犬の病気

犬の分離不安症の原因や症状と対処法やトレーニングなど!

社会性が高く、自然界では親犬、
兄弟犬など家族で群れを成して生活
する犬にとって、人に飼われた時点で
飼い主とその家族が群れの仲間と認識します。

 

犬社会での群れは行動を共にして助け合う
ことで危険から身を守り、群れ全体が
生き抜いて繁栄をもたらします。

 

犬は生まれながらにその習性を持つ
動物です。

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そのため、犬は飼い主に対して忠実、
言うこと(指示)を良く聞き、常に行動
を共にすることが自分が安心して
生きる(暮らせる)ことなのです。

 

これが人間の一番の良きパートナーと
言われるゆえんでもあります。

 

しかし、それがゆえに飼い主に対して
の依存度が過剰になりすぎてしまい、
また飼い主の犬に対する認識の甘さ
からの不適切な対応によってさまざまな
問題行動を起こしてしまう『分離不安症』
になることも多いのです。

 

こちらでは犬の分離不安症の原因や
症状、治療や対処法などについて
まとめてみましたので参考にしてください。

 

<犬の分離不安症の原因>

 

前述したように犬は群れで行動する
動物です。群れのリーダーがいて仲間
がいて、それらに従い行動を共にします。

 

そのため、一人(一匹)になってしまうと
どうしていいか分からなくなり、不安と
恐怖を覚えてしまうのです。

 

ですから、飼い主さんのお出かけなどの
際、一人ぼっちで置いていかれるのを
嫌がり、後追いしたり鳴いたりするのは
普通の行動です。

 

しかし、通常であればそれはその時だけ
で、5~10分も経てば落ち着き大人しくなります。

 

これが、飼い主が出かけてからどんどん
不安がエスカレートしてさまざまな
問題行動を起こすようになると病気
『分離不安症』と診断されます。

 

ですから、分離不安症とは『別離恐怖症』
とも言われ、字の如く、飼い主(家族)と
離れて一人ぼっちにされることで極度な不安
と恐怖
を覚え、
半分パニックのようになったり・・
恐怖によって落ち着きがなくなったり・・
何らかの転嫁行動を起こしたり・・
などの状態になってしまうことです。

 

家族の誰か一人が残っていれば分離不安症
になることはほとんどありませんが、
家族構成や家族一人ひとりと犬の関係性
にもよります。

 

しかし、すべての犬が分離不安症になる
わけではなく、元の性格もありますし、
日常的な飼い主さんの接し方なども
原因となります。

 

ですから他に犬がいる多頭飼育などでも
飼い主さんが出かけると分離不安症に
なってしまう子もいます。

 

個体差はありますが、分離不安症を
誘発する原因となるのは、以下のような
事柄が挙げられます。

『家族構成や生活パターンの変化』

・赤ちゃんが生まれ、関心がそちらに向く
・単身赴任などでパパが長期留守になる
・子供が自立して家から出て行く
・いつも家にいたママが仕事を始めた
・家族との死別

などなど。

 

『生活環境の変化』

・引越しで見知らぬ土地や家になった
・一時的に他へ預けられる(ペットホテルや知人宅など)

などなど。

 

『トラウマ・恐怖体験』

・1匹で留守番中の雷や暴風
・1匹で留守番中の地震
・来客や不審者などの気配や音
・近隣の騒音など大きな音
・ペットショップで長く売れ残っていたり

シェルターなどで過ごすなど愛情不足、
群れで生活できない
期間が長かった場合

などなど。

 

そしてこれら根本には、犬の飼い主への
依存、また飼い主の犬への依存もあり、
日常的な愛犬との過ごし方、接し方に
よって犬を分離不安症にさせてしまって
いるのです。

 

<犬の分離不安症の症状>

 

分離不安症の症状は個体差もありますが
主に、飼い主が出かけて一人になった
とき、もしくはそれを察したときに

*破壊行動(モノを壊す)
*鳴き続ける
*粗相(トイレ以外での排泄)

などを起こします。

 

そしてこれらは通常、飼い主さんが
出かけてから数分で始まり、特に
最初の30分の間に強く表れます。

 

逆に言えば、外出後一旦落ち着いて
寝たりしたあと数時間経ってから
何らかの行動を起こすのは退屈からの
イタズラだったり、トイレのしつけが
ちゃんとできていない場合などによる
問題行動であって分離不安症とは異なります。

 

留守中のことで判断が付かない場合は
今は見守りカメラなど留守中の様子が
スマホで観察もできますのでそれらを
活用して留守中の様子を確認してみると
分離不安症か分かります。

 

