耳の病気

犬の外耳炎の手術について!方法や費用、予後など!

犬の外耳炎は悪化したり慢性化して
治療しても完治が難しい場合には、
外科手術が適応になることがあります。

 

手術というと怖い、可哀想なイメージが
ありますが、長期に渡って耳の痒みや
痛みを抱えている状態というのも犬に
とっては非常に辛いものです。

 

ですから、場合によっては手術という
選択肢も考えてあげる必要があります。

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また、治りにくい外耳炎では耳道の中に
腫瘍などができていることが原因で耳道が
狭くなり、外耳炎が悪化しやすいことも
多く、その場合にも手術による切除が行われます。

 

こちらでは犬の外耳炎(また外耳炎の進行に
よる中耳炎・内耳炎)の治療法の一つである
外科手術について、手術法や費用、予後などを
まとめてみましたので参考にしてください。

 

<外耳炎の手術の方法と予後、費用など>

 

外耳炎の治療のための手術はその耳の
病態によって主に以下の方法があります。

*外側耳道切除術

*垂直耳道切除術

*全耳道切除術+鼓室胞切開(骨切り)術


出展:http://dog-life.net/

『外側耳道切除術』

 

外耳道(垂直耳道)の一部(外側半分)を
切除し、水平耳道までオープン(水平耳道
を直接外部へ開口)にします。

 

これにより、耳の通気性、換気を良くし、
耳道内の温度や湿度を下げ、耳垢や膿
などを外に出しやすい環境にすることで
外耳炎が治癒しやすい状態を作るための
手術です。

 

また、外耳道の外側壁に腫瘍などの病変が
ある場合にも選択される手術法です。

 

ただし、この方法はあくまでも外耳炎治療の
補助的な役割の手術であって、外耳炎自体
を完治させるものではありません。

 

『予後』

根治治療ではなく、また外耳炎を予防する
処置でもありませんので特にアトピーや
アレルギー体質などの子では外耳炎を
繰り返すこともあります。

 

ただ、耳の洗浄や薬剤塗布などが容易に
なり、また耳道の環境も良くなるため、
治療が楽になり、頻繁な通院や投薬などを
減らすことができますし、悪化を防ぐことができます。

 

また、ワンちゃん自体も外耳炎の苦痛や
不快感が減少します。

 

『手術費用』

手術費用は犬の大きさや病院によっても
異なりますが20,000~25,000円程度
相場です。

他、全身麻酔費用10,000~
入院費などは別途。
(基本的には1泊程度の入院)

 

『垂直耳道切除術』

 

垂直耳道すべてを切除して水平耳道を
オープンにします。
外側耳道切除は外側半分ですが内側も
含め、垂直耳道ぐるっと一周切除となります。

 

同じく耳の中の環境改善にもなりますし、
何より、外耳道の炎症、肥厚、腫瘍など、
内科的治療で良くならない病変をすべて
取り除くことが目的となります。

 

炎症が激しかったり、繊維化していたり、
腫瘍などで垂直耳道が塞がっている状態
で、外側耳道切除では対処できない場合に
適応となります。

 

『予後』

垂直耳道切除も外側耳道切除と同じく
根治のための治療ではありません。

 

ただ、垂直耳道の悪くなった組織すべて
を取り去るため、その後の外耳炎の治療
においての治癒率は外側耳道切除よりも
良いとされています。

 

『手術費用』

手術費用は犬の大きさや病院によっても
異なりますが30,000~40,000円程度
相場です。

他、全身麻酔費用10,000~
入院費などは別途。
(基本的には1~2泊程度の入院)

 

外側耳道切除術・垂直耳道切除術について

外耳炎が長期間続くことで外耳道の
壁が肥厚し、外耳道が狭くなり、場合に
よっては閉塞してしまっています。
それによって耳の奥で分泌物や汚れが溜まり
さらに悪化していきます。

 

外側耳道切除術も垂直耳道切除術も
この状態を物理的に改善させるための
手術となります。

 

これらの手術では外耳炎の根治は
難しいですが、手術自体も技術的に比較的
簡単なもので、また術後の合併症の心配も
少ないことから、推奨されることの多い
手術法です。

 

ただし、これらの手術は原則として、
その奥の水平耳道が肥厚したり閉塞などを
起こしていない場合の適応となります。

 

水平耳道にまで問題が起きている場合には
全耳道切除術の適応となります。

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『全耳道切除術+鼓室胞切開(骨切り)術』

 

