フィラリアについて

犬のフィラリア症の治療!方法や期間、費用や予後について!

犬のフィラリア症はお薬によって予防が
できる感染症ですが、予防をしないと
感染してしまう可能性の高い病気です。

 

そしてもし感染してしまった場合は、
心臓にフィラリア(犬糸状虫)の成虫が
多数寄生してしまい、さまざまな機能障害
を及ぼし、最終的に亡くなってしまいます。

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フィラリアの治療は、本来であれば

*フィラリア成虫・幼虫の駆除
*さらなる感染を防ぐための予防
*フィラリア症状に対する対処療法

が必要になります。

 

しかし、フィラリアの成虫を駆除する
のが非常に難題なのです。

 

こちらでは、犬のフィラリア症の治療法
や費用、予後などについてまとめてみました
ので参考にしてください。

犬のフィラリアの症状!初期~末期の体の状態と咳や嘔吐など!

 

<フィラリアの治療について>

 

フィラリアは犬糸状虫という寄生虫の
感染によって起こります。

 

犬で寄生虫というと回虫や条虫などの
腸内寄生虫やノミやダニなどの外部(皮膚)
寄生虫が良く知られますよね。

 

そしてこれらの寄生虫はその虫を
駆除してしまえば完治します。
駆虫薬の投与で比較的簡単に駆除できます。

 

同じようにフィラリアも駆除できるのでは?
と思われがちなのですが・・
他の寄生虫との決定的な違いはその寄生場所
にあります。

 

お腹の中の虫は主に腸など消化管に寄生
しますので、駆虫薬で虫を殺せば便として
排泄されます。
外部寄生虫も同じく死んで皮膚から剥がれ
落ちます。

 

しかし、フィラリア(犬糸状虫)の成虫は
心臓(右心室他)肺動脈に寄生します。
またミクロフィラリア(幼虫)は、成長段階
にもよりますが、血管内に寄生します。

 

つまり、駆虫薬で殺しても死んだ虫は
体外に排泄されていかないのです。
この成虫の死骸によって血管が詰まったり、
血流不全が起こり、急性の場合、命の危険
が伴うのです。
*最終的に死骸は溶解され、細胞に吸収
されるが時間(約1ヶ月~)がかかる

 

また、腸管など消化管は寄生虫の感染に
よって下痢や血便、嘔吐などの症状が
出ますが駆虫をすればそれらは治り、
後遺症も残りません。

 

しかし、フィラリアの場合は、無事に
成虫の駆虫ができたとしても、寄生に
よってダメージを受けた肺動脈や血管、
心臓
などの臓器を完全に治すことはできず、
後遺症が残ってしまいます。

 

そのため、フィラリアは感染してしまうと
治療が難しく、怖い病気だとされるのです。

犬のフィラリア症はうつる?他犬や人への感染の可能性など!

 

<主な治療法>

 

フィラリア成虫や子虫の寄生数、
心臓や他臓器への影響の程度、症状、
年齢などによっても治療法の選択は
変わります。

 

『成虫の駆除』

*外科手術による駆除

外科的にフィラリア成虫を直につまみ出す
手術です。

首(ノド)の頚静脈から鉗子を入れていき、
肺動脈内、心臓内の成虫を釣り出していきます。

 

この方法であれば、死滅した虫体による
動脈閉塞などは起こる心配はありませんが
全身麻酔となりますので麻酔のリスク
を伴います。(特にフィラリア感染犬では
麻酔のリスクは高くなります)

 

また、寄生場所によっては完全にすべての
成虫を取り除くのは困難で、手技も難しい
ためどこの病院でも行える処置ではなく、
一般的には行われることは少ない治療です。

 

ただし、積極的な治療を行う場合には
一番手っ取り早く成虫を駆除できるため、
犬の状態によっては選択されることもあります。

 

*薬剤による駆除

駆虫薬によって成虫を死滅させることが
できます。

ただ、この場合、前述したように死骸が
動脈の末端に詰まり、急性の血流不全を
起こす危険性があります。

 

そのリスクを減らすため、駆虫薬投与後
は絶対安静(散歩もダメ、興奮させない
など)が必要になります。
(おおむね1~2ヶ月程度)

 

成虫の寄生数がそこまで多くない場合、
比較的若く体力のある犬、大人しく
できる犬の場合などに選択される治療法です。

 

『ミクロフィラリア(幼虫、子虫)の駆除』

ミクロフィラリアも駆除しないと
他への感染の拡がりはもちろん、成虫の
駆除ができたとしてもまた再感染して
しまいます。

 

そのため、血液中にミクロフィラリアが
確認できたとき、またその後の予防のため
にも駆虫薬を投与する必要があります。

 

基本的にミクロフィラリアの駆虫薬は
フィラリア予防に使用されるものと
同じですが、ミクロフィラリアも大量
にいる場合は一気に死滅すると血管に
詰まる可能性もあるため、薬は少量ずつ
の投与から始めることが多いです。

 

そして、状況によっては駆虫薬投与前に
ショック止めの薬を服用してからなど
リスクを最小限にしながらゆっくりと
時間をかけて駆除していくようになります。

 

また、成虫の駆除を積極的に行わない
場合でも、それ以上フィラリア寄生を
増やさないためにミクロフィラリアの
駆除(予防)は必要になります。

 

