感染症

犬ブルセラ症とは?症状や予防法と人への感染の可能性など!

ズーノーシス(人畜共通感染症)には
さまざまな病気がありますが、かかり
やすい動物種や終宿主などに違いがあります。

 

また、同じ感染症でもその種によって
特異性を持っている場合も多く、感染
したからと言ってすべての動物や人に同じ
症状が出るわけではありません。

 

ただ、どうしても動物からの感染症と
言うと怖いイメージがあると思います。

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犬で一番知られるズーノーシスは、
『狂犬病』ですね。

 

狂犬病は、特に致死率が100%と
言われる感染症ですから確かに怖いですが。

 

その他にも、私たちの身近な犬や猫から
人に感染する可能性のある病気はたくさん
あります。

 

その多くは、治療すれば治るものですし
致死率が高いわけでもありません。

 

ただ、抵抗力の弱い子供や高齢の方、
また妊娠している場合などの感染では、
重篤な症状を引き起こす可能性がある
感染症もあります。

 

こちらでは、そんなズーノーシスの
一つ、『犬のブルセラ症』について、
感染犬の症状や感染経路、人への感染
の可能性や感染した場合の症状などに
ついてまとめてみましたので参考に
してください。

 

<犬のブルセラ症とは>

 

ブルセラ症は、ブルセラ属の細菌感染
によって起こる人をはじめ、犬や猫、
家畜、野生動物などが罹患する病気
ですが、各動物によってもそのブルセラ菌
の性状は異なります。

 

犬のブルセラ症は、Brucella canis
(ブルセラカニス=イヌ流産菌)と
言われるブルセラ菌によって発症します。

 

ブルセラカニスは、基本的に犬が宿主
の菌ですが、まれに人への感染が報告
されています。
(他、家畜などのブルセラ菌も人に
感染する可能性はあります)

 

<犬のブルセラ症の感染経路>

 

犬ブルセラ菌は、感染犬の

*唾液
*尿・便
*精液(オス犬)
*胎盤・乳汁(妊娠犬)

などから感染します。

 

つまり、同居犬であれば同じ食器で
ご飯を食べるなどの経口感染や、
排泄物を舐めることなどでも感染します。

 

また、オスメスの交尾でも感染
します。(経膣感染)

 

犬から犬への感染力は強い菌です。

 

日本ではじめて犬のブルセラ症が
確認されたのは、1971年にビーグルの
繁殖場です。

 

妊娠犬の流産が相次ぎ、その流産胎子
からブルセラカニス菌が分離されました。
その後、国内の各地でブルセラ菌の
陽性犬が見つかり、現在のところ日本全国
の犬での陽性率は数%と考えられています。

 

<犬のブルセラ症の症状>

 

犬ブルセラ菌は、内毒素を持たない菌
のため、犬が感染しても特に目立った
全身症状は現れませんが、生殖器系の症状
が現れます。

 

犬ブルセラ菌は、イヌ流産菌とも言われる
とおり、妊娠犬が感染、もしくは感染犬が
妊娠すると妊娠末期(50~55日前後)に流産
してしまう病気です。
(前兆のないまま突然流産するのが
特徴です)

 

胎盤と子宮の結合部が、ブルセラ菌に
よって少しずつ犯されて壊死し、子宮
と結合できなくなり流産します。
(出てきた胎児が生きていた場合でも
一般的に数時間で亡くなります。)

 

また、もっと早期に流産する場合や、
また流産せず胎子が子宮内で変性し
亡くなっていることもあります。

 

流産した場合、母犬の一般状態には
異常は認められず、その後も普通に
生活、妊娠も可能な場合がほとんどです。
(胎子が子宮内に留まり、変性していた
場合には、摘出する手術が必要になります)

 

オス犬が感染した場合、

*精巣上体炎
*前立腺炎
*陰嚢の潰瘍

などが現れますが、感染してからこれら
の症状が出るまでには長期間(数年)かかります。

 

これらの症状が出た後、精巣は萎縮して
無精子症となり、繁殖能力がなくなります。

 