『破壊行動』

分離不安による破壊行動の対象は
さまざまですが、ドアや窓などを壊そう
とするのは、一人ぼっちの恐怖、その空間
から逃れ、なんとか家族に会うために外に
出ようとするためにその出口を壊そうとする行為です。

 

そしてそれが無理だと分かると、
今度は転嫁行動としてソファや椅子、
床や壁など手当たり次第に破壊していきます。

 

また、飼い主さんの匂いのついた
服やスリッパなどを対象とする場合も
あります。

 

『鳴き続ける』

飼い主さんが出かけてすぐに
鳴いたり、遠吠えをしたり高めの
大きな声で吠え続けます。

 

これは、飼い主さんに群れに戻るように
呼びかける行動です。
5分程度で治まるのであれば問題ない
と考えられますがその後も続くようなら
分離不安症による可能性が高いです。

 

『粗相』

トイレ以外の場所、飼い主さんのベッドや
リビングのカーペット、台所、玄関など
でのオシッコやウンチという粗相の場所
もさまざまですがこれも一種の転嫁行動です。

 

極度の不安から、所構わず排泄をして
しまいます。トイレにするとかそこは
してはいけない場所だとかの判断も
できる状況ではなくなるためだと考えられます。

 

その他、自分の四肢(手足)を真っ赤に
なるまで舐め続け、肢端舐性皮膚炎
起こすこともあります。
これは一種の強迫神経症と考えられ、
緊張や恐怖によって引き起こされる不安の表れです。

 

そしてこれらは基本的には一人にされて
から起こすことが多いのですが、実は
その前(飼い主が出かける前)にすでに
何らかの前兆が出ていることがほとんどです。

 

犬は常に飼い主さんの動向をチェック
しています。
ですから分離不安症の犬は、飼い主さんが
出かけるための
・化粧をする
・服を着替える
・荷物をまとめる
などの準備行動によって外出を察知した
時点で不安が高まり、ドキドキしたり
震えたり、落ち着かず、付きまといを
したりなどを起こしているのが普通です。

 

分離不安症もひどくなると、この前兆の
時点で粗相をするようになることもあります。

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<犬の分離不安症の治療>

 

犬の分離不安症の治療で行われるのは

*行動療法
*薬物療法

です。

特に行動療法が最も効果的で、状態に
よって補助的に薬物を併用するようになります。

 

犬の分離不安症は精神疾患ですが、
問題行動の一つと言う位置付けと
なっています。

 

行動療法は、心理療法の一種ですが、
人とは異なる犬の習性や生態などの行動学
や学習理論に基づいて犬に自立を促し、
飼い主さんが留守でも問題行動を起こさ
ないように改善させる治療法です。

この行動療法と共に薬物を併用する
ことで効果を高めることができますが、
メインは行動療法であり、薬物だけで
分離不安症の改善は見込めません。

 

薬物療法に使われる薬は主に
抗うつ剤や抗不安薬です。

犬の分離不安症の薬の種類や効果は?副作用や注意点など!

 

<犬の分離不安症の行動療法>

 

本格的な行動療法は、専門の獣医師
による指導が必要で日常的な生活の様子
や家族構成、自宅の環境、間取りなどなど
入念なカウンセリングのもと、治療計画
が経てられます。

 

まずは、身体的に病気などの異常が
ないかの検査から行われ、その後に
カウンセリング、場合によっては自宅
に出向いての環境チェックや指導が
必要になることもあります。

 

また、犬の状態によって薬物との併用が
必要かどうかの判断もあります。

 

今は行動療法に力を入れる動物病院も
多くなってきていますし、専門の獣医師
も増えてきていますので、まずはかかりつけ
病院に相談してみましょう。
専門医を紹介してもらえることもあります。

 

そして、分離不安症の程度にもよりますが
基本的には徹底して専門医の指導のもと
行動療法を行うことが改善への早道です
し望ましいです。

 

ただ、犬の分離不安症の多くは、
飼い主さんの犬への接し方に問題が
ある場合も多く、根本的なそれらを
徹底して対処することで改善も可能な
場合があります。

要は飼い主さんの心がけ次第とも
言えるのです。

 

<犬の分離不安症の対処法やトレーニング>

 

分離不安症の犬にはまず、飼い主さん
がいないという状況においての不安や
恐怖心を減らし、慣れさせることが
必要です。

 

一人ぼっちにさせられても怖いこと
はない。大丈夫、ちゃんと家族はここに
帰ってくるんだから。という安心感を与えることです。

 

そのためにはまず短時間から犬を一人
にする状況を頻繁に作り慣れさせていきます。

これが一番大事です。

 

『犬を一人の状況に慣れさせる訓練』

まずは家の中でも、犬を一人にする状況
を作り、犬を残してトイレや隣の部屋に
行ったりというのを最初は数秒~数十秒、
数分という風に少しずつ時間を伸ばしていきます。

