骨や関節の病気

犬の股関節脱臼の原因や症状(痛みや歩き方)と治療について!

犬の股関節脱臼は、その名の通り
股関節部分(後ろ足の付け根)が
脱臼してしまう病気です。

 

太もも(大腿骨)の体側の骨の先(大腿骨頭)
は、丸いボールのような形になっていて、
それが骨盤側の寛骨臼(骨頭を覆うように
できたくぼみ部分)にはまっています。

 

この骨頭部分が骨盤の寛骨臼から
外れてしまった状態が股関節脱臼です。

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股関節脱臼は犬では比較的多い
整形外科疾患で、特に大型犬や超大型犬
などで好発する病気ですが、中型犬
や小型犬などでも見られます。

 

こちらでは、犬の股関節脱臼の原因や
症状、治療法などについてまとめて
みましたので参考にしてください。

 

<犬の股関節脱臼の原因>

 

犬の股関節脱臼の原因は、

*先天性の要因によるもの

*後天性の要因によるもの

に分けられます。

 

『先天性の場合』

先天性では、生まれつきの股関節
形成不全が関連していて、股関節脱臼
の原因のほとんどを占めます。

 

股関節形成不全はその70%が遺伝性
とされ、股関節のくぼみの寛骨臼の凹み
が浅く、大腿骨頭がうまくかみ合わず、
常に抜けそうになっている(亜脱臼)慢性的な疾患です。

 

これが完全に抜けてしまった状態が
股関節脱臼です。

 

生まれつきの股関節形成不全症は
早いと生後3ヶ月~1年未満に発症
することが多く、ゆえに脱臼も若齢で
起きる可能性があります。

 

そして、この生まれつきの股関節の
状態に加え、成長時期の栄養バランス
や筋肉量の問題が関係してくることで
さらに状態が悪化、脱臼を起こすことに
なります。

 

特に大型犬では、発育時の骨成長が
著しく、大腿骨の急速な成長に筋肉や靭帯
の発育が追いつかず、股関節に無理なカが
加わってしまい、骨の組織が変形するため
症状が進行してしまうのです。

 

また体重も重いため、股関節にも負担を
かけるため、小型犬などより大型犬での
発生が多いのです。

 

そして、大事な成長期にしっかりと栄養
バランスの取れた質の良いフードを与えて
いない場合や(特に大型犬では食事量が多い
ため質の悪い安いフードなどを与えてしまう
など)、また過剰な量を与えて太らせて
しまった場合などに起こりやすくなります。

 

逆に言えば、股関節形成不全があったと
してもしっかりと発育時に適切な栄養管理
ができていれば股関節形成不全症の発生を
減らすことができ、結果、脱臼を起こす
可能性も低くなると言うことです。
(もとの股関節の状態、程度にもよる)

 

米国の報告では大型犬の股関節形成不全症
は、重症、軽症合わせると約4頭に1頭
いう高い確率で発生しているとされています。

 

股関節形成不全を持った親犬から
生まれた子犬は高い確率で同じく形成不全
を持って生まれてきます。

 

そのため、股関節形成不全が
認められる犬は繁殖に使わないのが
基本ですが悪質または、全く基礎知識の
ない自称ブリーダーなどは、そのような
犬を交配に使うことがあり、その結果、
形成不全を持った犬が多く誕生してしまって
いるという現状もあるのです。

犬の股関節形成不全にサプリメントの効果は?オススメなど!

『後天性の場合』

後天性では、交通事故や高所からの
落下など外から強い衝撃、圧力が
加わった結果、大腿骨頭が股関節から
外れてしまうものです。

 

これは犬種や股関節形成不全に関係
なく起こりますが、ちょっとした軽い
衝撃程度で起きる場合にはやはり元から
形成不全がある場合が多いです。

 

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<犬の股関節脱臼の症状>

 

後天性の場合で、何らかの衝撃や
力が加わって股関節脱臼が起きると、
通常は激しい痛みを伴いますので
脱臼を起こした方の足は地面に付く
ことができず、上げた状態や引きずった
状態となります。

 

