神経・精神疾患

犬のてんかんにステロイドの作用や効果と副作用など!

犬のてんかんは、人と同じで
けいれんなどの発作を繰り返し
起こす脳の慢性疾患です。

 

てんかん発作の症状(けいれんや行動など)
にはさまざまなタイプがありますが、
治療は、抗てんかん薬を用いた薬物療法
が基本となります。

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抗てんかん薬も作用機序の違いで
いくつかの種類がありますが、状態に
応じていくつかのお薬を組み合わせて
投与していくのが一般的です。

 

そして、抗てんかん薬に分類される
薬剤ではありませんが、ステロイド
のお薬が発作抑制のために抗てんかん
薬の一種として併用されることがあります。

 

ステロイドは、あまりイメージの良い
薬ではなく、心配になることも多いと
思います。

 

こちらでは、犬のてんかんにステロイド
が使われる場合、作用や効果、副作用
などについてまとめてみましたので
参考にしてください。

犬のてんかんの薬の種類や副作用など!やめるとどうなる?

 

<犬のてんかんにステロイド>

 

てんかんの治療は、主に

*過剰な興奮を抑える

*興奮を抑える働きを強める

などの作用を持つ抗てんかん薬
継続投与することによって、てんかん
発作が起こりにくい状態を維持すること
にあります。

 

てんかん発作の状況や頻度などによって、
組み合わせるお薬も変わってきますし、
効果には個体差がありますので、状態
を見ながら、お薬の種類を変えたり増減
する必要があります。

 

そして、お薬の投与によってある程度
てんかん発作を抑制することができれば
定期的な検査を行いながら様子を見て
お薬を継続していくようになります。

 

ただ、それらの一般的な抗てんかん薬
では、期待される効果が見られない場合
や、発作が抑えられない場合などには、
ステロイドが使われるようになります。

 

また、てんかんの原因が何らかの脳の
炎症が疑われる場合、合併症などで
脳に炎症を起こしている場合、また
発作重積などの際にも使われます。

犬のてんかん!重積発作の状態と治療や対処法について!

 

<ステロイドのてんかんへの作用や効果>

 

ステロイドは、糖質コルチコイドという
成分を合成した副腎皮質ホルモン剤で、
主に抗炎症作用免疫抑制作用が期待
されて、さまざまな疾患の治療に使われます。

 

ステロイドには、注射薬、内服薬、
外用薬(塗り薬)、吸入薬、座薬などがあり、
内服薬で一番ポピュラーに使われて
いるのが『プレドニゾロン』です。

 

動物病院でも内服薬として処方される
のは、プレドニゾロンが多いかと思います。

 

そして、このステロイド薬ですが、
てんかんに対する作用や効果については
はっきりと分かっていないのですが、
いくつかの可能性が挙げられています。

 

*CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出
ホルモン)が脳細胞の破壊やてんかんの
誘発に関係している、またACTH
(副腎皮質ホルモン刺激ホルモン)が
CRHを減少させること、などから
副腎皮質ホルモンの投与によってCRHの
分泌を抑制させることが効果につながっている。

 

【副腎皮質ホルモンの分泌の流れ】

CRH(副腎皮質ホルモン刺激ホルモン
放出ホルモン)を分泌

CRHの刺激を受けて、ACTH(副腎皮質
ホルモン刺激ホルモン)を分泌

ACTHの刺激を受けて、副腎皮質から
副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)が分泌

 

その他、投与によって促進分泌された
ステロイドホルモンによって、

*脳細胞の転写因子としてDNAの遺伝情報
をRNA(リボ核酸)に転写を促進。

*髄鞘化(神経細胞の突起を取り囲んで
いる密な膜構造でさまざまな神経機能
の調節をする)を促進。

*カルシウム(電荷キャリアと細胞内
メッセンジャー)の神経細胞内流入を促進。

*GABAA受容体(イオンチャンネル型受容体
およびイオンチャネル内蔵型受容体の一つ
で、中枢神経系における主要な抑制性の
神経伝達物質)に促進的に働く。

*免疫抑制作用によって免疫原性(生体の
免疫系を刺激して抗体産生を誘発する
性質)のてんかん促進因子を抑制する。

などによる効果が考えられています。

犬のてんかんの療法食(フード)の成分や有効性、価格など! 

