眼の病気

犬の白内障の手術法や費用!術後管理や経過、予後について!

犬の白内障は、眼科疾患の中では、
角膜炎、結膜炎、眼瞼炎に次いで
多い疾患です。

 

人では白内障は高齢に伴って発症
する疾患という概念が一般的ですが、
犬の場合には、遺伝性も多く若年齢でも
多く発症する厄介な病気の一つです。

スポンサーリンク


そして、白内障は内科的治療は
困難で、根治(視覚を取り戻す)のため
には、外科手術が必要になります。

 

人では、白内障の手術は一般的で
ポピュラーに行われているものですし、
動物医療の分野でも犬の白内障手術
を行う病院は増えてきており、また
技術の進歩によって成功率も格段に
上がってきています。

 

ただし、犬の場合は手術に際しても
病気を治しているという感覚は当然なく、
患部を大事にしようとはしませんので
人とは異なる部分も多く、手術はもちろん
ですが、手術前後の管理もとても重要に
なってきます。

 

手術を成功(視覚の回復)させるには
手術手技が5割、その後の管理が5割
とも言われており、いくら手術がうまく
いってもその後に適切なケアが継続
できなければ白内障を根治させることは
できません。

 

こちらでは、犬の白内障の手術法~
術前、術後の管理、経過や予後に
ついてなどをまとめてみましたので
参考にしてください。

 

<犬の白内障手術を成功させるための準備>

 

犬の白内障は、そのすべてが手術適応と
なるわけではありません。
白内障の手術は視覚を取り戻すことを
目的として行われるものであり、手術を
行っても視覚の回復が期待できない症例は、
手術対象とはなりません。

 

網膜の異常やぶどう膜炎を併発して
いる場合、核硬化症など・・まずは
その診断をしっかりと行うことが重要に
なります。

犬の白内障の検査法や費用、手術適応かの診断についてなど!

また、犬と共に飼い主もしっかりと
した術後管理が可能である、協力的
であるか
ということも大事です。

 

術後は数週間はエリザベスカラーの
装着が必要になり、またカラーを
付けていても目を引っ掻こうと暴れる、
また目や顔周囲を触られることを極端
に嫌がるなどの犬の場合は難しいです。

 

また基本的に入院室で大人しく過ごす
ことができない(一日中暴れたり、扉に
噛み付いたり)犬なども、術後管理が
難しいため、手術適応とはなりません。

 

そして退院してからも、犬が眼を
引っ掻いてないかなどの観察も必要
ですし、点眼薬の頻回投与、定期的な
診察が必要になるため、それらの管理が
しっかりと行えない飼い主さんの場合
にも手術は難しくなります。
(白内障手術後は、合併症の起こる可能性
が高いため、術後管理は非常に重要)

 

それらは、事前にしっかりと重要性を
話して判断する必要があります。

 

また、白内障の手術は全身麻酔
なりますので、麻酔がかけられる健康
状態であることも大事です。

 

そして、手術日程が決まったら数日前
から感染の防止、ぶどう膜炎の抑制、
散瞳の維持、フィブリン析出(血液凝固)
抑制のためなどに、内服薬の投与や点眼
を行います。

 

<犬の白内障の手術法~流れや費用について>

 

病院によっても多少異なりますが、
手術当日は、事前に点眼薬などでの準備
があるため、遅くとも手術開始の3時間
程度前までに来院するように指示があると
思います。

 

全身麻酔になるため、前日の夜10時以降
は絶食、絶水となります。

 

【全身麻酔】

静脈麻酔→気道確保→吸入麻酔で維持。
各種モニター装着。

 

【手術】

手術法は、基本的に人の白内障手術と
同様になります。
手術用顕微鏡を用いて行われます。

角膜に3mm弱の切開創を開ける

水晶体の皮を円形にくり抜く

超音波チップで水晶体内容を破砕、吸引

眼内レンズ(人工レンズ)挿入

角膜、結膜の縫合

手術終了、麻酔からの覚醒を待って
エリザベスカラー装着後、入院室へ

 

【手術時間】

麻酔をかけ始めてから~両眼の手術終了
まで入れても約1時間程度で終了になります。

ただし、麻酔が完全に覚めるまでには
数時間かかります。

 

【手術費用】

手術~入院にかかる治療費もろもろで
片眼で50万円程度が相場となっています。
(両眼で100万円)

スポンサーリンク


<犬の白内障の手術後~退院まで>

 

犬の状態や術後経過によっても少し
異なりますが、手術後の入院期間
はおおよそ3~5日程度です。

 

入院中は、抗生物質の投与や点眼、
ステロイドや非ステロイドの点眼を
続けながら、検査と状況に応じた
治療を行いながらの経過観察となります。
(術後の合併症を最小限にとどめる
ためには薬物療法は非常に重要です)

 

エリザベスカラーはずっと装着した
ままとなります。
食事などは、手術当日の夜から
食べれます。

 

そして、術後の炎症や眼圧が落ち着いて
から、また犬の状態も落ち着いているよう
であれば退院となります。

 

もし、自宅での管理が行き届かない
場合(日中留守)などで相談があれば
入院期間は長くなる場合もあります。

 

<犬の白内障手術~退院後の管理について>

 

退院後は、入院中に行っていた薬物
療法(投薬・点眼)を続けることになります。

 

