泌尿器の病気

犬の急性腎不全の原因や治療法と経過、予後について!

犬の急性腎不全(急性腎障害)は、
非常に危険で対処が遅れると助からない病気です。

 

高齢犬では、慢性腎不全が多いですが、
治療をしても治らない慢性腎不全とは
異なり、急性腎不全の場合は、治療が
うまくいけば完治する病気でもあります。
(ただし、治ってもその後、慢性腎不全
に移行する可能性もあります。)

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こちらでは、犬の急性腎不全の
原因や治療、経過や予後などについて
まとめてみましたので参考にしてください。

 

<犬の急性腎不全の原因>

 

急性腎不全は、腎臓の機能が急激に
低下することで、尿毒症に陥ってしまう
病気でその原因にはさまざまなものが
あります。

 

急性腎不全は、大きく以下の3つの
タイプに分けられ、それによって原因も
異なります。

『腎前性』
全身の疾患によって腎臓への血流が低下。
脱水、外傷、ショックなど。

『腎性』
何らかの要因によって腎臓自体に障害。
感染症、子球体腎炎、中毒(腎毒性物質の
摂取)など。

『腎後性』
腎臓より下部の尿路(尿管・膀胱・尿道)
に原因。
尿結石や腫瘍などによる尿道閉塞。

 

犬で多いのは、中毒(腎毒性)物質の
摂取や誤飲による腎性の急性腎不全です。

 

中毒性物質は、洗剤や植物、薬剤など
さまざまありますが、人が食べても
問題のない食品なども犬では中毒と
なるものがあります。

 

感染症では、細菌性の腎盂腎炎や
ウイルス疾患(レプトスピラ症)などが
原因となります。(レプトスピラは
混合ワクチンに入っている病気の一つ
ですが接種していても100%防げる
わけではありません。)

 

子球体腎炎は、感染症や遺伝性疾患、
自己免疫疾患など、さまざまな病気
が原因となります。

 

その他、尿路疾患では、犬ではあまり
多くありませんが尿結石が尿道に詰まって
オシッコが出なくなることが原因となります。

 

いずれの原因の場合も、糸球体ろ過量
(体の中にたまった老廃物や余分な水分を
体外へ排泄し、血液をきれいにする)の
急激な低下尿細管(原尿が通り再吸収や
分泌などを受ける組織)の障害が起こります。

 

<犬の急性腎不全の症状>

 

犬の急性腎不全の症状は、その原因や
進行状態によって異なってきますが、
一般的には以下の症状が見られます。

*元気消失

*食欲減退

*嘔吐や下痢

*脱水

*無尿・乏尿

 

さらに重症化すると、

*体温低下

*痙攣(けいれん)

*意識障害

などが起こります。

 

そして血液検査では、CRE(クレアチニン)
の上昇(高窒素血症)が見られます。

 

クレアチニンの数値で見る急性腎障害
のグレード分類は以下になります。

グレードⅠ<1.6
グレードⅡ<1.7~2.5
グレードⅢ<2.6~5.0
グレードⅣ<5.1~10
グレードⅤ>10
(グレードⅡが軽度、グレードⅢ~
は中度、重度になります)

 

また、高リン血症高カリウム血症
代謝性アシドーシス(血液、もしくは
体液の酸塩基平衡が酸性側に傾くこと)
などが見られます。

 

その他、レントゲンや超音波検査など
も必要になり、急性腎不全を起こした
原因によっては、さまざまな異常が
見られます。

 

そして、急性腎不全では、脱水や
オシッコの状態(オシッコが出ているか?
乏尿、無尿か?)によって重症度や経過、
おおよその予後の目安となります。

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<犬の急性腎不全の治療と予後について>

 

犬の急性腎不全の治療の基本は、
輸液療法(点滴)となります。
(乳酸リンゲルや生理食塩水など)

 

慢性腎不全などの治療で行われる
皮下輸液ではなく、静脈からの点滴
を24時間体制で行う必要があるため
入院となります。

 

急性腎不全は一刻を争う疾患であり、
救急の集中治療、徹底管理が必要になります。

 

特に乏尿・無尿がある場合には、輸液を
行うことにより体液過剰になり死亡
リスクが高くなることもあるため、
輸液の量は個々の状態に応じて厳密に
管理されます。

 

また、状態によって利尿薬や他、
さまざまな薬剤の投与が必要になります。

 

それらの集中治療を行いながら、
原因疾患に対する治療を並行して行い
ながら、腎臓の機能が回復するまで
生存させるのが急性腎不全の治療になります。

 

原因を突き止めるのは難しい場合も
ありますので、まずは基本的な輸液
療法を優先し、治療を行いながら
原因を探っていくこともあります。
(原因が何であれ、高窒素血症に対する
治療法は同じです。)

 

また、輸液療法の効果が芳しくない
場合や、乏尿・無尿の場合には、
透析治療が行なわれます。

 

透析は、慢性腎不全では行われることは
ほとんどありませんが、急性腎不全では
最終手段の一つとして行われる治療で
輸液よりも効果が高いです。

 

血液透析が理想ですが、血液透析には
専用の機材(装置)が必要になり、動物
医療ではまだ設置している病院は少ない
ですので、その場合は特別な装置が必要
なくできる腹膜透析が行なわれます。

犬の腎不全の透析について!方法や費用と効果やリスクなど!

 

致命的な状態から回復期にまで
持っていければ、その後は少しずつ
回復していきます。

 

完全に回復するまでは、1~3週間
かかりますが、状態によっては4~5日
ほどで退院となり、通院にての治療
に切り替えになることもあります。

 

ただし、急性腎不全では回復期に
入る前に亡くなってしまう場合も
多く、治療を始めるタイミング
(腎臓や体のダメージの程度)によっても
予後は異なってきます。

 

急性腎不全では、その原因もさまざま
ですし、治療開始のタイミングなど
にもよりますが、全般的な急性腎不全の
生存率は50%とされています。

 

また、

腎毒性物質の摂取によって急性腎不全
となってしまった場合

*診察時にすでに乏尿・無尿になって
いる場合

予後は非常に悪く、死亡率も高く
なっています。(80~100%)

 

そして、残念ながら助からない場合、
余命は数日です。
(腎臓の機能が回復しない時点で
透析をやめればもっても2日程度です。)

 

また、急性腎不全は回復したと
しても、ダメージを受けた腎臓が完治
することはなく、その後慢性腎不全に
移行することが多いです。

 

ですから、その後も継続して定期的な
検査を行って腎機能の状態をチェック
していく必要があります。

 

また、急性腎不全から回復後も
慢性腎不全のリスクが高いことを
考慮に入れて、腎機能の補助のための
活性炭投与(老廃物の吸着、排泄)や
腎臓専用の療法食などを開始していく
という場合もあります。

ドッグフードで腎臓ケア!制限食でも嗜好性が高い無添加療法食!

もし慢性腎不全に移行したとしても、
適切な治療を続けていけば、すぐに命
に関わるようなことはありませんし、
進行を遅らせて余命を延ばすことも可能です。

 

急性腎不全の救命率を上げるためには、
とにかく早期に病気を発見し、迅速に
適切な治療を行うことが重要です。
(時間との勝負です)

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