てんかんにステロイドが使われる
場合には、効果が出て落ち着くまで
連続投与(注射や内服薬)を行い、
状態が落ち着いてきたら様子を見ながら
徐々に投与量を減らしていく方法が
取られます。

 

ただし、ステロイドをやめるとまた
発作が頻発したり、悪化するような
場合もあります。

 

そしてステロイドは基本的に長期継続が
できない(副作用のため)薬剤ですが、
状況に応じて低用量で維持、もしくは
発作の状態に応じて頓服のような感じ
で投与になることもあります。

 

ただ、ステロイドが必要になった
てんかんは、残念ながら予後はあまり
良くないことがほとんどです。
ですから、なるべく抗てんかん薬で
発作を抑制できるようしっかりと内服
を続けることが大事になります。

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<ステロイドの副作用について>

 

ステロイドは、副作用の怖い薬剤と
されますが、投与量や投与法などを
しっかりと守って与えれば決して悪い
お薬ではありません。
さまざまな疾患に対して効果の高いお薬です。

 

獣医師も副作用の問題はちゃんと
分かった上で用量を決めてステロイド
を処方しますので、基本的に指示を
守って投与すれば問題のある副作用の
心配はあまりありません。

 

ただ、てんかんにステロイドが使われる
場合には、抗てんかん薬では抑えきれない
発作の状態になっていることが多いため、
発作を抑えるためには、通常量より
多めの投与量や長めの継続が必要になる
こともあります。(状態によります)

 

ですから、例えばアレルギーなどで
投与される場合などよりは、副作用の
リスクが高くなる可能性はあります。

 

しかし、それも含め、副作用のリスクを
最小限に、かつステロイドの効果を発揮
できるように最善の投与量や投与法などを
考慮して処方されますので、そこまで心配
することはないと思います。

 

また、てんかんでは、いずれにしろ発作
を抑えきれないと命に関わってきますので、
ステロイドの副作用の心配よりもまずは
効果を優先させる
必要もあります。

 

ステロイドが効かなくなって、発作が
止まらない場合、低用量の麻酔薬を
注射して眠らせる場合もありますが、
その状態を維持するのも難しく、また
予後を考えても期待はできません。

 

ですから、なるべく軽症のうちに
ステロイドを活用しておくことも
必要なことなのです。
ステロイドも低用量で効果があれば、
副作用のリスクも減らせますので。

犬のてんかんにサプリメントは効果的?有効成分や作用など!

ステロイドの副作用として分かりやすく
一時的なもので、
『食欲増進』『多飲多尿』があり、
これはお腹が空いて喉が渇くためですが
お薬をやめればすぐに元に戻りますので
心配いりません。

 

また、個体差やありますし、投与量にも
よりますが、『下痢や嘔吐』『感染症
などがあります。

 

腸粘膜からの水の吸収が不調となるため、
下痢になりやすかったり、胃の粘膜の
保護機能が低下したり、消化性の副作用
が起きることがあります。

 

また、ステロイドは免疫抑制剤ですので
投与中は免疫が低下します。
そのため、皮膚やウイルスなどの感染症
にかかりやすくなります。

 

そして、ステロイドの副作用で問題と
されているのが、投与量が多い、また
長期に渡って飲み続けた場合に起きる
副作用で主に以下になります。
(高用量で2ヶ月以上、低用量で約1年)

『筋肉の低下』

『骨粗しょう症』

『皮膚の薄弱』

『肥満』

『肝臓の障害』

『高血圧』

『糖尿病』

『胃や十二指腸潰瘍』

『副腎の機能低下(クッシング)』

 

ステロイドの副作用が心配な方は
その投与量や期間など副作用のリスク
についてかかりつけ医に確認してみると
いいと思います。

 

薬の副作用の心配はもちろんですが、
てんかんという病気の特性上、まずは
発作を抑えるということが大事です
ので、指示されたお薬の投与をしっかり
と行うことが重要です。

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