犬に下痢や嘔吐などの症状が
ある場合、なんらかの原因によって
胃炎や腸炎を起こしている状態と
言えます。
胃腸炎の原因もさまざまですし、
治療ですぐに良くなる場合も
あれば長引いたり、繰り返したり
慢性化したりする場合もあります。
嘔吐だけの場合もあれば下痢だけ、
または両方、さらに他の症状
(食欲不振、よだれ、ふるえなど)
もある場合などその症状は原因に
よっても色々です。
スポンサーリンク
一番厄介なのが、
*ストレス性のもの
*炎症性腸疾患
などはっきりした原因の特定が
難しい場合や原因の根本治療が
難しいものなどです。
そしてこの厄介なのが犬では非常に
多いのですが。。
胃腸炎では、原因治療と症状ごとの
対処療法による治療が行われますが
通常は内服薬、療法食など自宅で、
場合によって注射などの通院・・と
いう治療となることがほとんどです。
ただし、状態によっては、
点滴などの入院治療が必要になること
もあります。
こちらでは、犬の胃腸炎で
点滴や入院が必要な場合(症状)や
治療についてまとめてみましたので
参考にしてください。
<点滴が必要な場合>
原因にもよりますが、点滴が必要
になる状態は胃腸炎としては重症
と言えます。
点滴の目的は基本的に体内の
水分補正や栄養補給です。
ですから胃腸炎の状態のときで言えば
*頻繁な嘔吐(飲んでも吐く)
*激しい水下痢
*脱水
*絶食、絶水が必要な場合
*子犬や老犬
*急性胃腸炎
などです。
飲んでも食べても吐くような場合や
水下痢がひどく体内の水分が出て
いってしまう状態が続くと脱水を
起こします。
またそのような状態のときには、
1~2日ほどの絶食、絶水が必要に
なることも多いです。
このような場合には、数日間は
点滴によって水分と栄養補給をする
必要があります。
他の基礎疾患などなく、若い健康
な犬であれば、多少の胃腸炎症状が
続く程度であれば点滴など必要ない
ことも多いですが、子犬や老犬など
体力がない場合には、数日でも負担は
大きくなるため早めの対処が必要になります。
基本的に入院しての点滴治療の
場合、前足の静脈に留置針を固定し
機械(輸液ポンプ)を使っての24時間
点滴となります。
状態が落ち着くまで2~3日から
長いと5~6日かかる場合もあります。
(原因にもよります)
ただ、症状がそこまでひどくなく、
脱水気味・・食べないから心配・・
などと言う場合には、通院による
皮下補液(皮下点滴)を行う場合もあります。
スポンサーリンク
<入院が必要な場合>
基本的に静脈からの点滴が必要な
場合には入院になります。
また、入院しての検査が必要な
場合(消化管バリウム造影、内視鏡
など)にも入院となります。
原因にもよりますが、単純な
胃腸炎ではなく、
*誤飲
*腸閉塞
*中毒
*胃捻転
などが疑われる場合には精密な
検査が必要になりますし、結果に
よってはそのまま手術・・などと
いうこともあるため、入院しての
検査~治療という流れになります。
その他、飼い主さんがお家では心配
だったり、日中留守でケアができない
などの場合にも、少し状態が落ち着く
まで入院ということもあります。
<治療法>
入院しての治療は、原因にもよりますが
お薬などは基本的に注射や点滴で入れる
ようになります。
薬剤などは原因や症状に応じてと
なりますが、
*吐き気止め
*下痢止め
*炎症止め
*止血剤
*痛み止め
*抗生物質
*抗ウイルス剤
*療法食
などの組み合わせで治療を行います。
点滴の必要性がなくなれば退院、
状況に応じて自宅で投薬などを
続けるようになります。
入院によるストレスなどは個体差
もあるため、一概には言えませんが
そこまで神経質なワンちゃんで
なければ、入院して点滴で水分補正、
注射などを行った方が早く治ること
が多いです。
胃腸炎ではお薬も飲めない(飲んで
も吐く)状態のことも多いため、
注射薬で効かせる方が効果的ですし、
脱水を補正することで体力の回復も
早くなります。
ただ、入院はほとんどの場合、
どうしてもワンちゃんのストレス
にはなりますので、絶対的に入院
治療が必要ではない場合には、病状
に応じて良く相談することが大事ですね。