあり、骨盤腔の中
に位置しており、外見上は分かりません
ので病気が発症していても、初期では症状
は出ず、進行してから排尿や排便障害など
の症状が出るため、早期発見が難しい病気
の一つです。
(ただし健康診断など定期的に受けていれば
症状が出る前に発見も可能です)

スポンサーリンク


犬の前立腺疾患は、

*前立腺肥大症(良性の過形成)

*前立腺炎(炎症)

*前立腺嚢胞(袋状の病変)

*前立腺膿瘍(化膿性の炎症によって膿が貯留)

*前立腺腫瘍(がん)

などがあり、すべてにおいて前立腺の
肥大(大きくなる)が起こりますが、
一番多いのが良性の過形成による
前立腺肥大症です。

 

また、良性の過形成でも炎症を起こして
いたり、嚢胞などを併発している場合も
多いです。

 

そして、前立腺疾患の発症は、精巣から
の性ホルモンが関係しています。(前立腺腫瘍以外)

 

そのため、過形成の肥大症の場合は、
去勢手術(精巣摘出)を行うことだけで
対処できることが多いです。
(去勢手術を行うだけで前立腺の肥大は
少しずつ縮んでいきます)

 

その他、嚢胞や膿瘍では、去勢手術と
共に前立腺の手術が必要になってくる
ことが多いです。

 

こちらでは、前立腺の手術について
手術方や費用、経過や予後などを
まとめてみましたので参考にしてください。

 

<犬の前立腺疾患の手術について>

 

「前立腺炎」の場合には、抗生物質や抗菌剤
の長期投与が必要になりますが、それに
よって炎症を抑えることができれば
前立腺の手術は必要ありません。
(去勢手術は必要)

 

ただし、再発を繰り返したり、前立腺
膿瘍に移行することがあるため、注意が
必要です。

 

「前立腺嚢胞」は、嚢胞の中に体液や血液
が溜まったり、腫瘤を形成したりなどが
起こりますが、それ自体では特に症状は
ありません。

 

しかし、進行していき中の貯留物が増えて
いき、嚢胞が大きくなることによって
周辺臓器(尿道や直腸)を圧迫、排便や排尿
障害の症状が見られるようになってきます。
これによって異常に気付くようになります。

 

そのため、嚢胞はかなりの大きさになって
から発見されることが多いです。

 

そして、怖いのが尿道圧迫によって全く
オシッコが出なくなると腎不全から尿毒症
となり助かりません。

 

ですから、症状にもよりますが、
尿道の確保をしつつ、早期に手術を
行う必要があります。

 

「前立腺膿瘍」は、化膿性前立腺炎とも
呼ばれ、前立腺内で発生した炎症によって
前立腺内にどんどん膿が溜まってくる
病気です。(前立腺炎からの移行が多い)

 

初期ではほとんど症状はありませんが、
進行してくると血尿や膿尿、発熱や元気、
食欲不振などの症状が現れてきます。

 

そして、膿瘍が破裂すると腹膜炎や
敗血症を起こします。
治療が遅れると助かりません。
(また、そうなってしまうと治療をしても
助からないことが多いです)

 

急を要さない場合には、膿瘍からの
排膿と抗菌剤の内科的治療が行われる
こともありますが、膿瘍の内科的治療
はあまり効果が高くありません。

 

膿瘍を形成した前立腺は、虚血
(血が行き渡らない)によって抗菌剤が
効きにくいことが多く、内科的治療が
難しいのです。
(もともと前立腺は薬剤の浸透率が
悪い臓器です)

 

そのため、状態によっては早期に手術を
行う必要があります。

犬の前立腺肥大の症状(血尿や便秘、痛みなど)や治療について!

 

<犬の前立腺の手術法について>

 

前立腺は尿道を取り囲むように
位置しており、前立腺の中を尿道が
通っています。

 

そのため、前立腺に何らかの病変が
できた場合には、尿路障害が起こります。

 

そして、多くの場合それらの症状が
出てからの発見となるため、前立腺の
手術を行うにあたって、事前に尿道の
位置や状態を確認する必要がありますので
尿路造影検査が行われます。

 

尿路造影検査は、尿道口から造影剤を
注入、レントゲンで撮影、尿道や膀胱
などを映し出す検査です。
基本的に無麻酔で行われます。

 

その後、術中〜術後の尿道の確保のために
尿道カテーテルを挿入してから手術が
行われます。

 