水平耳道も肥厚や閉塞している場合や、
耳道軟骨の石灰化、内耳や中耳にまで
炎症、病変がある場合には、全耳道(垂直
耳道+水平耳道)切除と鼓室胞切開術(鼓膜
切除、中耳内部の洗浄)が必要になります。

 

これは耳の穴自体をなくしてしまうものです。
耳介(耳たぶ)を残して外耳道の入り口から
鼓膜まで全て切除します。

 

そのため、手術が無事成功すれば外耳炎は完治
する手術法です。(外耳がなくなるため
再発もしない)

 

耳道を根元からカットし、中耳の部分に
ドレーンを装着、術後に外部から洗浄できる
状態にして縫合して終了となります。
(状態によるが一般的には3~4日程度で
ドレーンは外せることが多い。)

 

『予後』

全耳道手術は耳の穴自体がなくなってしまう
ため、耳の機能(聴力)や合併症のリスク、
また見た目の変化などが心配になりますよね。

 

*合併症

一番のリスクは手術後の顔面神経麻痺です。
その発生率は23~63%とされていて、
ほとんどが術後に一過性に起きるもので
その後は治っていきますが、10~20%では
後遺症として残る可能性があります。

 

顔面神経麻痺の症状としては麻痺が出た
部位によって異なりますが、

・目を開けたまま寝ている
・唇の一部が垂れ下がっている
・食事が唇と歯肉の間に残ったまま

などが見られることがあります。

 

*聴力

もう一つ、聴力の問題ですが、手術によって
空気性伝導は失われますが、骨性伝導は
保たれるとされているため、聴力を全く
喪失してしまう可能性は低いです。

 

実際、手術後に聴力に影響はなかったという
症例報告が多いです。

 

また、全耳道切除術が必要なほどに
外耳炎が悪化した犬の場合、すでに聴力は
かなり低下していることが多く、手術に
よって聴力が低下するという問題はあまり
ありません。

 

どちらかと言うと、手術によって悪い部分が
すべてなくなり、快適になることにより
音や呼びかけなどの反応が良くなったと
いう事例もあるほどです。

 

*外観(見た目)

最後に見た目の変化ですが、耳介(耳たぶ)は
普通に残っていますし、手術後に手術部位の
毛が生え揃えば、垂れ耳の犬の場合はほとんど
外見上は変化はありません。

 

耳もパッと見た程度ではあまり変化は
分かりませんが奥を覗こうとしても
穴がないのが分かります。

 

ただ、立ち耳の犬の場合は、耳が立たず
横に寝てしまったりなど、左右非対称
なってしまう可能性があります。

 

*その他

術後、数週間~数ヶ月経ってから膿瘍などが
できることがあります。

 

『手術費用』

手術費用は犬の大きさや病院によっても
異なりますが40,000~60,000円程度
相場です。

他、全身麻酔費用10,000~
入院費などは別途。
(基本的には3~4泊程度の入院)

犬の外耳炎の治療法や通院期間、かかる費用などまとめ!

 

<まとめ>

 

垂直耳道の炎症・肥厚によって水平耳道の
状態までしっかりと見ることができない
場合もあり、垂直耳道の手術時に水平耳道
の状態が分かり、そちらにも影響が出ている
場合には、全耳道切除手術となってしまう
場合もあります。

 

外耳炎が長期に渡っている場合、耳の穴が
とても狭くなっていたり、ほぼ閉塞して
いることが多く、一般的な耳鏡では奥まで
見ることは難しいため、水平耳道や鼓膜の
状態が分からないのが普通です。

 

ただ、今は外耳炎の治療も耳専用の内視鏡
(オトスコープ)を使って、奥までしっかりと
診察、洗浄など治療を行えるようになって
きていますので、手術を回避できる場合も
あります。

 

ですから、手術を勧められたが不安がある
(特に全耳道切除術)場合などはセカンド
オピニオンを受けましょう。

 

外耳炎に力を入れている病院も増えて
きていますし、できればオトスコープ
を完備している病院にて診察を受けると
いいですね。

 

手術なしで内科的治療で効果が出て
苦痛を減らしてあげられるならそれが
一番です。
ただ、長期に渡って外耳炎を患っている
状況というのは犬にとってはかなりの
ストレスです。

 

手術は全身麻酔が必要になりますし、
リスクもありますが、その後のワンちゃん
の生活を考えたときに手術がベストな選択
となることも多いと思います。

 

年齢的なものや体質なども考慮に入れて
しっかりと相談して決めてくださいね。

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