またその他、

*うずくまる
*震える
*ふらつき
*鳴き声を上げる
*足が内側(内股)または外側(がに股)になる

などが見られますが、時間の経過
と共に痛みに慣れてきたり、また
我慢強い犬の場合は、無理にでも
歩こうとすることがあります。
(ただし正常な歩行はできません)

 

そして、先天性の股関節形成不全が
ある場合でも完全に脱臼すると痛みや
上記の症状が見られるのが普通ですが、
形成不全ですでに亜脱臼(不完全脱臼)の
状態が長くあった場合には、痛みや違和感
にも慣れているため、急激な症状は
見られないこともあります。

 

脱臼を起こしていてもなんとか足を
付いて歩いていることもあり、症状は
さまざまです。

youtube kakko1013

段々と痛みに慣れて足を着くように
なってきた場合は治ってきたと勘違い
してしまう飼い主さんも多いですが、
完全に脱臼した股関節が自然に治ること
はなく、その状態で歩くと股関節の症状
を悪化させてしまいます。

 

また、完全脱臼ではなく形成不全に
よる亜脱臼でも似たような症状が
見られる場合もありますので診断には
検査が必要になります。

 

<検査と診断>

 

股関節が完全脱臼していれば
レントゲン検査だけですぐに分かります。


出展:http://www.meguro-ah.com/

ただ、形成不全による亜脱臼の状態
の場合、レントゲン検査だけでは
判断できない場合もあり、正確な診断
のためにはCTやMRIなどの検査が必要に
なる場合もあります。

 

<股関節脱臼の治療法>

 

状態によって治療法はいくつか
あります。

 

『外側からの整復(非観血的整復法)』

外側から力を加えて外れた大腿骨頭を
股関節の元の位置に戻し、テーピングで
固定(2~3週間)、安定させる方法です。

脱臼から2日以内で股関節の構造が
正常の場合に適応となります。

手術ではありませんが痛みを伴うため
全身麻酔が必要となります。

ただし、整復で戻せる脱臼はまた外れる
ことも多く、その後の管理(生活空間
や運動など)が非常に重要となります。

そして再発する場合には、基本的には
手術が推奨されます。

 

『手術による固定・整復』

外科手術によって、大腿骨頭を
元の位置に戻し(整復)、外れないように
固定(ピンや人工靭帯など)する方法です。

この方法であれば基本的に再発の
可能性は低くなります。

犬の股関節脱臼の整復(固定)手術の方法や費用と術後経過など!

 

『大腿骨頭切除』

こちらも外科手術になりますが、
股関節を元の状態に戻すものではなく、
外れた大腿骨と骨盤の接触による
痛みを取る目的で骨頭部分を切除
する方法です。

手術自体は整復・固定など他の手術に
比べると簡単です。

犬の股関節脱臼の骨頭切除!費用や手術後の経過について!

 

『人工股関節置換術』

 

股関節部分の骨の状態によっては
整復・固定や骨頭切除では予後が
不良と予測される場合、特に股関節に
負担のかかる大型犬の場合などに
人工の股関節を埋め込む方法です。

近年、少しずつ増えてきている手術法
ですが、人工股関節の手術が可能な
病院は少ない
です。

また、データも少ないため、長い目
で見たときの予後についてはまだ
検証が必要だとされています。

 

<まとめ>

 

犬の股関節脱臼はそのほとんどが
元から形成不全がある場合です。
そして多くの場合、形成不全は若齢
で発生しています。

 

状態にもよりますが、股関節形成不全は
定期的な健康診断で指摘されることも
ありますし、何となく歩き方が普通と
違うかな?と思った時点で早めに診察を
受け、愛犬の股関節の状態を把握しておく
ことで、悪化させないため、また完全脱臼
を予防するために色々と対処することも可能です。

犬の股関節脱臼の予防!室内環境や運動制限など注意すること!

また、特に大型犬などではそのような
病気を持っている可能性が高いという
ことを踏まえて常日頃から観察、また
食事管理を徹底することも重要です。

 

小型犬の場合でも近年はさまざまな
先天性の関節疾患などが増えています。
特に膝蓋骨脱臼などもある子では
股関節も緩い(弱い)ことも多いです
ので注意が必要です。

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