介助犬の犬種や仕事内容は?訓練や認定試験、実働頭数など!

日本では、体に障害のある人の補助を
する犬たちが育成され、実際に活躍しています。

 

この犬たちは総称で『身体障害者補助犬』
と呼ばれ、『盲導犬・介助犬・聴導犬』
の3種類がそれに当てはまります。

盲導犬・・目の不自由な方の歩行をサポート

介助犬・・身体の不自由な方の生活をサポート

聴導犬・・耳の不自由な方に音を知らせる

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盲導犬は知らない人はいないくらい
有名な補助犬だと思いますが、介助犬
や聴導犬はまだまだ認知度が低く、普及
も進まず、そんな働きをしている犬たち
がいるのを知らない方も多いと思います。

 

実際に、盲導犬の実働数に比べ、
介助犬や聴導犬は1/10以下ですので
知られてないのは仕方ないのかもしれませんね。

 

しかし、体に障害を抱えた人にとっては
そこに特化して補助をしてくれる犬たち
は、とても重要な役割を持つ存在であり、
絶対的なパートナーとなります。

 

ですから、障害のある方もそうでない方
もそのような犬たちがいることを認識し、
知ることが大事なのではないでしょうか。

 

補助犬の仕事を優しく見守ることも大事
ですが、緊急時など補助犬だけでは対処でき
ないこともありますし、何かの際にはどう
対処して行けばいいのかなど、すべての人が
知っておく必要があるのではないかと
思います。

 

こちらでは補助犬の一種であり、身体の
不自由な方のサポートをする『介助犬』
の仕事内容や育成、実際に活躍する状況
などについてまとめてみましたので参考に
してください。

 

<介助犬の役割・仕事内容>

 

介助犬は、身体の不自由な方の生活全般
をサポートする役割があります。

 

介助犬の候補犬になった犬たちはまず
基本的なものとして、

*座れ・伏せ・待てなどの基本

*色々なものを口でくわえる→持ってくる→渡す

などの基礎訓練介助動作訓練が行われます。

 

これら基本的な介助動作訓練を受けた
後、実際に介助犬を依頼されたユーザー
の方が必要とする補助をユーザーの方と
一緒に訓練していきます。

 

その方の身体の状態や生活環境に
よっても仕事内容は少し異なりますが、
主なものとしては

*落としたものを拾う

*指示したものを持ってくる

*冷蔵庫から飲み物などを持ってくる

*ドアの開閉を行う

*電気などのスイッチ操作(オンオフ)を行う

*靴下や履物などを脱がせる・脱衣の補助など

*動作時(起立、体位変換、姿勢維持など)の補助を行う

*車椅子の牽引など

*緊急時の対応(人を呼びに行ったり緊急ボタン押すなど)

などです。

また、室内での生活補助だけではなく、
外出時でも同様です。

 

介助犬は、外出先でも同じように
その状況に応じて必要な補助を行い、
また公共の場では他の人たちに迷惑に
ならないように行動できます。

 

<介助犬に適した犬種について>

 

介助犬については、警察犬(直轄)のように
認定されている犬種というものはありません。

 

ですから、適正があり訓練ができ試験に
受かることができればどんな犬でも
可能性はあるということです。

 

ただし、やはり仕事内容からしても
小型犬では難しく、大型犬が選ばれて
います。

 

聴導犬であれば、音を知らせるだけ
なので、聴力が優秀で適正さえあれば
小型犬でも問題なく、実際に聴導犬は
小型犬も多いです。

 

介助犬ではある程度の力が必要な場面や、
指示されたものをくわえて運ばなければ
ならないため、それなりの大きさの犬
が適しているのは言うまでもありませんね。

 

そして、定められた犬種はありませんが
基本的にはラブラドールレトリバーが
多いです。

 

盲導犬でもラブやゴールデンが多い
ですが、賢さ、しつけのしやすさ、
人が大好き(フレンドリー)、
コミュニケーション能力が高い・・
などから介助犬として選ばれることの
多い犬種ですね。

 

気質や賢さなどはゴールデンもラブラドール
もあまり変わりはありませんが、ラブの方が
被毛の長さが短いため、お手入れが楽という
こともあり、特に介助犬では選ばれること
が多いです。

 

また、盲導犬でも同様ですが、
もともと持って生まれた性格や気質
などで補助犬の資質が高い血統(親犬
など)というものもあるため、候補犬として
確保する犬は、専門に繁殖を行っている
ところからというのがほとんどです。

 

介助犬も盲導犬と同じで候補犬は
生後2ヶ月で親犬から離されてからは、
1歳になるまでパピーファミリー
(ボランティア)のもとで育てれられ、
人との信頼感や人間社会のマナーを
身に付けます。

 

そして、1歳になったら訓練センター
に戻り、介助犬としての適正(必要な
資質)があるかどうかの評価が行われます。

 

そこで適正が認められれば、介助犬に
向けて本格的な訓練が始まります。
介助犬に向かないと判断された犬は
一般のペット犬としてボランティアなど
に引き渡されます。

 

