犬の腎不全と安楽死の選択について!最期の看取りとは?

犬の死因ワースト3に入る
慢性腎不全は高齢犬の多くが患う病気です。

 

慢性腎不全は治療を行っても
完治することのない病気であり、
治療によって進行を遅らせることは
できてもいずれは手の施しようが
なくなり、さまざまな合併症が起こり
亡くなってしまいます。

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慢性腎不全は、高齢犬の病気の代表
であり、加齢に伴い発症、進行します。
また、特に初期ではあまり目立った
症状がなく、何となく元気食欲が落ちて
痩せてきて・・という感じもあるため、
老衰の一種というイメージがもたれる病気
でもあります。

 

つまり・・
歳だから腎臓も悪くなってくる・・
しょうがない・・的な感じに捉えられる
病気でもあるのです。

 

しかし、実際は老衰ではなく、
慢性腎不全という病気であり、完治は
できずとも対処療法を行うことによって
症状の軽減、進行の抑制はできます。

 

ただ、年齢のこともあるでしょうし、
治らない病気に対して色々と治療をする
ことは、ただの延命治療であり、それは
望まないという考え方の飼い主さんも
一定数おられるようです。

 

また、症状が悪化してくると
辛そう・・
苦しいのではないか・・
痛いのではないか・・
と思ってしまうのも当然だと思いますが、
それによってもうこのまま安楽死させた
方が良いのでは・・と考える方もおられます。

 

どこまで治療をするか・・
については、飼い主さんの考え方にも
よりますし、決定権は飼い主さんにあります。

 

ただ、安楽死に関しては、その処置を
行うのは、動物病院の獣医師であり、
いくら飼い主さんが望んだところで
必ずしもその希望が受け入れてもらえる
とは限りません。

 

また、安楽死という選択については
軽く決められるものでもなければ
飼い主さんにとっては、考えるだけでも
とても辛く、苦しい問題です。

 

安楽死については、人の医療の分野
でも非常にデリケートな問題の一つ
とされていますし、また人の場合は自分
の意思を伝えることができるため、
安楽死の同意語として『尊厳死』という
言葉が主に使われるようになっています。

 

しかし、言葉を話さない、意思を伝える
ことができない動物の場合には尊厳死とは
ならないため、あくまでも飼い主さんの
希望による安楽死の選択ということに
なります。

 

また、人とは違い、犬などペットの
安楽死については、そのハードルは
人のそれとは大きく異なるものです。

 

日本では人の安楽死(尊厳死)は法律で
認められておらず、それを行うと医師は
殺人罪となります。
しかし、動物医療の分野ではそのような
法律はなく、飼い主さんが望めば、
獣医師の判断によって自由に行うことができます。

 

こちらでは、慢性腎不全の犬の末期の
体の状態や経過、安楽死の選択(是非)に
ついて、実際の動物医療の現場での対応
など、個人的な見解も含めまとめてみました
ので参考にしてください。

 

<ペットの安楽死とは>

 

人の分野での安楽死の定義は、

『助かる見込みのない病人を、本人の希望
に従って、苦痛の少ない方法で死に至らせること。』

となっています。

 

そして、ペットの場合の安楽死は、
大きく分けて

『長期的な安楽死』
(末期的疾患あるいは老齢による身体状態の悪化)

『緊急の安楽死』
(事故などによる深刻な傷害を負い、非常に
高額な医療費がかかる、または治療不可能など)

『健康な動物の安楽死』
(解決できない行動上あるいは気質上の問題、
ペットの世話を飼い主が続けられない、など)

に分類されます。

 

本当であれば、安楽死もやむを得ないと
判断される状態としては、

*心身に耐えがたい重大な苦痛がある

*死を回避する手段も、苦痛を緩和する方法もない

などで、安楽死はいわゆる苦痛からの解放
でなければならないはずですが、やはり
ペットの場合には残念ながら人(飼い主)の
都合も入ってくるわけですが。

 

そして慢性腎不全という病気は、
分類されるとすれば『長期的な安楽死』
部類に入ります。

 

<犬の慢性腎不全の末期と安楽死の選択について>

 

犬の慢性腎不全の末期状態とは、
いわゆる『尿毒症』も末期になっている
状態です。

 

尿毒症は、体の中に老廃物が溜まることに
よって起こる、いわゆる中毒症状です。
詳しくはこちら↓
犬の腎不全による尿毒症!症状や体の状態、治療法や余命など!

尿毒症はいよいよ末期になると意識が
混濁してくるため、犬にとって辛いと
いう感覚はなくなってきます。

 

また、腎不全ではさまざまな合併症が
起こりますが、心不全や高血圧、また
体に水分が溜まることによって末期になると、

*胸水、腹水
*動悸や息切れ
*息苦しさ
*貧血が進む

などの症状が顕著になってきます。

 

ですから、慢性腎不全の末期で
犬にとってかなり辛い、苦しいと言える
状況は、呼吸困難によるものが主です。
(症状もそれぞれですから必ずしも呼吸
が苦しくなるわけではありません)

 

その他、さまざまな症状はありますが、
何らかの病気になればそれなりの症状
が現れるのは当然ですし、特に末期に
なれば尚更です。

 

