泌尿器の病気

犬の慢性腎不全と高血圧!症状や治療と降圧剤について!

犬の慢性腎不全では、さまざまな
合併症が起こりますがその一つが
高血圧症です。

 

高血圧になると腎臓だけでなく体全体
に重大な悪影響を及ぼすため、腎不全
の治療において高血圧の管理は、とても
重要になります。

スポンサーリンク


こちらでは、犬の慢性腎不全と高血圧
の関係性、症状や治療やお薬などについて
まとめてみましたので参考にしてください。

 

<慢性腎不全と高血圧の関係性とは>

 

慢性腎不全を患っているからといって
必ずしも高血圧になるわけではありません。

 

進行度(ステージ)や体の状態によっても
変わってきます。
ただ、一般的に慢性腎不全になると
高血圧になることが予想されるため、
早めの対処や予防策が必要になります。

 

腎臓の機能低下によって高血圧が起こる
原因は、主に3つあります。

 

【レニンの過剰分泌】

腎臓からは、『レニン』という血圧を
調節するホルモンが分泌されています。

 

この『レニン』は、血圧を上げる作用を
もつ『アンジオテンシンⅡ』という
ホルモンをつくるのに欠かせない物質です。

 

腎臓は豊富な血流量を必要とする臓器で、
血圧が低下して腎血流量が減少すると
腎臓(子球体)のろ過機能も低下するため、
レニンが分泌され、血圧を上げるように働きます。

 

しかし、腎不全となり腎機能が低下すると
レニンが過剰分泌されることで血圧が
上がりすぎてしまうのです。

 

【塩分と水分の排泄機能の低下】

腎臓は食事から摂取した余分な塩分
(ナトリウム)を水分(尿)とともに体外へ
排泄する働きをしています。

 

しかし、腎機能が低下すると、塩分と水分
の排泄がうまく出来なくなるため、血液量
が増加し、血圧が上がります。

 

【未消血管の抵抗】

腎臓は無数の細い血管(末梢血管)から成って
いて、老廃物(毒素)を含んだ血液は腎臓で
濾過され、キレイになって心臓へ戻っていきます。

 

しかし、腎臓の機能が低下して血圧が上がると、
これらの末梢血管は硬くなって血液が流れに
くくなります。

 

そうすると、末梢血管の抵抗が大きくなり、
血圧はさらに上がるという悪循環を引き起こします。

犬の腎不全にオメガ3の効果とは?血流や血圧改善がポイント! 

 

<高血圧によって起きる症状や体の変化>

 

犬(猫も)では、150/95mmhg以上で
高血圧とされます。

 

高血圧の持続によって影響を受けやすい
のが、

【眼】
網膜浮腫、眼底出血など。
また高血圧性網膜症、網膜剥離などは
放置すると失明の可能性も。

【心臓】
動脈硬化、不整脈、心雑音、心肥大、
心不全など。
突然死の可能性も。

【脳】

高血圧性脳症(頭痛、悪心、嘔吐、
視力障害、けいれん、意識障害など)

です。

 

また、腎臓でも腎尿細管の変性や
間質線維症、糸球体硬化症、糸球体委縮
など、さらにダメージを与えるため、
腎不全の進行を早めてしまうことにもなります。

 

このような状態にならないためにも
高血圧の持続状態、また急激な上昇
を抑制、回避しなくてはならないのです。

スポンサーリンク


<高血圧の治療、降圧剤など>

 

高血圧の治療は、基準値(許容範囲)内に
血圧を下げることです。

 

そのために、降圧剤の投与(飲み薬)が
必要になります。

 

犬に使われる降圧剤は、一般的に
アンギオテンシン変換酵素阻害薬
(ACE阻害薬)で、血圧上昇に関与する
アンジオテンシンⅡの働きを抑制する
お薬です。

 

犬では、心不全などの心臓疾患の
治療にも良く使われるる薬剤です。

 

主なものとして、

*フォルテコール錠

*エナカルド錠

*バソトップ錠

*アピナック錠

などがあります。

 

ACE阻害薬は、血圧を下げる作用の他、
心臓や腎臓の保護作用もあります。

その他、猫の腎不全治療薬のラプロスと
同成分の経口プロスタサイクリン(PGI2)
誘導体製剤のベラプロストナトリウム錠
が使われる場合もあります。

 

これら血圧を下げる作用のある薬は、
服用して一旦血圧が下がっても投与を
やめるとまた上昇することがほとんど
ですので、基本的には継続投与になります。
(定期的に血圧測定ができればベストです)

 

また、腎不全の合併症として起こる
高血圧症ではその原因は腎機能低下に
よるものですから、腎不全の進行を抑制
する治療も同時に行っていかなければ
なりません。

*毒素吸着のための活性炭などの投与

*老廃物を尿として体外に排泄するための皮下輸液(点滴)

*腎臓の負担を減らすための食事療法(専用の療法食)

などが主になります。

ドッグフードで腎臓ケア!制限食でも嗜好性が高い無添加療法食!