 

自宅でこのようにして30分ほど問題行動を
起こさず過ごせるようになったら、今度は
家の外に出て同じように短時間からの外出
を慣らしていく感じです。

 

飼い主が自分のそばからいなくなっても
特に心配ない。ちゃんと帰ってくるし。と
覚えさせることです。

 

犬のそばから離れるときに特に何の
声かけもせず、ただ黙って静かに離れ、
また帰ってきたときも同様です。
(犬に関心を向けず無視するということです)

 

この一人でいることに慣れさせる訓練
と共に以下を行うと効果的です。

 

『訓練(外出)前に散歩や運動をさせる』

ある程度の運動をさせて満足感と
軽い疲労感を与えておくと比較的長い
時間”待て”ができる可能性があります。

 

『”待て”を覚えさせる』

普段の遊びやしつけの中でも『待て』
をさせることが大事です。
ちゃんと待てたらオヤツや賞賛で
いっぱい褒めて撫でてあげます。

 

『待て』の時間は短時間からはじめ少し
ずつ長く、さらに短いときや長いときと
ランダムに変えることが大事です。
大人しく待つことを覚えさせます。

 youtube shinji kawai

『鳴き出したら静かになるのを待つ』

犬のそばを離れてすぐに鳴きだしても
無視して鳴きやんでから3分程度経って
から戻るようにします。
(鳴く=帰ってくる)と覚えさせない
ことが大事です。

 

『出かけるときのルーティンを変える』

基本的に犬は飼い主の出かける準備
は察しています。
上着を着たり、車のカギを持ったり、
バッグを持ったりなど・・

これらに反応し分離不安になる
きっかけとなっているような場合、
それらは極力、犬に気付かれない
ように行うことが大事です。

犬に見えないところで事前に玄関の
外に準備しておくなど・・

 

『外出前にオヤツやおもちゃなどを与える』

犬がオヤツに夢中になっている間に
出かけるという方法ですが・・
事前に外出を察知されている場合には
あまり効果的ではありません。

また、(オヤツ=留守番)と条件付けられ
てしまうと逆効果になりますので状況に
応じて使い分けましょう。

 

『すべてにおいて飼い主が主導権を握る』

犬の要求行動に対して(遊んで、構って
などで吠えたり飛びついたりすること)
は、完全に無視する。

犬と遊んだり撫でたりするのを決める
のは飼い主であり、犬の要求でそれが
行われるという状況は避けましょう。

また、何かを求めるときには必ずその前
お座り待て伏せなどをさせ、
飼い主が出す命令に従わなければ
ならないことを覚えさせましょう。

youtube CanisPDT

<まとめ>

 

犬はただ自分の感情の赴くままに
可愛がればいいだけではありません。
家族として生活する上でその家庭の
ルールを教え、しつけも必要です。

 

また、人とは異なる動物種であり、
その習性も行動や思考も人とは異なります。

 

人はどうしても犬や猫などを飼って
家族の一員として愛情をかけると
擬人化してしまうところがあります
があくまでも犬は犬ですから、人と
生活する上で問題行動と捉えられる
行動に対しては毅然とした態度で接する
必要があります。

 

それは犬にとって冷たいとか・・
犬が悲しがるのではないか・・とか
思ってしまうかもしれませんが、
犬にとって一番大事なのは信頼できる
家族(群れ)の中で安心して生活ができることです。

 

ですから、その家庭にあった生活の中
で犬が不安を覚えることがないように
してあげるのが飼い主の愛情であり、
それが結果的に犬にとっても安心となります。

 

しかし、言い聞かせて分かるものでも
ありませんから、犬という生態に基づいた
行動療法はとても重要で分離不安症の他、
攻撃行動など問題行動において一番効果的
だとされる治療法なのです。

 

なんだかんだ言っても飼い主さんも
犬に依存していてつい甘やかして
行動療法のように毅然ととした態度が
取れない方も多いです。

 

しかし、分離不安症もエスカレート
してくると嘔吐や下痢、また家具などの
破壊行動の際に異物を食べてしまって
腸閉塞などを起こしたりと身体面にも
影響を及ぼしてくる場合もあります。

 

愛犬の健康な生活のためにも、
不安や恐怖を克服して楽しく元気で
長生きしてくれるよう、飼い主さんが
しっかりとしないといけませんよ!

 

分離不安症の克服、行動療法は
根気が必要ですし、時間もかかります。
しかし、正しい方法を適切に続けていけば
必ず効果は現れます。

 

犬は賢いんですから!
あとは治してあげよう!という
飼い主さんの強い気持ちと行動だけです!

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