検査や手術など

犬の全身麻酔のリスク!体の負担や副作用,後遺症や死亡率など!

愛犬の手術を受けなければ
いけない・・
全身麻酔・・って聞くと
とても不安で心配ですよね。

 

手術の内容にもよりますが、
基本的に危険、リスクを伴う
のは手術ではなく全身麻酔です。

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また、手術でなくとも犬や猫の
場合には歯石取り(抜歯)などの
処置や検査(CTやMRI)、治療
(放射線療法)などでも全身麻酔が
必要になります。

 

人間であれば無麻酔や局所麻酔で
行えることでも動物の場合は
全身麻酔となってしまうのです。

 

そこで怖いのが麻酔なのです。
手術の大小、病気の状態では
なく、全身麻酔にはすべて
リスクが伴います。

 

こちらでは犬の全身麻酔について
その方法や体への負担、リスク
を最小限に抑えるための対策、
また起こりうる副作用や後遺症、
死亡率などについてまとめてみま
したので参考にしてください。

 

<局所麻酔と全身麻酔>

 

局所麻酔は、麻酔を効かせたい部位
の周りに数ヶ所注射で麻酔薬を打ち
神経の伝達を伝わらなくさせます。

 

意識はしっかりとしています
ので危険性は少なく、体への
負担もあまりありません。

 

ちょっとした処置など大人しく、
体を押さえることができるような
ワンちゃんの場合に使用される
ことはありますが、多くはありません。

 

全身麻酔は、脳に麻酔をかける
ことで、体全体の感覚を無くす
ものです。

 

全身麻酔の方法は、行う手術や
治療、処置、またかかる時間に
よっても変わります。

 

また、犬種や年齢によっても
変わります。

 

通常、お腹を開くような手術や
時間のかかる手術の場合は、
吸入麻酔が使われます。

 

静脈からの注射麻酔で入眠させ、
その後の麻酔の維持として吸入麻酔
が使われます。

 

<麻酔前の検査>

 

麻酔前にはまず麻酔がかけられる
状態か?麻酔からちゃんと覚醒
できるか?のための検査が行われます。

 

若い健康な子であれば血液検査
のみですが、高齢の場合や他に
なんらかの症状がある場合には
レントゲンや超音波検査、心電図
などの検査が必要になることもあります。

 

血液検査では、
赤血球・白血球・血小板などと
肝臓や腎臓の機能を調べます。

 

体に入った麻酔薬を解毒させる
働きをするのは肝臓です。

また、麻酔薬を体外に排泄するのは
腎臓です。

 

ですから肝臓、腎臓の機能が
しっかりしていないと麻酔を
かけることはできません。

 

<麻酔が体に与える負担>

 

麻酔薬が体に入ると肝臓は解毒
するためにフル稼働を始めます。

 

そのため、もともと肝臓の悪い子
や高齢犬などで肝臓の機能が衰えて
いる子などは麻酔後に肝臓の状態
が悪化し、急性肝炎を起こすことがあります。

 

また、腎臓の機能が低下している
状態で麻酔をかけると麻酔薬の
排泄がスムーズに行えず、体内に
長く残ってしまう可能性があります。

 

麻酔中の点滴は、麻酔薬の
解毒作用を手伝う役目もあるのです。

 

その他、心臓の悪い子や何らかの
基礎疾患があるような子も麻酔後
に何らかの悪影響が出ることがあります。

 

このようなリスクを最小限に
抑えるためにも麻酔前にしっかり
と検査を行うことが大事になります。

 

また、緊急時にすぐに対応できる
ように麻酔中は各モニター

・心電図
・血圧
・呼吸
・血液中の酸素濃度

などを装着し測定を行います。

 

そして点滴で静脈確保をしている
ので何か異変があったときには
すぐに薬剤の投与もできるよう
万全の体制が取られています。

 

しかし、それでも麻酔のリスクは
ゼロにすることはできません。
100%安全な麻酔というものは
ありません。
これは人間でも同じです。

 

