犬の乳がんでは治療で根治が
望めない場合には、徐々に
進行していきやがて末期を
迎えます。
飼い主さんにとってはとても
辛く、しかし向き合わなければ
いけないことです。
だんだん弱っていく愛犬に
何かしてあげられないか・・
何をすればいいのか・・
体はどんな状態なのか・・
痛みや苦しみは・・?
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こちらでは犬の乳がんの末期
の症状や体の状態、延命や緩和
のための治療、自宅でできる
ケア、そして余命などについてまとめてみました。
<犬の乳がんの末期の症状>
乳がんの末期は、いわゆる
ステージⅣと言われる段階で
乳癌の大きさや数に関わらず、
所属リンパ節に転移+遠隔転移
(他の臓器への転移)が見られる
状態です。
そして乳腺の癌は、それまでの
手術の有無や進行状況によっても
状態はさまざまですが、切除できて
いない場合は、大きくなり自壊
(じかい)していることがほとんどです。
犬の癌が自壊(破裂)!痛みや出血,膿など症状や対処法まとめ!
そして、ほとんどの場合、肺への
転移が見られ、肺がんの症状も末期
になってくると胸に水が溜まって
(胸水貯留)くるため、激しい咳や
嘔吐、また呼吸困難の症状が見られ
るようになります。
そして、乳がん末期では、他の
さまざまな臓器への転移など
全身に癌が広がっていることから、
*貧血
*下痢や嘔吐
*食欲減退
*黄疸
*浮腫(むくみ)
*動かない(動けない)
*咳や呼吸が荒くなる(肺がん)
*栄養失調(がん悪液質による)
*自壊した腫瘍の痛みや腐敗臭
などが見られます。
<乳がん末期の治療>
どこまで延命治療を続けるかに
もよりますが、あきらめずに
治療を継続する場合には、
抗がん剤や免疫療法などが
行われます。
ただし、全身状態によっては
積極的な治療は行えない場合も
あります。
延命を行わない場合、また積極的
治療が行えない状態の場合は、
最低限、苦痛を軽減させてあげる
ための対処療法が行われます。
体の状態にもよりますが、
*乳がんの自壊があればその治療
*胸水貯留があれば胸水を抜いたり、
利尿剤の投与など
*痛みの緩和のための鎮痛剤の
投与や注射
*呼吸困難があれば酸素吸入
*皮下輸液や栄養剤の投与
など、そのときの症状に応じた
治療が行なわれます。
これらは緩和のための治療で
あって延命治療とは違いますが
結果、これらが多少は延命にも
つながるとは言えます。
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<乳がん末期の自宅でのケア>
そのときの状態にもよりますが、
基本的な考え方としては、
極力ストレスを与えないように
楽に過ごさせてあげるためのケア
を行うことがメインになります。
そのためには、
*痛みを緩和
(病院から処方される鎮痛剤や
抗生物質の投与)
*温度管理
(体温調節ができなくなるため
低体温になったり逆に高熱に
なることも、室温は少し高めで)
*自壊創の消毒など
(腫瘍が自壊している場合は毎日
の消毒が必要)
*強制給餌
(これは場合にもよりますが、
食欲があるようならなるべく
食べさせるようにしましょう)
その他、症状によって自宅でも
できる治療やケアを獣医師に
教えてもらいましょう。
また、どの程度の延命を行うかに
よって治療法も変わってきます。
そしてそれは飼い主さんが決める
ことです。
しっかりと気持ちと要望を伝えて
それに合った治療をお願いしましょう。
<乳がん末期の余命について>
犬の年齢や転移の状態にもよります
が、末期で治療を行っても全身状態
の改善が見込めない場合には、
早ければ数週間~長くても3ヶ月程度
と宣告されると思います。
ただし、それまでの治療の経過や
延命のための積極的な治療を行う
場合にはまた変わってきます。
薬剤の効果や反応はさまざま
ですし、また個体差もあります。
そして、その子が持つ生命力も
関係してきます。
ですから、余命というのは、
あくまでも一般的なデータの平均
からみて予測するものであって、
実際の数値は下と上では大幅な
開きがあるものですし、治療実績
もさまざまです。
飼い主さんにとっては愛犬の最期
を想像しなければならず、そこに
向き合うのは相当の辛さがある
と思います。
しかし、残された時間をその長さ
で測るのではなく、いかに苦痛を
少なく過ごさせてあげるか・・
喜ぶことをしてあげられるか・・
幸せに暮らさせてあげるか・・
それが一番大事なことではないでしょうか。。