ですから、犬の慢性腎不全において、

心身に耐えがたい重大な苦痛があり、
苦痛を緩和する方法もない

状況というのは、対処療法を行っても
それ以上、呼吸が苦しい状況を改善して
あげられないときです。
(これは、犬の状態であり、飼い主さんの
私的な意見は別です)

 

もちろん、安楽死の考え方としては
それまでの犬の状況、治療経過にもより
ますし、獣医師の考え方もさまざまですから、
それが必ずしも安楽死もやむを得ない状況と
されるわけではありません。

 

そして、犬の慢性腎不全においては、
安楽死はあまり行われません。
慢性腎不全で安楽死を行うという判断を
する獣医師は非常に少ないです。

 

犬の病気の中で、安楽死もやむを得ない
とされることが多いのは、やはり『癌(がん)』です。

 

癌はそのタイプや種類、できた場所にも
よりますが、最終的に耐え難い痛みや
苦痛を味わわせることになることがあるためです。

 

慢性腎不全はそのようなタイプの
病気ではないのです。

犬の慢性腎不全の痛みや辛さとは?体の状態や対処法について!

 

もちろん状況にもよります。
それは犬の体の状態だけでなく、
飼い主さんの状況も鑑みる必要も
あるからです。

例えば、

*飼い主さんが高齢でお世話ができない

などの場合は、例え病状が安楽死を
必要としないレベルでも安楽死の検討が
必要になることもあります。

 

また、それまでどのような治療を
どの程度行ってきたかにもよります。

 

例えば、どうせ治らない病気だから・・
と治療もせず放置していて、いざ末期
になって苦しそうだからと安楽死を
望まれても、はい分かりました。。とは
なりません。

 

逆に、積極的に治療を行ってきてお世話
をしてきた飼い主さんが、愛犬の辛そう
な状況にもうこれ以上は・・と安楽死を
望んでこられた場合には、苦慮しながらも
受けることもあります。

 

獣医師も人間ですから当然そのような
感情はあります。
また、安楽死がやむを得ないと思われる
状況にない動物を自分の手で殺すことは
したくないのが当たり前の感情です。

 

また、基本的に、
動物の苦しい状況、もうどうしようもない、
何もしてあげられない、いたずらに苦痛を
長引かせるだけだと分かっている場合には、
獣医師の方から、安楽死という選択肢も
あると説明してくれるはずです。

 

もちろん、前述したように安楽死の
選択についてペットの場合には、
その体の状態だけでない事情も含まれて
くるため、その線引きは獣医師の考え方
によっても異なるものです。

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<安楽死の方法について>

 

動物病院で行われるペットの安楽死は、
保健所などの殺処分の方法とは全く
異なるものです。

 

言葉の通り、心身に苦痛を与えず
安らかに楽に息を引き取るための
処置になります。

 

全身麻酔に使用する麻酔薬(主に
バルビツール酸誘導体系)を静脈から
注射していきます。
通常の麻酔に使用する量の4~5倍の
を投与することにより、

深麻酔状態

呼吸中枢の抑制による呼吸停止

心停止

となります。

 

薬剤を投与しはじめてほんの数秒で
意識はなくなり、薬剤投与後、数秒~
十数秒程度で心臓が停止します。

 

いわゆる、眠るように亡くなります。

 

厳密に言えば、注射針を刺すときに
少し痛みはあるかもしれませんが、
麻酔薬の静脈内投与では、効果の出現
が早く、意識消失は速やかに起きるため、
恐怖や不安を与える時間も最小限ですみます。

 

<まとめ、最期の看取りについて>

 

もし愛犬が慢性腎不全で(もしくは他の
病気でも)安楽死を考える状況になって
いるのであれば、まずはかかりつけ医に
しっかりと相談してみましょう。

 

安楽死と口に出すことは、
ひどい飼い主だと思われてしまうのでは?
と考える方もおられるかもしれませんが
まずは、現状を理解し、その後の予想される
経過を聞くことは大事なことです。

 

その先に安楽死の可能性が見えることも
あるかもしれませんが、そこまでに
できることもあるはずです。

 

延命を望まない・・
苦しませたくない・・
どんな状況でも長生きしてほしい・・
天寿を全うさせたい・・

など、考え方はそれぞれですし、それに
ついては飼い主さん個人個人の思いと
なりますので肯定も否定もしません。

 

ですが、まずは愛犬の体の状態を
しっかりと把握してください。
そうしないと必ず後で後悔する日が
来ると思います。

 

飼い主さんの感情だけでなく・・
漠然と辛そう・・ではなく、
今、どういう状況で体の中ではどういう
ことが起こっている。。
それによって、どういう苦痛がある。。
この先どうなっていく。。

 

また、
歳をとること・・
病気をすること・・
最終的に死がくること。
生あるものは必ず死がある。

 

家族の一員として過ごしてきた
年月、愛犬の一生を考えたときに
最期まで何がしてあげられるか・・
最期まで責任を持つということは
どういうことなのか・・

 

人よりずっと寿命の短い犬です。
その犬の一生は言ってみれば私たちの人生
の縮図を見せてくれているようなものです。

 

最期までしっかりと向き合っていく
必要があるのではないでしょうか。

 

どんな選択をしたとしても、後で後悔
するときはあるかもしれません。
しかし、それも含め、最期までしっかりと
見届けてあげることが飼い主さんの責任です。

それが犬を飼う、一緒に暮らすということです。

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