そして、ミクロフィラリア駆除薬は
成虫を殺すことはできませんが、少なからず
ダメージを与えるため、投与を続けることで
成虫の寿命を短くすることができます。

 

『さまざまな症状に対する治療』

フィラリアが右心室や肺大動脈に寄生
すると心臓の機能が障害を受け、血液循環
不全などが起こるため、さまざまな臓器に
影響を与えます。

 

それによって、

*呼吸困難
*慢性的な咳
*肺水腫
*腹水が溜まる
*運動をしたがらない
*ヨロヨロする
*突然倒れる

などが起こります。

 

フィラリア感染初期や寄生数が少ない
場合にはこれらの目立った症状は現れま
せんが、感染から年数が経ち、寄生数が
増えてくると症状が出てきます。

 

どの程度、臓器が影響を受けているかは
血液検査やレントゲン、超音波検査に
よって分かりますので、その状況に応じた
対処療法が必要になります。

 

強心剤利尿剤降圧剤気管支拡張剤
などの投与や、場合によっては療法食など
への変更が推奨されることもあります。

 

『対処(温存)療法』

犬の年齢や体力、体の状態などにより、
フィラリアの駆虫に対するリスクが高い
(危険)と判断された場合、もしくは
飼い主さんが積極的な治療を望まない
場合などは、寄生しているフィラリアは
そのままで、症状に対する対処療法だけ
行う場合もあります。

 

呼吸を楽にしたり、腹水を減らすための
利尿剤投与などを行い、少しでも楽に
生活させてあげられるようにお薬の
投与を続ける治療です。

 

ただし、フィラリアはそのままなので
急激に症状が悪化して亡くなってしまう
可能性も高いです。
(寿命で死んだ成虫が血管に詰まる)

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<フィラリア治療の期間や予後>

 

フィラリア治療は方法によって期間も
異なりますが、基本的には急性ショックの
リスクを減らすため時間をかけてゆっくり
と行っていくものです。

 

手術による成虫釣り出しであればその処置
自体は1~2時間で終了、入院なども含め
数日間の治療となりますが、その後も1~2ヶ月
は経過観察が必要です。
また、後遺症に対する薬剤治療は状況にも
よりますが長期間(一生)必要になります。

 

そして、薬剤による成虫や幼虫の駆除は
開始からとりあえず終了(ひとまず安心
とされる)まで数ヶ月~半年程度はかかります。

 

また、同様にその後も後遺症に対する
薬剤投与は必要になります。

 

*予後について

基本的にフィラリア感染によって影響を
受けた心臓などは駆虫ができたとしても
完全に治すことはできません。

 

そして犬も歳を取っていきますので
フィラリア感染の影響がなくとも
加齢によってさまざまな臓器に異常が
出てくるのが普通です。

 

ですから、症状を見ながら、定期的な
検査(年に2回程度)を行い、楽に生活させて
あげられるよう、お薬の量を調整しながら
継続していくようになります。

 

お薬の効果が出て、食事など注意して
心臓への負担を最小限に抑えることが
できれば、外見上は症状も分からず元気に
長生きすることも可能です。
(ただ、やはり平均的な寿命よりは
短いことが多いです。)

 

また、年齢が若い犬やフィラリア感染の
影響がそこまで出ていない状態で治療に
成功した場合には、後遺症もあまりなく
予後は良好なことも多いです。

 

ただ、お薬を継続してちゃんと飲まなかった
場合などは急性心不全などによって急死
してしまう可能性もあります。

 

フィラリアによるダメージでなくとも
心臓の病気に対する薬剤治療は、心臓
そのものを治す治療ではなく、心臓の働き
を補助し、それ以上の悪化を防ぎ機能低下
を抑制するものです。

 

ですからお薬によって症状が軽減されるのは
お薬の働きによるものであり、心臓自体が
良くなっているわけではありません。

 

そのため、調子良さそうだからと
お薬を勝手にやめてしまったり、飲んだり
飲まなかったりするとかえって心臓に負担
がかかり、急激な悪化が起こり命に関わる
ことになります。

 

フィラリアは、虫の駆除が終わったから
といってそれで治療が終わりではありません。

 

後遺症に対する治療と再感染しないため
の予防を継続していくことが大事です。

 

<フィラリア治療の費用>

 

治療法や寄生数、犬の大きさや全身状態、
また病院によって費用は変わってきますが
おおまかな費用としては以下を参考にしてください。

『成虫の駆除』

*手術=10万円~(麻酔など含む)
*薬剤=2万円~3万円

『幼虫の駆除』

*1ヶ月分=5,000円~(量や投与回数による)
駆虫が終わればその後は月イチで予防薬
の投与。

『対処療法』

*薬代(1ヶ月分)=5,000円~
(薬剤の種類や体重による)

 

<まとめ>

 

どんな治療法になったとしてもそれぞれ
リスクは伴いますし、メリットデメリット
があります。

 

成虫やミクロフィラリアの寄生数の確認
はもちろん、各種検査によって体の状態を
良く調べた上で、最善の治療を選択して
いくことが大事です。

 

また、運動制限や過度な興奮を避ける
ためにも、飼育環境なども考慮して
見直していかなければならないことも
あります。

 

フィラリアの治療は薬剤による駆虫だけ
ではないということを心得て長い目で
付き合っていくことが大事になります。

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