また、感染していても上記の症状が
出るまでは、交尾能力、繁殖能力共に
あるため、メス犬を妊娠させることは
可能です。
ただし、この場合でも妊娠末期に流産します。

 

<犬ブルセラ症の検査・診断>

 

犬ブルセラ症では、血液中にも細菌を保有
するため、血液検査が行われます。
(外注検査)

血清凝集反応による抗体価の測定で
診断されます。

 

抗体価:
×160以上=陽性
×80=疑陽性
×40以下=陰性

と判定されます。

 

妊娠犬が流産した場合などは、
検査を受けることが推奨されます

 

<犬ブルセラ症の治療>

 

犬ブルセラ症では、効果的な治療法は
ありません。

 

基本的には、抗生物質(抗菌剤)が
投与されますが、血液中のブルセラ菌
には効果が見られますが、細胞内の
ブルセラ菌に対しては、抗菌剤は効きません。

 

ですから、一時的にブルセラ菌は
見られなくなっても投薬を中止する
と数ヶ月後に再び菌は増殖します。

 

そのため、できる治療、他への感染予防
としては、感染犬の生殖器(メスは卵巣と
子宮、オスは精巣)を摘出し、定期的に
抗生物質の投与を行い、さらに他犬との
隔離しか方法はありません。

 

また、犬を多数飼育するような環境に
おいては、感染犬は安楽死という方法が
選択されることもあります。

 

ブルセラ症の発生の多い国などでは、
人への感染予防のために、感染動物
は殺処分となることも多いようです。

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<犬ブルセラ症の人への感染>

 

犬のブルセラ症は、人へも感染する
可能性はありますが、極まれです。
(人から人への感染もほとんどない
とされています。)

 

ただ、ペットショップやブリーダーなど
多くの犬と接触する機会のある人、
また、動物病院関係者などで犬の生殖器
に触れる機会の多い人などがリスクは
高くなりますが、一般の方では感染の
リスクは非常に低いです。
(海外渡航者などでは現地で食肉を介した
感染の報告があります)

 

もし、犬のブルセラ症に人が感染して
しまった場合、風邪様の症状(発熱や
倦怠感、全身の疼痛など)が現れることも
ありますが、目立った症状はないことも多いです。

 

潜伏期間は1~3週間、症状が軽症の場合
には、2週間ほどで自然治癒すること
もありますが、基本的には抗菌薬を数種類
併用し治療を行います。
重症化した場合には、治癒に数ヶ月かかる
こともあります。

 

ただし、万が一感染してしまった場合、
人の妊娠にも悪影響(早期陣痛、早産、
胎児死亡など)を及ぼす可能性があります
ので、妊婦の方は注意が必要です。

 

また、幼児や高齢の方、免疫の弱った方
などでは、健康な成人よりは感染のリスク
も高くなるため、注意が必要です。

 

~犬からの感染を防ぐために~

*多くの犬に接する職業の方や、
犬の繁殖に携わるブリーダーの方など
では、汚物や生殖器からの分泌物など
に触れるときには、できれば直接触れない
よう手袋の着用が望ましいです。

また、こまめな手洗いや消毒を心がけましょう。

 

*一般の方は、そこまで神経質になる
必要はありませんが、むやみにいろいろな
犬と接触しないこと。
過剰な接触はしないこと。

犬に触れたあとには、石鹸による手洗いや
うがいをすること。(特にリスクが高い方)

基本的にブルセラ菌は、石鹸の他、
一般的な消毒薬(エタノールや次亜塩素酸
など)はすべて有効です。

 

ブルセラ症は、犬からの感染の可能性
以外にも家畜や野性動物などの感染動物
から、感染する可能性はあります。

 

また、近年の国内発症の例では、
特定の動物からの感染ではなく、
『土着の感染源が顕在化』した可能性が
指摘されています。

 

つまり、感染動物との接触がなくても
感染する可能性もあるということで
あり、また土着の感染源となるとある
意味避けようがないわけですから、
外出から帰宅したら常に手洗いという
習慣を付けるしかないですね。

 

自分の身は自分で守りましょう。

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