癌、腫瘍

犬の乳がん?良性の場合の特徴や検査と治療法や経過など!

犬の乳腺にできるシコリのような
できものは、まとめて『乳腺腫瘍』
と言いますが、その腫瘍が悪性だった
場合に『乳がん』と呼ばれます。

 

そして犬の乳腺腫瘍は、おおよそ
50%の確率で良性です。
ただ、良性だからと言って放置して
良いわけではありません。

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こちらでは、犬の良性の乳腺腫瘍に
ついて、その特徴(見分け方)や治療法
など、また検査や診断方法などをまとめて
みましたので参考にしてください。

 

<犬の良性の乳腺腫瘍の特徴について>

 

犬の乳腺腫瘍が悪性か良性かの
確定診断は、その腫瘍を切除して
病理診断検査(外注検査)が必要になります。

 

ですが、おおまかな目安として良性の
可能性が高いと考えられる特徴もあります。

 

主なものは以下になります。

『腫瘍の大きさが1cm以下』

小さいものほど良性の可能性が高い
です。3cmを超えると悪性の可能性
も高くなってきます。

 

ただし、その腫瘍ができ始めた時
からの経過にもよります。
いつからあってどのくらい経って
いるかなどが大事になります。
(良性の腫瘍でも時間が経てば成長
して大きくなってきます。)

 

『腫瘍の成長速度が遅い』

悪性度の高い腫瘍の場合、腫瘍が
大きくなる速度が速いです。
悪性の場合、1ヶ月ほどで倍くらいの
大きさになる場合もあります。

 

悪性に比べて良性の場合は、一般的
には腫瘍が大きくなる速度は遅いです。

 

『転移の有無』

悪性の腫瘍は、他の臓器(特に肺)に
転移しますが良性の腫瘍では転移は
しません。
(ただし、良性でも乳腺には複数個
できることもあります。)

 

『腫瘍の状態』

悪性度の高い腫瘍は、赤っぽく炎症を
起こしていたり紫っぽくなっている
ことがあります。

 

また、潰瘍になっていたり、
皮膚の表面が破れて(自壊)出血を
起こしていることもあります。

犬の癌が自壊(破裂)!痛みや出血,膿など症状や対処法まとめ!

 

これらの状態を目安に、良性の可能性
が高いと予測されれば急いで手術を
行う必要はなく、状態を観察しながら
治療の計画が立てられます。

 

ただし、腫瘍が複数個ある場合には、
悪性と良性のものが混在している
可能性もあるため、数が多いほど早め
の手術が推奨されます。

 

その他、避妊手術(子宮、卵巣摘出)済
かどうかによっても対応が少し変わって
きます。
(未避妊の場合、良性の可能性が高く
ても避妊手術と同時に早めに切除手術を
行うことが推奨されます)

 

また、腫瘍も成長、変化しますので
その状況によってまた変わってきます。

 

<犬の乳腺腫瘍の診断と検査について>

 

前述した通り、悪性良性の確定診断は
腫瘍を切除してからでないと分かりません。

 

ただ、仮の判定として簡易的に行われる
『細胞診』の検査があります。

 

『細胞診』は、腫瘍部位に注射針を刺して
(穿刺=せんし吸引)腫瘍組織を微量採取し、
染色液で染め、その細胞の状態を顕微鏡で
観察するものです。

 

この細胞診は、無麻酔で行え体に負担も
かかりません。
各病院で可能な検査で約10分程度で分かります。

 

ただし、細胞診はあくまでも予測、仮の
診断をするためもので、もし悪性で
あっても良性の判定が出ることもあり、
その逆もしかりです。
そのため、細胞診での判定の精度は
70%前後だとされています。

 

この細胞診と上記に挙げた腫瘍の
特徴などを総合し、良性か悪性かの
仮予測をしてその後の治療方針を
決めていくようになります。
(病院によっては、また状態によっては
細胞診は行われないこともあります。)

 

また、肺などへの転移の有無を見たり、
体の状態を確認するため、手術を行う際
にも麻酔が可能かなどを調べるために
レントゲンや血液検査なども行う必要が
あります。(ただし、レントゲンでは小さな
病変を確認することは難しいです)

 

確定診断は、手術で切除した腫瘍と
リンパ節を病理組織検査(外注検査)に
出すことでかります。(約1~2週間後に結果)

 

病理組織検査では、

*がんの種類(良性か悪性か)

*がん細胞の浸潤度

*がん細胞の悪性度

*がん細胞の増殖度

*がん細胞の境界線が切除できているか

*リンパ節転移の有無

などが分かります。

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<犬の良性の乳腺腫瘍の治療やその後の経過について>

 

仮予測の時点で、良性の可能性が
高いと診断されたとしても、手術での
切除が治療の基本になります。

 