状況にもよりますが、点眼は手術後
2~3ヶ月程度は継続が必要になります。
その後は経過を診ながらになりますが、
状況によっては長期継続、もしくは
一生継続しなければならない場合もあります。

 

そして、退院後もエリザベスカラーの
装着は必須となりますので、カラー
をした状態でも生活、行動しやすい
ように室内環境を整えてあげる必要が
あります。

 

白内障手術によって濁りはすぐに
改善されますが、視覚が回復して
くるのはゆっくりですし、カラーも
邪魔になるため、行動には制限が伴う
ため、環境には注意しましょう。

 

また、目を気にして引っ掻く素振り
がないかの観察も重要です。
エリザベスカラーを付けていても
慣れてくると上手に顔周りまで
足が届くことがあり、知らないうちに
引っ掻いているなんてこともあります。

 

飼い主さんがやらなければならない
ことは、

*指定された薬剤投与をしっかりと。

*患部を引っ掻かないか観察。

*異変が見られたらすぐに受診。

です。

 

診察は、特に何も問題がなければ退院
してから1週間後というのが一般的
です。その後も経過を診ながらですが
1週間に一回は診察を受けるようになります。

 

最低1ヶ月は要注意期間となりますので
しっかりと観察しておきましょう。

 

手術後の経過にもよりますが、
エリザベスカラーも術後約1ヶ月は
装着しておくようになります。
(状況によってはもっと長くなること
もあります)

 

許可があるまで散歩も控えます。
一般的には2週間程度は自宅で安静に
過ごすよう指示があると思います。

 

<犬の白内障手術の経過~予後について>

 

手術が完璧に行われていても合併症
(ぶどう膜炎)が起こる可能性は高く、
それを考慮の上での術後管理となります。

 

点眼と投薬の支持はしっかりと守って
管理していれば合併症が起こっても改善します。

 

手術直後には濁りがなくなっている
ので視覚は良くなりますが、術後の
炎症や眼圧の問題があるため、視覚の
回復が分かってくるのは少しずつです。

 

術後経過や個体差にもよりますが、
おおむね一ヶ月も経過すればほとんどの
場合、視覚を回復したと判断できる
状態になっています。(眼の動きや行動
などから)

 

一ヶ月経過して眼の状態も良く、
本人(犬)が眼を気にする素振りがなく、
視力の回復も見られるようになって
くればまずは一安心です。

 

状態が落ち着いていれば、散歩や
遊びなど普段通りの生活習慣に
戻していって大丈夫です。

 

ただし、その後も点眼は続ける必要
があり、経過観察も続きます。
術後3ヶ月くらいまでは、合併症を
起こす危険性がありますので注意が必要です。

 

また、術後の合併症が長引く場合も
ありますので状況に応じた診察、
治療が必要になります。

 

一般的には、術後3ヶ月経過して
経過が良好であれば、手術は成功した
と言えると思います。

 

点眼の継続は状況によりますが、
必要なければその後は3~6ヶ月に
1度くらいで診察を受けていくように
なります。

犬の白内障にサプリの効果とは?成分や作用、おすすめなど!

 

<まとめ>

 

犬の白内障の手術には、専用器具
(手術用顕微鏡)が必要になり、また手技
も細かい作業となるため、すべての
動物病院で行われているわけではありません。

 

また、費用面なども含め、気軽に
受けられる手術でもありません。

 

ただ、手術自体は単純な作業であり、
馴れた獣医師であれば難しいもの
ではありませんし、白内障手術を行う
獣医師は、しっかりと手技を学んでいます。
(経験値の違いはありますが・・)

 

また、手術適応かどうかの事前診断
もしっかりと行いますので、近年の
犬の白内障手術の成功率はとても高く
なっています。

 

ですから、もし手術となったら
信頼してお任せましょう。

そして、手術成功には飼い主さんの
協力(術後管理)が必須です。
その辺りも含め、事前に詳しく話しを
聞き、不安なことなど全て相談して
しっかりと準備をしましょう。

 

無事に視覚を取り戻して、元気に
走り回る愛犬の姿が見られるといいですね。

スポンサーリンク

あなたにオススメ記事
バナー にほんブログ村 犬ブログ 犬 健康へ
にほんブログ村

関連記事

  1. 犬の緑内障の手術法や費用、経過や予後について!
  2. 犬の核硬化症!白内障との違いや症状、注意点や進行抑制など!
  3. 犬の歯石除去と抜歯、麻酔にかかる費用や方法まとめ!
  4. 犬のでべそ(臍ヘルニア)の手術や費用など!大きくなると危険!?
  5. 犬の椎間板ヘルニアの検査法(脊髄造影・CT・MRI)や費用など!…
  6. 犬の乳がん?良性の場合の特徴や検査と治療法や経過など!
  7. 犬の健康診断の項目(内容)や費用と所要時間など検査の流れ!
  8. 犬の腸内フローラ検査のメリットは?料金や申し込み法など!

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

内分泌疾患

寄生虫について

犬種

検査や手術など

泌尿器の病気

口臭について

犬のニュース・エンタメ

皮膚の病気

犬のニュース・エンタメなど

アトピー・アレルギーなど

薬やサプリなど

症状から見る犬の病気

動物病院について

癌・腫瘍

歯周病

消化器の病気

生殖器の病気

避妊・去勢手術について

PAGE TOP