犬には比較的多い皮膚病で
約30%の犬が発症するとされる
のがアカラス(毛包虫症)です。
症状から全身性、局所性に
分けられ、また発症年齢から
若年性、成年性に区別されています。
特に全身性、成年性のアカラスは
完治が難しく長期の治療が必要に
なります。
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原因は、毛包虫(ニキビダニ)の
増殖によるものですが、寄生虫
の一種です。
寄生虫やダニと聞けば・・
人にもうつるの?他の犬にもうつる?
と不安になりますよね・・
そこでこちらでは、犬のアカラス
の他への感染の可能性や注意点
などをまとめてみましたので
参考にしてください。
<毛包虫(ニキビダニ)とは?>
ニキビダニは『デモデクス』とも
呼ばれ、哺乳類の皮膚の分泌腺
に寄生するダニで芋虫のような
形をしています。
(肉眼では見ることができない
体長0,2~0,3mm、幅0,05mmの
小さなダニです)
出展:http://karapaia.com/
毛包の中で、卵~幼ダニ~若ダニ~
親ダニという生活サイクルで
寄生しています。
犬の他、人にも寄生していますし、
牛や豚などすべての哺乳類に寄生
しているとされています。
ただし、宿主特異性があるため、
その動物ごとに固定された種
(ニキビダニ)が寄生します。
その種類は5,000種にも及ぶと
されています。
そして、ニキビダニは健康な人
や犬にも少量は寄生しているダニ
です。
生まれたばかりの子犬や子供には
寄生していませんが、親から感染
しますので寄生率は100%とも
言われます。
人では特に顔の皮脂腺に多く
寄生していて『顔ダニ』とも
呼ばれています。
通常は、ニキビダニは余分な
皮脂や皮質などを食べてくれたり
と、必要な存在でもあり、宿主
と共生をしていますので、寄生
していても無症状です。
しかし、さまざまな原因、要因に
よって、その共生関係が崩れると
ニキビダニは過剰に増殖しさまざま
な症状を引き起こします。
これがアカラス(毛包虫症)です。
人の場合には、このニキビダニの
増殖が原因となって顔に大量の
ニキビができることもあります。
(そのためニキビダニと呼ばれる)
犬の場合は、全身や局所的に
ブツブツや赤み、脱毛などが
起きます。
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<ニキビダニはうつる?>
ニキビダニは『1種対1種』という
種特異性があります。
人には人のニキビダニ、
犬には犬のニキビダニ、
牛には牛のニキビダニ、
ということです。
そのため、犬のアカラス症が
人はもちろん他種の動物にうつる
ことはありません。
だったら犬にはうつるんじゃ?
と思ってしまいますが・・
前述したようにニキビダニは
もともと健康な犬にも常在する
寄生虫です。
このニキビダニが増殖して
アカラスを発症するのはその犬
の体の問題であって、そのアカラス
が他の犬にうつることはありません。
また、ニキビダニは寄生したら
その毛包内で一生を過ごすとされて
います。
ですから、同居していても濃密
な接触があったとしても基本的に
うつる可能性はありません。
<注意点など>
犬から犬へ、アカラスがうつること
はありませんが、どんな犬でも
アカラスを発症する可能性はあります。
また、アカラス発症にはさまざまな
要因が挙げられますが、遺伝的素因
も要因の一つです。
ですから、親子や兄弟犬などが
アカラスの場合には発症リスクも
も高くなると考えられますので
注意して観察することが大事です。
また、好発犬種として、パグや
シーズー、チャイニーズシャーペイ
などが挙げられています。
これらの犬種の場合にも注意して
おくといいですね。
その他、アカラスは他の皮膚疾患
との併発も多いです。
ですから、食物アレルギーや
アトピーなどの皮膚疾患がある
場合、また皮膚病の治療などで
ステロイドなど免疫抑制のお薬を
使っている場合などはアカラス
発症のリスクも高くなりますので
注意が必要です。
その他、内分泌疾患(クッシング
や甲状腺機能低下症など)がある
場合も同様です。