前立腺の手術は、前立腺腫瘍の場合には
基本的に全摘出手術が適応となりますが、
その他の状態(嚢胞や膿瘍)では、病変部
の部分的切除や、膿汁や体液などの排泄口
をつくる
ための手術が行われます。
(前立腺の全摘出手術は、尿道、神経、
血管などの問題からとても時間の
かかる厄介な手術です)

 

*嚢胞部分のみの切除

*尿道を圧迫している部分のみ切除

*皮(外腺)を残して中身(内腺)だけを切除

*膿汁の排泄口をつくる(特に膿瘍の場合)

などの手術法があります。

 

いずれの手術も術中〜術後数日から1週間
程度は尿道カテーテルを入れたまま尿道
を確保しておきます。

 

膿汁の排泄口をつくる手術を行った
場合には、排泄、洗浄のためのカテーテルを
前立腺の膿瘍内に挿入したままお腹を閉じ
ます。

 

そして、術後には生理食塩水や抗生物質
を使って繰り返し膿瘍内を洗浄、膿が
溜まらなくなってくるまで続けます。

 

その他、術後には抗生物質や抗菌剤
投与が必要になります。
また、状態によってはホルモン剤
投与が必要になる場合もあります。

 

そして、未去勢の場合、去勢手術も同時
に行われます。

スポンサーリンク


<犬の前立腺の手術費用について>

 

前立腺の手術費用は、前立腺の状態や
手術法、犬の大きさなどによって異なり
ますが、おおよそ30,000~70,000円
くらいが平均的な相場になっています。

 

去勢手術は別途10,000円程度かかります。

 

術後の入院費は別途となります。
入院期間は手術法や状態によっても
異なりますが一泊あたり5.000~10,000円
ほどで3日〜7日くらいの入院になります。

 

<犬の前立腺の手術の経過や予後について>

 

犬の前立腺疾患の手術後は、数日〜長い
と数週間は頻尿などが続く場合があり
ますが、それが治まってくれば状態は
落ち着いてきます。

 

そして再発がなければ良好な状態の
まま普通に生活ができます。

 

ただし、前立腺の病気は過形成による
肥大以外の場合は、治療に時間がかかる
場合も多く、再発の可能性もあるため
手術後も長期の通院、治療が必要な場合があります。

 

嚢胞の場合には、取りきれてしまえば
予後は良好(感染を起こしていない場合)な
ことが多いですが、膿瘍の場合には、
特に術後管理、経過観察が大事になります。

 

状態が良くなっても数ヶ月後に再発・・
ということもあることですので、排尿や排便
の状態は継続してしっかりと観察していく
必要があります。
(また、定期的な診察も大事です)

犬の前立腺肥大症の薬について!作用や効果と副作用、価格など!

 

<まとめ>

 

前立腺は、薬剤の移行性が乏しい
(抗菌薬が入っていきにくい)とされる
臓器です。

 

そのため、前立腺炎や前立腺膿瘍のように
細菌感染によって炎症を伴った状態では
一番に抗菌剤(抗生物質)の投与が必須と
なり、他の臓器であれば抗菌剤だけでも
対処できるところも前立腺ではそれが
難しいという現状があります。

 

それが、炎症を伴った前立腺疾患の治療は
予後があまり良くないと言われている理由
でもあります。

 

ですから、抗菌剤の投与も一般的な
投与期間よりも長期に渡って必要になる
ことが多く、また一旦落ち着いても再発
が見られることも多いのです。

 

さらに、前立腺は尿道が通っていること、
膀胱への血管や神経が経由していること
などから、摘出するのも難しい臓器です。

 

そして、未去勢ではほとんどの犬が
発症する病気ですから、とにかく軽症の
うちに治療が行えるように注意して観察
しておくことが大事です。

 

少しでも前立腺の大きさを指摘された
場合には、他に症状が出ていなくとも
とにかく早くに去勢手術を受けることです。
本当であればその前に去勢手術は
終えておくのがベストですが。。

 

過形成以外の前立腺疾患は、治療も難しく、
予後も決して良いとは言えず、また命に
関わってくる病気です。

 

未去勢で5歳を超えた犬の場合、
いつ何らかの症状が出てもおかしくない
ですから、そこはしっかりと頭に入れて
愛犬の異変を見逃さないようにしてあげて
くださいね。

スポンサーリンク

あなたにオススメ記事
バナー にほんブログ村 犬ブログ 犬 健康へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です