基本的な流れは盲導犬の育成と同じですね。

 

今は、警察犬や盲導犬などの適正評価で
向かないと判断された犬たちが介助犬
になるケースもありますし、役割によって
必要な資質は異なりますので場合によっては
他方向性が検討されることもあるようです。

 

また、保護犬などから警察犬や介助犬
を育成する試みも行われていますので、
ある程度の体の大きさと資質さえあれば
どんな犬種でもチャンスはあると言えます。

 

ただ、介助犬専門の訓練施設ではなるべく
効率的に多くの介助犬を育成するために
資質の高い犬を繁殖することからはじめて
いるということですね。

 

介助犬の適正評価(資質)の基準としては、

*大きさ(体高や体重)がユーザーの
ニーズに適正である

*健康体で体力もあり、遺伝性疾患や
慢性疾患がない

*被毛の手入れが容易

*臆病でなく陽気な性格で、人や他の
動物に対して友好的

*人間が好き、一緒にいるのを好む

*他の動物に対して強い興味を示さず
挑発的な行動をしない

*攻撃的ではない

*神経質ではなく、大きな音や環境の
変化に動じず、落ち着いていられる

*平均的な触覚、聴覚、感受性がある

*集中力、積極性、環境への順応力がある

*乗り物酔いをしない

などが挙げられています。

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<介助犬の訓練や認定試験について>

 

訓練所で基本的な補助動作訓練を受けた
介助犬候補犬は、その後実際のユーザー
の方との合同訓練に入ります。

 

指示の出し方や実際に必要なさまざまな介助
の訓練はもちろんですが、介助犬のお世話
(飼育)をするユーザーさんの訓練も必要になります。

 

基本的には、介助犬のお世話(食事や散歩、
排泄、お手入れなどの飼育管理)はユーザー
さんが行わなければなりません。
(もちろん、体が不自由なわけですから、
自分でできる範囲で行う練習をし、
自身で行うことが難しい内容は援助を
頼むようになります。)

 

合同訓練は訓練センターとユーザーさん
の自宅や職場など実際の生活環境で
行われます。

 

訓練内容や状況によっても多少異なり
ますが、

基礎訓練と介助動作訓練(約180日間)

ユーザーさんとの合同訓練(約40日間)

となります。

 

そして、これらの訓練を終えたら、
介助犬候補犬は、そのユーザーと共に
厚生労働大臣が認めた指定法人で認定試験を受けます。

 

<試験内容>

*書面審査:
(基礎訓練、介助動作訓練、合同訓練が
全て終了し、総合評価・判定を受けて
いることを確認)

*犬の動作検証:
(基本動作・介助動作の検証と確認)

*審査:
介助犬の訓練者、身体障害者リハビリ
テーション施設等の医師、獣医師、
作業療法士、理学療法士、社会福祉士
などにより編成された審査委員会により行われる

 

この審査に受かり、認定を受ければ
晴れて社会的に介助犬と介助犬のペアとして認められます。

 

盲導犬はハーネス(胴輪)が目印ですが
介助犬はケープ(胴着)に『介助犬』と表示されます。


出展:http://www.kawamura-gishi.co.jp/

また、認定番号や認定年月日、犬種や
認定をした団体名、連絡先などが明記
された表示を分かる場所に付けてあります。


また、外出先で施設などを利用する際、
ユーザーも提示を求められることがある
ため、身体障害者補助犬健康管理手帳と、
身体障害者補助犬認定証を常に所持して
いる必要があります。

 

これによって、さまざまな公共の場でも
受け入れてもらえるようになります。
受け入れは『身体障害者補助犬法』
義務付けられています。
(ただし、実際には入店を拒否されるケース
も多く、介助犬の普及と認知にはまだ課題
は多いのが現状です。)

 

また、介助犬認定後も継続的な訓練や
指導を受ける必要もあり、またユーザーは、
定期的に訓練センターに報告しなければ
なりません。

 

<介助犬の実働数やユーザーの条件など>

 

全国で介助犬を必要としている障害者
の方は、10,000~15,000人ほどおられ
ますが、実働している介助犬の数はわずか
75頭(2018,5月時点)』です。
(盲導犬は約1,000頭います)

 

全く育成が追いついていない状況と
言えますが、何より専門の訓練施設は
日本には1つしかありません。
(愛知県にある『シンシアの丘』)

 

介助犬総合訓練センター『シンシアの丘』
は、愛知県の長久手市にある訓練施設
です。

 

その名前にもなっているシンシアとは、
まだ、介助犬が法的に認められていない
時から実際に介助犬として活躍し、介助犬
の法制化のためにユーザーと共に尽力
(後の2002年に制定)したメスのラブラドール
レトリバーの名前『シンシア』から付けられています。

『シンシアの丘』には今は亡き『シンシア』
の慰霊碑も建てられています。

 

介助犬の育成には時間もお金も
かかります。(1頭当たり300万円以上)
また、訓練を重ねても必ずしも認定試験
に受かるとは限りません。

 

