生殖器の病気

犬の子宮蓄膿症の内科的治療の方法、経過や予後について!

犬の子宮蓄膿症の完治の
ためには、子宮を手術によって
切除するのが基本であり鉄則です。

 

この治療の基本は、昔から現在に
至るまで変わっていません。

 

ただし、何らかの原因ですぐに
手術が行えない場合、手術を何とか
回避したい場合などに内科的治療
が行われることもあります。

スポンサーリンク


近年は新しい薬剤の開発もあり、
手術を行わずに子宮蓄膿症を
治療することができるように
なりました。
(ただし、治療がうまくいかない
場合もあります。)

 

こちらでは、子宮蓄膿症の
内科的治療の方法や薬剤、効果や
予後についてまとめてみました。

 

<子宮蓄膿症の内科的治療とは>

 

子宮蓄膿症は、手術では全身麻酔
をかけ、お腹を開いて膿の貯留した
子宮ごと取り出します。

 

内科的治療の場合、手術を行わず、
子宮はそのままお腹の中に残した
状態で、子宮内の膿を膣(陰部)より
排膿させ、病気の子宮を正常な
状態に戻すための治療になります。

 

これをお薬(注射・内服)だけで
行うものです。

 

使われる薬剤は、

*抗生物質

*子宮収縮剤(プロスタグランジン)

*黄体ホルモンの働きを抑制(アグレプリストン)

となります。
(ただし、状態によっては、
プロスタグランジンは使用しない
場合も)

 

【抗生物質】

抗生物質は、細菌をやっつける
ために、手術のときにももちろん
使われますが、子宮蓄膿症の場合
一般的な抗生物質よりも強め
のタイプが使われることが多いです。

 

【子宮収縮剤】

子宮収縮剤は人のお産のときなど
陣痛の誘発、促進のために使われ
ているお薬です。

 

犬の子宮蓄膿症では、
子宮平滑筋を収縮させることに
よって、中の膿を排膿させ、黄体
を退行、子宮内環境を変化させ、
細菌の増殖を抑制させるという
過程を目的として使われます。

 

この子宮収縮剤による内科治療
は、以前からありましたが、あまり
治療効果が期待できず・・また
副作用の心配もといったことも
あり、ほとんど行われていない
ようです。

 

【黄体ホルモンの働きを抑制】

近年、新しく出たお薬で、欧米で
承認を受け使用されているのが
ビルバック社の『Alizin(アリジン)』
です。(日本では未発売のため輸入品)

 

黄体ホルモンレセプター拮抗薬
黄体ホルモンの作用を一時的に
抑制するお薬です。
(注射薬)

 

子宮蓄膿症は犬の発情(生理)後
に約2ヶ月続く黄体期に起こること
がほとんどです。

 

黄体期では、発情期に精子を
受け入れるために開いていた
子宮頚管が閉ざされます。
そのため、子宮内部は細菌が繁殖
しやすい状態となります。

 

そして通常であれば、子宮内に
入り込んだ細菌は白血球によって
処理され、無菌状態になるのですが、
中~高齢になったり、黄体期の
影響などで免疫が落ちてくると
子宮の奥に入り込んだ細菌を処理
しきれなくなります。

 

それによって、子宮内膜炎~
子宮蓄膿症を発症してしまいます。

 

Alizin(アリジン)は、子宮内の環境
を黄体期から脱し、細菌の増殖を
抑制、黄体ホルモンによって閉ざ
されていた子宮頚管を弛緩させ、
排膿を促すことのできるお薬です。

 

また、Alizin(アリジン)は副作用
の心配も少なく安全性が高い
とされています。

 

スポンサーリンク


<内科的治療の経過や予後>

 

薬剤の投与は状態によって
さまざまです。

 

一般的には、子宮収縮剤と
黄体ホルモン抑制剤を併用する
ことでより効果的だとされています。

 

Alizin(アリジン)の単独投与で
約80%、子宮収縮剤など他の
ホルモン剤との併用で約90%
効果があるとされています。

 

ただし、閉鎖型の場合には、
子宮収縮剤を使うとお腹の中で
子宮が破裂する危険性がある
ため、使用できないとされています。

 

ですから、閉鎖型の場合には、
抗生物質とAlizin(アリジン)のみ
の使用になることが多いです。

犬の子宮蓄膿症!開放型と閉鎖型の症状や危険性の違いとは?

 

通常、Alizin(アリジン)は
最初の2日連続投与(皮下注射)、
その後、状態によって1週間後
に追加投与になることもあります。

 

順調に行けば投与後、1~2日で
陰部からの排膿の増加が見られ、
10日~2週間程度で子宮内の
膿の貯留が消失します。

 

また、全身状態によっては、
点滴などを行いながらの入院
治療になる場合もあります。

 

Alizin(アリジン)の登場によって
これまで内科的治療はほとんど
行われていなかった子宮蓄膿症
に対しても手術以外の選択肢が
増えました。

 

ただし、子宮蓄膿症の内科治療は
あくまでも一時しのぎの治療
されています。

 

次回、またその後の発情後に
同じように再発する可能性も高く、
特に高齢になれば、発情期は関係
なく、子宮蓄膿症を起こすこと
も多くなります。

 

ですから、子宮卵巣が残っている
限り、発情期のたびに子宮蓄膿症
が起きる可能性があります。

また乳がんのリスクも上がります。

犬の乳がんの手術費用や術後の経過、予後について!

 

何らかの理由で内科治療を行った
としても次の再発時、またいずれは
手術による子宮卵巣摘出を行うこと
が推奨されますし、獣医師からも
そのような説明があると思います。
(ただし、年齢や基礎疾患などに
よって全身麻酔や手術のリスクの方
が高い場合は別です。)

スポンサーリンク


関連記事

  1. 犬の想像妊娠!偽妊娠の原因や症状(行動や期間)と対処法など!
  2. 犬の子宮蓄膿症!末期の症状や体の状態、治療について!
  3. 犬の子宮蓄膿症!開放型と閉鎖型の症状や危険性の違いとは?
  4. 犬の子宮蓄膿症の検査(レントゲンやエコーなど)や費用は?
  5. 犬の子宮蓄膿症の手術費用や入院期間、術後管理や予後など!

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

内分泌疾患

寄生虫について

犬種

検査や手術など

泌尿器の病気

口臭について

犬のニュース・エンタメ

皮膚の病気

犬のニュース・エンタメなど

アトピー・アレルギーなど

薬やサプリなど

症状から見る犬の病気

動物病院について

癌・腫瘍

歯周病

消化器の病気

生殖器の病気

避妊・去勢手術について

PAGE TOP