*確定診断ではない

*良性であっても成長して大きくなれば
痛みを伴ったり、自壊する可能性がある

*良性の腫瘍が悪性に移行することもある

などがその理由です。

 

急ぐ必要はないですが、できれば
早めに切除した方が安心です。

 

腫瘍も小さなうちに切除すれば
傷口も小さく、体にかかる負担も
少ないですし、もし切除後に悪性と
判明した場合にも早期の対処が可能です。

 

また、もし末避妊だった場合には、
乳腺腫瘍ができる時点でホルモンの
影響(エストロジェン)が大きく関係して
いますので他にも子宮蓄膿症になりやす
かったりなどのリスクが考えられるため、
腫瘍の切除とともに、子宮卵巣の摘出を
行うようになります。
(子宮蓄膿症は命に関わる怖い病気です)

犬の子宮蓄膿症の手術費用や入院期間、術後管理や予後など!

 

子宮卵巣の摘出は、その後の乳腺腫瘍の
再発の予防にもなりますので、乳腺腫瘍
の手術の際には、同時の切除が基本となっています。

 

手術には抵抗のある飼い主さんも多い
ですし、犬の年齢や体の状態なども
考慮に入れて、手術計画を立てていく
必要があります。

 

もちろん、大きくなってくるようなら
手術・・数が増えてくるようなら手術・・
など獣医師によっても治療方針や見解は
異なりますが、良性であったとしても
腫瘍は腫瘍であり、細胞の変異である
ことには変わりありません。

 

ですから、乳腺だけでなく他の部位に
できる腫瘍であっても『腫瘍は切除』
が基本です。

良性であっても放置とはなりません。
(ただし、できてから期間も経っていて、
大きさも変化なく増えていないなど
の場合は別です=様子見となることも)

 

手術後の病理検査で最終診断が出て
良性と確定すれば、一安心でその後は
特に治療の必要はありません。

 

ただし、良性であっても何度でも
再発することはありますので定期的な
チェックが必要になります。
(最初は1ヶ月に1度~再発がなければ
3ヶ月~半年に1度くらい)

 

手術の際、他の乳腺をどのくらい残して
いるかにもよりますが、乳腺が残って
いる限り、また腫瘍ができる可能性が
あります。

 

悪性度が高いと診断された場合には、
腫瘍ができていない乳腺もできるだけ
切除することが多いですが、良性の
可能性が高いと予測された場合は、
あまり広範囲に乳腺を切除することは
ないため、乳腺も残っています。

 

手術法や手順については、悪性でも
良性でも基本的に同じですが、腫瘍を
含む周囲の切除範囲が変わってきます。

犬の乳がんの手術費用や術後の経過、予後について!

 

また、再発した場合、前回が良性だった
からと言って同じく良性の腫瘍であるとは
限りません。

 

ですから、基本的には同じように
検査、治療計画を経てて切除手術を
することが望ましいですが、そこは
犬の年齢や体の状態なども考慮に入れて
しっかりと相談して決めることになります。

 

<まとめ>

 

犬の乳腺腫瘍は、性ホルモンと
関連があるため、早期(最初の発情が
来る前)に避妊手術(子宮卵巣摘出)を
行った犬ではその発症率は大幅に下がります。

 

そのため、乳腺腫瘍を発症する犬の多くは
未避妊の中~高齢(7~13歳)です。
(悪性は9~11歳、良性は7~9歳での
発生が多い。)

 

また、避妊手術を行っていても
その手術をした年齢が遅いほど
乳腺腫瘍のリスクも高くなります。

 

それほど性ホルモンが関係している
病気ですから、良性であってもまずは
切除、そしてその後の再発を防ぐため
にも同時に子宮卵巣の摘出手術を行う
のがベストです。

 

腫瘍部分だけの切除で子宮卵巣の
切除はしたくないという飼い主さんも
多いですが、その後のリスクを考える
と、同時に施術した方が効率的です。

 

麻酔時間は多少長くなりますが
(犬の大きさにもよりますがプラス
20~40分程度)一度の麻酔で済みますし、
子宮卵巣を摘出することのデメリットは
ほとんどありません。(太りやすくなるくらい)

 

特に乳腺腫瘍などがある場合には
メリットの方が圧倒的にあります。

 

また、前述したように子宮蓄膿症の
リスクもありますし、特に乳腺腫瘍が
できる犬の多くは、子宮・卵巣系の
病気になるリスクが高いとされています。

犬の全身麻酔のリスク!体の負担や副作用,後遺症や死亡率など!

そして、手術をするなら腫瘍が小さい
うち、そして年齢も少しでも若いうち
の方が体の負担も麻酔のリスクも少なく
済みます。

 

まずは、しっかりと診察、検査を受けて
その後の治療方針を納得いくまで相談
してみてくださいね。

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