 

その他、腎性貧血や高カリウム血症、
また嘔吐や下痢、など症状に合わせた
対処療法も必要になります。

犬の腎不全で呼吸が早い,荒いなどの原因や治療法について!

 

<犬の血圧測定について>

 

犬の血圧測定は、あまり積極的に
行われない検査の一つと言えます。

 

慢性腎不全では、その病気の性質上、
血圧の上昇は必至という根本があるため、
あえて血圧を測らずとも上記に挙げた
ような降圧剤が使われるのが一般的です。

 

もちろん、体の状態を把握するためには、
定期的に血圧を測定するにこしたことは
ありません。

 

しかし、血圧測定があまり積極的に
行われない理由として、犬や猫などの
場合、正確な血圧の測定を行うのは
難しいという事情があります。

 

血圧には、全身の機能を調節する
自律神経(交感神経と副交感神経)に
よってコントロールされています。

 

そして血圧の上昇には交感神経が
関わっていて、交感神経の働きが活発に
なると、末梢血管が収縮し、心拍数が増加
して心臓から送り出される血液量が増える
ため、血液が血管を押し広げる力(血圧)が
高まり血圧が上がります。

 

人がストレスや緊張などにさらされると
起こる現象ですが、動物病院に連れて
来られた犬は基本的に怖がっている子が
多くストレスがかかっています。
また興奮している場合もあります。

 

そのため、動物病院に連れてこられた時点
で、基本的に一時的に血圧が上がっている
わけです。
その状態で血圧を測っても高い数値が
出るのは当然で、普段の正確な血圧が
分からないのです。

 

もちろん、血圧を測定する場合には、
なるべくそれまでに犬を落ち着かせる
ように工夫してもらったり、また時間
をあけて複数回測定するなどなるべく
正確な測定値を目指しますがやはり
なかなか難しいのが現状です。

 

ですから、基本的に動物病院では緊張
していて当たり前なので、測定値もある程度

高く出て当たり前、という前提で数値を判断
するのが普通ですが、個体差も大幅に
ありますし、犬の性格によっては判断
も非常に難しくなります。

 

血圧測定自体は、とても簡単に終わる
ものです。
少し大人しくしてもらえればいいだけです。


出典:http://www.nova-lease.co.jp/

ペット用の血圧測定器もさまざまな
タイプのものがありますが、基本的に
カフを巻くだけです。

 

血圧測定は難しいものでもなく、
測定器さえあれば自宅で飼い主さんが
行えるものですし、その方がワンちゃん
も興奮せずに正確な数値が測れます。

 

ただ、ペット用の血圧測定器は価格が
高いため、なかなか一般家庭で準備
するのは難しいと思います。
(メーカーにもよるが20~30万円)

 

今後、もっと安価な血圧計が販売されて
くるといいのですが。。

 

どうしても犬の場合、動物病院は
怖い場所であったり、興奮してしまう
のはしょうがないので、検査項目に
よっては、正確な数値を見るのは
難しいですね。血糖値なんかも高めに
出ることが多いです。

 

今後、犬も猫もですがペットの高齢化
は進んでいきますのでその分、高齢に
伴う病気も増えてきますので、日常的
な健康管理は非常に重要になってきます。

 

ですから、ペット用の検査機器なども
自宅用の安価で簡易なものが販売される
ようになってくるといいなと思いますが。

 

犬の腎不全による高血圧症は、
さまざまな合併症の引き金になり、
場合によっては突然死などのリスクも
高めるため、しっかりと管理していく
ことが重要です。

 

血圧の数値や測定については、
病院によってその対処法も異なる場合
もありますが、基本的に慢性腎不全では
ACE阻害剤(降圧剤)の投与が必要となる
ことがほとんどです。
(腎不全初期では不要なことも)

 

かかりつけ医の指示を守って
しっかりと服用させるようにしましょう。

スポンサーリンク

あなたにオススメ記事

関連記事

  1. 犬の慢性腎不全の痛みや辛さとは?体の状態や対処法について!
  2. 犬の慢性腎不全の口臭!原因や対処法、おすすめサプリなど!
  3. 犬の膀胱炎に漢方薬の作用や効果は?慢性や繰り返す場合など!
  4. 犬の慢性腎不全の輸血について!効果や予後、適応など!
  5. 犬の膀胱炎の検査と診断について!治療法や経過、費用なども!
  6. 犬の膀胱炎は発情期(ヒート中)になりやすい?原因や対処法など!
  7. 犬の腎不全にレンジアレン(リン吸着)の特徴や効果と必要性など!
  8. 犬の膀胱炎の対策にクランベリーサプリの効果やおすすめなど!

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

内分泌疾患

寄生虫について

犬種

検査や手術など

泌尿器の病気

口臭について

犬のニュース・エンタメ

皮膚の病気

犬のニュース・エンタメなど

アトピー・アレルギーなど

薬やサプリなど

症状から見る犬の病気

動物病院について

癌・腫瘍

歯周病

消化器の病気

生殖器の病気

避妊・去勢手術について

PAGE TOP