泌尿器の病気

犬の慢性腎不全で咳が出る原因や体の状態、治療法など!

慢性腎不全は高齢の犬で多く発症する
病気の一つです。

 

腎不全になり、腎臓の機能が低下すると
腎臓の一番大事な働きである体内の老廃物
を除去(尿として体外へ排泄)する働きが
うまくできなくなり、体に毒素が溜まって
いきます。(尿毒症)

スポンサーリンク


また、腎臓はそれ以外にも重要な働きを
している臓器ですから、腎不全によって
他にさまざまな弊害(合併症)をもたらします。

 

腎臓の機能低下から体内の毒素の蓄積
によって現れる症状は、ステージ(進行度)
によっても変わってきますが、飼い主
さんから見て分かりやすい主なものとしては、

*多飲多尿

*食欲不振

*嘔吐

*元気消失

*痩せてくる

などがあります。

 

そして、腎不全も進行してくると
他にもさまざまな症状が現れてきます。

その一つが『咳』です。

 

咳は、飼い主さんにとっても非常に
分かりやすく、気になる症状だと思います。

 

こちらでは、慢性腎不全の犬の咳の
原因や体の状態、治療についてなどを
まとめてみましたので参考にしてください。

犬の腎不全に乳酸菌の効果とは?腎臓の負担軽減で進行抑制も!

 

<慢性腎不全の合併症と咳>

 

犬の慢性腎不全のによって起きる
合併症で主なのは、

*高血圧(ろ過機能が低下によって血液量が増加するため)

*体液過剰、高カリウム血症(水、電解質異常による)

*腎性貧血(腎臓からの造血ホルモンの減少による)

などが挙げられます。

 

これらの中で、咳という症状に
関連しているのが『高血圧』『体液過剰』です。

犬の慢性腎不全と高血圧!症状や治療と降圧剤について!

高血圧の状態が長く続くと、全身に血液を
送り出す心臓は、より強い力が必要になり、
その負担に耐え続けると心臓の壁が厚く
なってきます⇒心肥大

 

さらに心肥大が進行していくと心不全
なっていきます。

 

そして、心臓の機能が低下し、働きが悪く
なると
うっ血(血流の障害により静脈内
に血液がたまった状態)
が起こります。

 

このうっ血が肺の方にまで広がると
毛細血管の血管内圧が上昇し、血管から
血液成分が滲み出て胸腔内(肺胞内から
胸膜腔)にかけて水が溜まります⇒肺水腫

 

肺水腫(肺に水が溜まる)が起きると、
この肺中の水分を吐き出そうとする
症状が出ます。
これが『咳』です。

 

この咳はケホケホっという軽いものから
最後はケーっという感じで痰を吐き出す
ような、嘔吐にも見えるような感じの
重い咳になります。

 

実際に、唾やよだれを吐くことも
あります。

 

また、腎臓は体内の水分や電解質
(ナトリウムやカリウム)などを適切に
調節(排泄)していますが、機能が低下
すると、その排泄が十分にできなくなる
ため、塩分や水分で体液過剰となります。

 

そして、体液過剰は、むくみや高血圧
などをもたらします。

 

(体液過剰)

高血圧

心不全(うっ血)

肺水腫(胸水貯留)

 

犬の慢性腎不全によって起きる
咳はこのような経緯、体の状態によって
起こります。

 

また、咳まではいかなくても
呼吸が荒くなったり早くなったり、
少し苦しそうな呼吸が見られることもあります。

スポンサーリンク


<慢性腎不全の咳の治療法について>

 

慢性腎不全の進行に伴って起きる
咳は、喉や気管支などの呼吸器の
問題ではないため、咳止めや抗生物質
のような薬剤で対処はできません。

 

咳が出る原因となっている合併症
を予防しながら症状を軽減させて
体や肺の過剰な水分を溜まりにくくする
こと、またすでに溜まった水分を抜く
(減らす)ことが咳への対処療法となります。

 

主なものとしては以下になります。

『血圧のコントロール』

降圧剤の投与によって血圧を下げる
ことで心臓にかかる負担を減らします。

 

『水分、電解質コントロール』

食事療法による塩分やカリウム制限
で、体液過剰や高カリウム血症の
予防をします。

 

『肺(体)に溜まった水分を抜く』

利尿剤の投与によって溜まった水分
を排泄する。(ただし、逆に脱水する
こともあるため、状況による)

また、場合によっては、直接針を
刺して胸腔内の水分を抜く場合もあります。

 

基本的に、犬の慢性腎不全では、
咳などの症状が出てなくとも
高血圧や心臓の負担を減らすための
降圧剤は処方されるのが一般的です。

 

ただ、腎不全の進行と共に薬剤での
コントロールもだんだん難しくなって
いきます。

 

また、慢性腎不全の治療では、体内の
老廃物の排泄のために、自宅での皮下
輸液などを行うようになりますが、病気が
進行していくと体に入れた輸液が吸収され
にくくなってくる
ことがあります。

 

そして、吸収されなかった輸液(水分)は
胸水や腹水として溜まったり、浮腫みの
原因になります。
そうなると、余計に咳が出やすい状況
となってしまいます。

 

しかし、尿毒症の予防のためには、
輸液は必要ですし、効果も高いです。
ただ、体の状態や輸液の量によっては
そのようなリスクもあるのです。

犬の腎不全!皮下点滴の効果や必要性、頻度や期間など!

ですから、体全体の状況を定期的に
チェックしながら、輸液の量を調節
したり、血圧のコントロールをしていく
ことが大事になります。

 

状況にもよりますが、薬剤である程度
コントロールできれば咳の症状を軽減
することは可能です。

 

しかし、症状が進行していると咳を
抑えることも難しくなってきますので、
なるべく初期、咳などの症状が軽度の
うちに適切な治療を行うことが重要です。

 

咳は、人でも苦しいものですし、
続くと体力を消耗しますよね。
犬もそれは同じですし、特に肺水腫に
よる咳は、普通の咳よりさらに苦しいです。

 

また、続くと呼吸困難となり、
倒れたり、最悪の場合、突然死して
しまうこともあります。

 

原因が慢性腎不全の合併症から
きているものなので完全に咳を治す
ことはできませんが、少しでも楽に
生活させてあげられるように早期に
適切な治療を受けるようにしてくださいね。

スポンサーリンク

あなたにオススメ記事

関連記事

  1. 犬の急性腎不全の原因や治療法と経過、予後について!
  2. 犬の腎不全の透析について!方法や費用と効果やリスクなど!
  3. 犬の腎不全にレンジアレン(リン吸着)の特徴や効果と必要性など!
  4. 犬の腎不全による尿毒症!症状や体の状態、治療法や余命など!
  5. 犬の糖尿病と腎臓の関係!合併症による腎不全の進行や症状など!
  6. 犬の膀胱炎の検査と診断について!治療法や経過、費用なども!
  7. 犬の腎不全と安楽死の選択について!最期の看取りとは?
  8. 犬の膀胱炎の薬!種類(抗生物質など)や投与期間と副作用など!

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

内分泌疾患

寄生虫について

犬種

検査や手術など

泌尿器の病気

口臭について

犬のニュース・エンタメ

皮膚の病気

犬のニュース・エンタメなど

アトピー・アレルギーなど

薬やサプリなど

症状から見る犬の病気

動物病院について

癌・腫瘍

歯周病

消化器の病気

生殖器の病気

避妊・去勢手術について

PAGE TOP