犬の腎不全による尿毒症!症状や体の状態、治療法や余命など!

犬の慢性腎不全は、進行すると
『尿毒症』という状態になります。

 

腎不全によって腎臓の機能が低下
すると体内の老廃物をオシッコとして
排泄することができなくなり、その
結果、体内に不必要な体にとって有害
なものが溜まってきます。

 

これによって起こるのが尿毒症
言われる、いわゆる中毒症状です。

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この尿毒症状態は、全身の臓器に
ダメージを与え、さまざまな障害を
招きます。
いわゆる致命的(生命に関わる)と
される状態です。

 

こちらでは犬の慢性腎不全の尿毒症
の症状や体の状態、治療法や余命など
についてまとめてみましたので参考にしてください。

 

<尿毒症の状態>

 

尿毒素にはさまざまなものがありますが、
体内で産生される物質の中で体に有害
な作用をもたらすものを言います。

 

この尿毒素は、CRE(クレアチニン)、
BUN(尿素窒素)とほぼ平行して増える
ため、血液検査で分かるCRE、BUNの
数値が体内の尿毒素物質の溜まり具合
を推定する目安になります。

*CRE=筋肉から作られる老廃物

*BUN=食事のタンパク質からの代謝産物

 

BUNは、食事の量や食べた時間によって
も値は左右されるため、CREの数値で
判断するのが一般的です。

 

尿毒症のさまざまな症状が現れてくる
のがステージ3~です。
CREの数値で言うとおおむね3.5~4を
超える
と症状はさらに顕著に現れます。

 

ステージ1 CRE<1.4mg/dl
ステージ2 CRE=1.4~2.0mg/dl
ステージ3 CRE=2.1~5.0mg/dl
ステージ4 CRE>5.0mg/dl

 

それと共に、P(リン)、K(カリウム)
などの尿毒症性物質の数値も上昇して
きます。
また、PCV(Ht)=赤血球の容積が減少、
貧血も進んできます。

犬の腎不全の貧血!原因や症状と治療法、造血サプリなど!

 

そして、尿検査では尿タンパクが増加
尿比重はさらに低く(尿が薄い)なってきます。

*蛋白尿=蛋白質などの大きな物質は
ほとんどろ過されず、正常では尿に
出る量は極めてわずかですが、糸球体
(ろ過装置)に異常が起こると、多量の
蛋白質が尿にこし出されます。

*低比重尿=腎機能が低下すると尿毒素
を濃縮して排泄することが困難になる
ため薄い尿(希釈尿)になります。

 

<尿毒症の症状>

 

尿毒症の症状はさまざまで、飼い主さん
から見て分かりやすいものもあれば、
気付きにくいものもあります。

 

また、軽度~重度によって症状も
多少異なりますが、基本的に尿毒症の
状態では、ワンちゃんの体の中では
以下のような症状が起きている、また
起こってくる可能性があります。

 

『脳』 意識障害、けいれん、不眠など

『眼』 眼底出血、網膜症、視力低下など

『口』 口臭(アンモニア臭)、歯肉出血、味覚異常など

『心臓』 動悸、心不全、心肥大、高血圧など

『肺』 呼吸が荒い(早い)、息苦しさ、咳、肺水腫(胸水)

『胃腸』 食欲不振、嘔吐、下痢、吐血、血便など

『骨、筋肉』 低カルシウム血症、筋肉のけいれんや痛みなど

『皮膚、被毛』 脱毛、むくみ、痒み、色素沈着、皮下出血など

『末梢神経』 感覚麻痺、運動麻痺、知覚異常など

『その他』 だるさ(疲労感)

*これらの症状はすべてが起こるわけ
ではありません。

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<尿毒症の治療法について>

 

尿毒症の治療は、毒素の排泄です。

基本的に慢性腎不全の治療は、

*尿毒症を防ぐための毒素の排泄
(皮下輸液や点滴、尿毒素吸着剤の服用など)

*食事療法により、毒素の産生を減らす
(専用の療法食=タンパク質制限)

*さまざまな合併症を防ぐための薬剤投与
(高血圧=降圧剤、貧血=造血ホルモン剤など)

などがメインとなります。

 

そして、尿毒症の治療に一番有効なのは
点滴(静脈点滴)です。

 

ですから、急を要する場合には、
入院して静脈から24時間点滴を行う
ことである程度まで症状は改善する
可能性があります。

 

