犬の膀胱炎はその原因にも
よりますが、比較的単純な細菌性
のものであれば抗菌薬の投与だけで
治療できます。
また、膀胱結石によるものなどは
療法食を与えることで治療も可能な
場合も多いです。(状態にもよる)
どちらかと言うと膀胱炎は重病の
イメージはないですし、あまり深刻に
捉えられない病気と言えます。
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しかし、状態によっては、点滴や
入院治療が必要になってしまう場合
もあります。
また、原因によっては深刻な
病態となり、命の危険が伴ってくる
こともある怖い病気なのです。
こちらでは犬の膀胱炎で、点滴や
入院などの治療が必要になる場合の
症状(体の状態)や原因などについて
まとめてみましたので参考にしてください。
<犬の膀胱炎で点滴が必要な状況>
通常、犬の膀胱炎では原因によって
*抗菌剤(抗生物質)の投与
*止血剤・抗炎症剤
*療法食(結石専用)
*手術(結石除去)
などの治療法が行われます。
ですから、手術になった場合の術中の
点滴を除けば、点滴が必要となる状況
というのは多くはありません。
ただし、特に結石が原因の場合、
*膀胱の中の結石が大量
*結石が尿道に詰まって閉塞を起こし
急性腎不全になっている
また、膀胱炎による体調不良により
*脱水症状を起こしている
などの場合には点滴が必要になり
基本的に入院となります。
(皮下点滴で対処できる状態であれば
通院も可能です。)
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『膀胱内に結石が大量の場合』
一般的に膀胱結石であれば、食事を
専用の療法食にすることで膀胱内で
結石(結晶)を溶かすことができます。
また、食事療法では溶かせない
大きさの結石などの場合には手術に
よって取り出す治療が行われます。
しかし、食事療法で結晶を溶かすには
10日~2週間程度の期間がかかります。
そのため、大量の結晶があり、
膀胱の炎症がひどい場合などは、
点滴によって多めの水分補給をして
オシッコをどんどん作って排泄させる
ことで尿石も一緒に排泄させる方法が
取られることがあります。
ただし尿石ができるのは尿phの問題
なので、膀胱内の結晶が出て行っても
またできてしまうため、その後、尿ph
をコントロールする療法食の治療は必要です。
普段からお水を良く飲む子などは
なるべく多めにお水を与えるようにし
通院による皮下点滴を行う場合もあり
ますが、できれば入院しての24時間点滴
を行った方が効果的です。
『急性腎不全の場合』
ある程度の大きさの結石ができてしまい、
それが膀胱から排泄されようとして尿道
に詰まって閉塞を起こしてしまうことが
あります。
この状態になると排尿しようとしても
オシッコの出が悪く、ポタポタッと
1滴ずつしか出なかったり、完全閉塞
になると全くオシッコが出せなくなります。
そうなると急性腎不全(尿毒症)を
起こして命に関わってきます。
この場合、救急の治療としてまずは
オシッコの閉塞を開放して尿を排泄
する処置を行い、さらに静脈からの
点滴を24時間体勢で行い体に溜まった
毒素を出してやる必要があります。
最低でも3日~の点滴治療が必要に
なり入院となります。
(それでも場合によっては助からない
こともあります)
『脱水症状を起こしている』
膀胱炎の程度にもよりますが、
腹痛や違和感などから、元気食欲
がなくなってしまう場合もあります。
特に高齢の場合や膀胱炎の症状が
長期に渡る場合などはストレスに
なりやすく、それによって胃腸炎など
を起こすこともあり、その状態が続く
と脱水してしまうことがあります。
この場合にも水分補正が必要になり、
また膀胱炎の治療のためにも積極的
な水分摂取が推奨されますので点滴
が必要になることがあります。
<まとめ>
状態にもよりますが、膀胱炎の症状を
早く治すためには細菌性でも結石による
ものでも、とにかく、どんどん尿を出して
膀胱内の細菌や結晶を排泄することが大事です。
もちろん、抗生物質や療法食などで
症状は軽減されていきますが、お薬の
効果は細菌の種類によっても異なり
ますし、療法食も効果が出るまでには
時間がかかります。
犬の膀胱炎の薬!種類(抗生物質など)や投与期間と副作用など!
ですから、自宅でもなるべくお水を
多く飲ませるようにするといいのです
が、飲みなさい!といって飲むものでも
ないですので難しいですよね。。
そんな時には最初の2~3日でも点滴
や皮下点滴を行うと効果的ですが、
犬のストレスや費用面もありますので
通常の膀胱炎では点滴が推奨される
ことはほとんどありません。
ただ、膀胱炎の症状は人でもそうですが
犬にとってもなかなか辛いです。
特に状態が悪化している場合などは
真っ赤な血尿を垂れ流しのような状態
になってしまうこともあります。
早く症状を軽減させてあげたいとき
などは点滴についても相談してみると
いいかもしれません。