犬の厄介な皮膚疾患の一つ、
アカラス(ニキビダニ症)は、
長期の治療が必要になることが
ほとんどで完治の難しい皮膚病です。
それには、アカラス発症の
起因となるニキビダニ増殖の
要因が複雑、さまざまなことが
挙げられ、問題はアカラスだけ
ではないことが多いためです。
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アカラスの治療自体は基本的に
殺ダニ(ニキビダニの退治)と、
皮膚症状(炎症や痒みなど)に
対する治療となります。
こちらでは、犬のアカラスの
治療に使われるお薬や薬浴、
シャンプーなどについてまとめて
みましたので参考にしてください。
<殺ダニ剤について>
犬にアカラスに使用される
殺ダニ剤で主なものは、
*ドラメクチン(デクトマックス)
・注射
*イベルメクチン(イベルメック)
・注射や内服薬
*アミトラズ(農薬)
・薬浴など外用
などです。
また、新しいお薬として
*フルララネル(ブラベクト錠)
も使われるようになっています。
アカラスの症状・状態にも
よりますが、一番効果的とされる
のは、ドラメクチンの注射です。
(週1回の注射を数週~10週程度)
ドラメクチンもイベルメクチンも
フィラリアやノミ・ダニの予防薬
として一般的に使用されている
成分で、投与法や副作用などは
基本的にどちらも同様のものです。
ただ、ドラメクチンの方が作用時間
がイベルメクチンより長いこと、
また注射時の刺激(痛み)が少ないという
こともあり、注射ではドラメクチン
が使われることが多いです。
イベルメクチンは、アカラスでは
経口投与(内服薬)として処方される
ことが多いです。
ただし、イベルメクチンの内服は、
アカラスの治療のためには通常の
フィラリア予防の投与量の数十倍
もの量を服用しなければならず、
また薬剤も高額なため、長期治療
になる場合にはなかなか続けるの
は大変とも言われています。
また、イベルメクチンの内服薬
だけでは効果があまりということ
も多く、また投与量を増やすと
嘔吐などの副作用も起こりやすく
なります。
そのため、ドラメクチンの注射、
その後、維持治療でイベルメクチン
の内服といった治療が多いようです。
*ただし、これらの殺ダニ剤は
フィラリアに感染している犬、
また犬種によっては重篤な副作用
を起こす可能性があるため使用
できません。(勝手な判断での投薬
は禁忌です。)
その他、皮膚の二次的な細菌感染
(膿皮症など)の治療や管理には、
抗生物質の投与が必要になります。
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<薬浴・シャンプーなど>
また、殺ダニ剤(アミトラズ)を
使った薬浴で皮膚表面からの殺虫
も効果的です。
ただし、殺ダニ剤を毛包内に
行き渡らせるためには毛穴の
詰まり(汚れ)をキレイに除去して
から行う必要があります。
アカラスでは、フケやカサブタ
などで毛穴が塞がっている状態、
また膿皮症を併発することも
多く、皮脂でベタベタしている
ため、まずはこれらを洗浄する
ためには薬用シャンプーです。
膿皮症で多く使われる
クロルヘキシジンや、
硫黄とサリチル酸を配合した
シャンプーで皮膚を洗浄し、
その後、殺ダニ剤での薬浴という
のが効果的です。
『薬浴の注意点』
アミトラズは、ノミ取り首輪
などにも使われている殺虫剤です
が農薬として使われる劇薬扱いの
薬剤です。
基本的に経皮(皮膚から)吸収は
されず、害にはなりませんが、
舐めたりして経口摂取してしまうと
中毒症状が出る可能性があります。
*異常興奮
*元気消失
*ふるえ・けいれん
*体温低下
など。
ですから、薬浴中、またその後、
被毛が乾くまでは舐めさせない
ように注意が必要です。
(エリザベスカラーも必要)
そのため、自宅で行うのは
オススメできませんので、
できれば動物病院でお願いする
ようにしましょう。
薬用シャンプーは自宅でも可能
ですので自宅でシャンプーをした
後(もしくは翌日)に病院で薬浴
をしてもらうのもいいと思いますよ。
アカラスの薬浴やシャンプー療法
については病院によっても異なり
ますので、色々と聞いてみてくださいね。
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