ただし、根本的な腎臓の治療ではなく
あくまでも体内の老廃物を一時的に
体外に排泄しただけですから、点滴を
やめるとまた少しずつ毒素は溜まって
きます。

 

その後は、血液検査の数値やワンちゃん
の体の状態に応じて、自宅で毎日の
皮下輸液を行うことでどこまで尿毒症
の悪化を遅らせることができるかがカギ
になります。

 

ただ、点滴は状態によっては行えない
こともあります。

*すでに腎臓でオシッコを作ることが
できていない状態(乏尿、無尿)

*貧血が進んでいる状態

*肺水腫を起こしている状態

など・・いわゆる腎不全がかなり進んで
いる状態(末期)の場合、点滴をすることに
よって状態が悪化して、急死してしまう
可能性もあります。

 

その場合に、尿毒症を改善する方法は
ただ一つ、透析しかありません。
透析には、血液透析と腹膜透析があり
ますが、動物の場合には腹膜透析
行われるのが一般的です。

 

腹膜透析は、お腹の中に透析液を注入し、
腹膜を介して老廃物を透析液の中に引き込み、
その透析液を回収することで老廃物を除去
する治療法です。

 

ただし、透析も一時的な治療であり、
継続していかない限り、尿毒症を
防ぐことはできません。
また、継続するにしてもリスクが伴います。

 

そのため、急性腎不全の治療では
行われますが、慢性腎不全の場合には
あまり推奨されていないのが現状です。

詳しくはこちら↓
犬の腎不全の透析について!方法や費用と効果やリスクなど!

 

<尿毒症のまとめ、余命について>

 

慢性腎不全は早期発見は難しいため、
検査で分かったときにはすでに進行
していて、尿毒症になっていることも
多いです。

 

特に、高齢になってから発症すると
加齢による衰えや体の異変だと
飼い主さんが思ってしまうことが多い
ため、様子を見てしまい、発見が遅れる
場合も多いですね。

 

ですが、腎不全と分かった時点でまずは
徹底的に点滴治療を数日間行い、体の
老廃物を排泄し、その後に皮下輸液や
吸着剤、食事療法などを徹底していけば、
一旦症状を改善、また尿毒症(腎不全)の
進行を遅らせることも可能です。
(いよいよ末期の場合には難しいです)

 

また、ある程度早期に発見できた場合は
適切な治療を継続していくことで、進行
を抑制、なるべく症状が出ないように
なるべく長く元気に過ごさせてあげることも
できます。

 

慢性腎不全は治らない病気ですが、
腎臓の機能がなるべく多く残存している
状態合併症が進んでない状態で治療を
行うことがとても重要でそれが寿命も
左右します。

 

慢性腎不全の犬の余命については、

*病気が分かったときのステージ(数値)

*治療法、治療経過、

*合併症の進行状況

*他疾患の有無

などによって異なってきますので、
このくらい・・というのは難しいですが・・

 

平均的に見ると、適切な治療を継続して
行っていった場合、

ステージ2=数年

ステージ3=数ヶ月~数年

ステージ4=数週間~数ヶ月

くらいが目安となるかもしれません。

 

特に尿毒症の症状が現れるステージ3~
では、急激な症状の悪化も考えられます。

末期で心不全を起こすと急死もありえます。

 

また、すでに腎臓でオシッコが作れない
状態(乏尿、無尿)となっている場合には
透析をしない限り、もっても数日です。

 

尿毒症と言ってもその状態は軽度~重度
まで幅は広いです。
ステージ2でも軽度の尿毒症(高窒素血症)
です。
慢性腎不全=尿毒症なのです。

 

ですから、まずはしっかりと検査
(血液検査、尿検査、血圧など)を行い、
体の状態を把握することです。

 

CREやBUNなどの数値だけでは
体のダメージ、合併症などの状態を
的確に診断することはできません。

 

どこまでの治療を行うかは、ワンちゃんの
年齢や他疾患の有無、また飼い主さんの
考えによってもさまざまだと思います。
また慢性腎不全においては積極的な治療を
勧めない獣医師もいます。(特に高齢犬の場合)

 

ただ、後で後悔しないためにも、
ちゃんと愛犬の体の状態を知って、残り
の余命を少しでも楽に過ごせるような
対処療法だけはしてあげるべきだと私は
思います。

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