また、介助犬の候補犬となっても
その中から実際に介助犬になれるのは
3~4割です。

 

ですから、実際に介助犬は足りていない
状況であり、そのため他の訓練施設など
でも介助犬の育成の訓練を行う試みが
なされています。
(他訓練施設でも規定のカリキュラムを
実施し、認定試験に受かれば介助犬に
なれます)

 

そのため、介助犬を要望しても
順番待ちであり、待ちの期間は数年単位
となっています。

 

また、介助犬の引退年齢は10歳前後です。
ですから順調に介助犬になれたとしても
実際に働ける期間は7~8年ほどです。

 

つまり、現ユーザーさんたちも
その介助犬の引退時期がくると
また次の介助犬を求める(代替え)必要
があり、基本的にそちらに優先して
介助犬は貸与されます。

 

そのため、新規のユーザーさんに
回ってくるのにはかなりの待ち時間
を有するのが現状なのです。

 

『介助犬申し込みの条件など』

介助犬は、身体障害者手帳をお持ちで、
基本的に18歳~65歳までの方、また
自立と社会参加を目的とされる方で
あれば誰でも申し込むことができます。
(日本補助犬協会に申し込み)

 

また、介助犬の貸与については無償です。

 

ただし、介助犬にかかる飼育費用
(食事代、予防接種や医療費など)は
ユーザー負担となりますのでそれらが
捻出できる方になります。
(地域によって、介助犬の使用に必要
な費用の一部を助成あり。)

 

その他、

*介助犬との4週間の合同訓練を行える方
*介助犬を愛情を持って飼育できる方

などが条件となります。

聴導犬の仕事や犬種、頭数は?訓練や認定試験、普及率など!

 

<まとめ>

 

一般的な公共の場で盲導犬は見かける
ことはあっても介助犬を見かけることは
まずないと思います。

 

それだけ、頭数が少ないということ
ですが、それでももし見かけたら
静かに優しく見守ってあげましょう。

 

また、緊急時など介助犬だけでは
対処できない場合には、周りの人間に
知らせに行く、助けを求めるように訓練
されています。

 

つまり、ケープを付けた介助犬が普通の
状態で1頭だけで歩いていることはなく、
そのような状況が見られ、何かを
訴えてきたなら、それはユーザーさん
に何か起こっている、また緊急の状況だと
いうことです。

 

そのような状況が見られたら、介助犬の
導く方に付いて行くことです。
そして状況に応じて助けたり、救急車
を呼ぶなどの対処が必要になります。

 

介助犬という犬の存在、仕事を知ること
で緊急の場合でも即座に状況が判断でき、
適切な行動ができ、それによって障害者
の方の助けになることができます。

 

人のために頑張る介助犬がいるのですから
人も同じように困っている人を助けられる
世の中にしなくてはなりませんよね。

 

ちなみに、介助犬は働かされて可哀想・・
などと思われることもあるようですが、
介助犬の訓練、また実際の仕事は、
無理やりさせるのではなく、あくまでも
犬も楽しんで行える遊びの一環の中で
行うように訓練されているそうです。

 

遊び・・というと不謹慎な言い方に
聴こえるかもしれませんが・・
実際、さまざまな使役犬の訓練は
犬がそれを楽しみながらやれると
いうことが第一条件です。

 

だから、それを楽しんでできない犬は
それ以前に候補から外されます。
補助犬の訓練を行うためにまず適正評価
が非常に重要ということです。

 

盲導犬のようにハーネスを付けて
外出時に仕事モードになるのと違い、
介助犬の場合は1日中、ユーザーさんが
必要だと思ったときに補助が必要になるわけです。

 

ですから、犬自体がそれを楽しみながら
できないといざという時に役に立てない
ことにもなってしまう可能性もあるのです。

 

そのため、介助犬に必要な動作訓練の
すべてが楽しく行えるもの、喜んで
共に作業をするもの・・というふうに訓練
されています。

 

つまり、働かされて可哀想・・
ではなく、介助犬は楽しく遊びながら働く
ことで褒められ、やる気を出すわけで、
さらに愛情をたっぷりかけて飼育してもらうわけです。

 

本来、犬は人が大好きで、飼い主さん
に構って遊んでもらうことに喜びを
感じる動物です。

 

ある意味、一般的な飼い犬でも庭に放置
で一日一回の散歩しか連れていってもらえ
ないような犬よりは幸せと言えると私は思います。

 

介助犬がいることで、障害者の方も
積極的に外に出て行くことができたり、
何でも挑戦できるようになると言います。
世界が広がるということですね。

 

そんな方たちのためにこのような補助犬が
活躍していることが世間一般に認知され、
さまざまな施設などでも積極的な受け入れ
体制が整うといいですね。

 

また、専門の施設の増設や育成に
向けての費用などの問題がクリアされ、
介助犬を待っていらっしゃる方たちに
一日も早く、素敵なパートナーが
やってくることを願います。

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