犬のアカラスは『毛包虫症』や
『ニキビダニ症』とも呼ばれる
皮膚疾患で、皮膚の毛穴(毛包)に
住むダニが異常に増殖することに
よって発症します。
皮膚にブツブツ、炎症を起こし、
脱毛などの症状が見られ、重症化
すると炎症は強くなり、皮膚はただれ
痒みや痛みも出てきます。
放置すると気管支肺炎や肺血症で
死に至ることもあります。
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また、治療には時間がかかり、
難治性の皮膚病の一つです。
犬の疾病として皮膚疾患は最も
多く、皮膚病にもさまざまなもの
があります。
そして犬の皮膚病はその原因を
突き止めるのも治療も難しいもの
が多く、長期的な治療が必要に
なるケースがほとんどです。
アカラス(毛包虫症)もその一つです。
こちらでは犬のアカラスの検査や
治療法などについてまとめてみました。
<アカラスの検査法>
アカラスの検査は、毛穴のニキビダニ
を見つけるために行われます。
病変部の毛を抜き取って根元部分を
顕微鏡で見るとニキビダニ
(0,2~0,3mm)が確認できます。
出展:http://www.aino-hospital.com/
検査自体は簡単なものですが、
アカラスの発症から時間が経って
いる場合や、まるっきり毛がなく
なっている場合、炎症が激しい場合
などは、ニキビダニの確認が難しく
なっている場合もあります。
その場合には、毛穴を絞り出す
ような感じで血が出るくらいまで
皮膚の表面を削って調べることもあります。
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<アカラスの治療法>
治療の基本はニキビダニの駆除と
皮膚症状の治療です。
駆虫薬(殺ダニ剤)の注射や投薬を
定期的に行い(卵には効かないため、
複数回の駆虫が必要)、抗生物質の
投与で皮膚の炎症の治療を行います。
また、殺ダニ剤での薬浴などを
行うこともあります。
局所性のもので経過が良い場合には
2週間程度で症状の改善が見られ、
1~2ヶ月程度で毛が生えてきて
すっかりキレイになり、治療が終了と
なることもあります。
ただ、全身性の場合、重症化している
場合、高齢の場合などは長期間かかり
治療が困難な場合も多いです。
また、アカラスでは、他の皮膚疾患
(アトピーや膿皮症など)と併発して
いることも多く、その場合には
さらに治療は難しく、時間がかかります。
<再発や完治について>
アカラスはニキビダニの異常な
増殖によるものですが、この原因
には、免疫力の低下、他の基礎疾患、
遺伝的素因、ストレス、栄養状態
などさまざまな要因が関わっています。
ですから、アカラスはニキビダニ
による皮膚疾患ですが、発症する
のはそのワンちゃんの体の問題
ということなのです。
(ニキビダニは健康な犬にも寄生
しています。)
そのため、一旦はニキビダニを駆除
して症状が改善しても、何度でも
再発してしまう可能性が大いにある
病気なのです。(再発した場合はさらに
治療に時間がかかることが多いです。)
年齢や他の基礎疾患、体質など
にもよりますが、一旦治っても
注意深く観察する必要があります。
そして、他の疾患など全身の状態
を常にチェックしていく必要も
あります。
また、再発を繰り返す場合には、
予防的に治療(投薬や薬用シャンプー)
を継続することが多いです。
ですから、アカラスは、寛解
(症状が治まった状態)することは
あっても、完治と言うのは難しく、
アトピーなどと同様に一生
付き合っていく病気だと言えます。