また、若い健康な子であれば、
体に予備機能が備わっているため、
ある程度の副作用が起きても
耐えることができます。

 

しかし高齢犬や体力、免疫力の
落ちている犬の場合、予備機能が
低下しているため、何か起きた時
には、それだけリスクも高くなります。

 

また、犬種によって短頭種
(ブルドッグやパグなど)の犬
麻酔のリスクが高いです。
肥満傾向の犬も同様です。
(気管が狭く呼吸管理が難しいため)

 

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<麻酔の副作用、後遺症、死亡率など>

 

麻酔薬にもさまざまな種類が
あります。
また犬の体質にも個体差があります。

 

お薬ですから、合う合わないも
当然あります。

 

ですから、血圧低下心拍低下
呼吸障害などの副作用が出る
場合もありますし、急性の
アナフィラキシーショック
などが起こる可能性もあります。

 

基本的にはそれらにも対応
できるように薬剤なども準備
してありますので状態を
落ち着かせながら麻酔を継続
することが可能な場合もあります。

 

ただしアナフィラキシーショック
の場合には即座に麻酔を切って
ショック状態に対する集中治療
が必要になります。

 

また、術後の後遺症として、
急性腎不全急性肝炎が起こる
ことがあります。

 

ただし、これらは術中に点滴を
行うことで高い確率で防ぐことが
できますし、高齢などでリスクの
高い子は、術後にも点滴を続ける
ことで回避できます。

 

また集中治療を行えば
時間はかかりますが回復は可能
なことが多いです。

 

その他、まれに脳に異常が
起きて、神経障害が出ることも
あります。

 

この場合、時間が経てば少し
ずつ元に戻ってくる場合と残念
ながら回復せずに亡くなってしまう
場合があります。

 

以下、犬の麻酔関連死についてです。

犬の麻酔が原因とされる死亡率は

*健康体の場合/0.05%
*疾患がある場合/1.33%

さらに、

*全身麻酔の場合/0.18%
*鎮静の場合/0.07%

とされています。

 

避妊手術や去勢手術など健康体
での全身麻酔の場合は、
1,000~2,000頭に1頭の割合で
死亡してしまっているという
ことです。

 

そして、死亡原因としては、

・心血管系
(急性心不全・急性心筋梗塞・
不整脈・急性肺塞栓症など)

・呼吸器系
(無気肺・肺炎・呼吸不全など)

・神経系
(麻酔が覚めない・術後発作など)

・腎臓病
(急性腎不全など)

・原因不明

などが挙げられています。

特に呼吸器系と心血管系
(もしくは両方)が上位を占める
カタチとなっています。

 

また、死亡時期としては、

・麻酔導入時/30%
・手術中(麻酔維持期)/39%
・術後(48時間以内)/31%

となっています。

引用)小動物臨床による麻酔の
リスク(鳥取大学)

 

<まとめ>

 

麻酔が原因とされる死亡事故は
もちろん人間でもあります。

 

ただし、犬猫と比べるとその
確率はかなり低いです。
(数万件に一件程度)

 

これはなぜかと言うと、
動物種の違いなどもありますが
大きい要因としては術前の検査
の違いと術中、術後の管理
違いだと思われます。

 

動物の場合は、特に全身状態
に異常が見られない場合には
事前検査は血液検査のみのことが
ほとんどです。

 

また高齢の場合でも
レントゲンや心電図などが
追加される程度で精密な検査
(CT・MRIなど)は行われません。

 

精密な検査をするために全身麻酔
が必要になるからです。

 

つまり、検査で異常が見つからず
麻酔がOKとなっても事前検査では
引っかからなかった(見つける
ことができなかった)異常がある
可能性もある。ということです。

 

もともと動物の場合は病気の
発見が難しいというのもありますし。

 

また、人間の手術の場合は、
手術を行う執刀医や助手とは別に
麻酔の専門医が付き、術中の患者
の状態、モニター管理を徹底して
行いながら、状態に応じた薬剤の
投与や麻酔量の調節を行います。

 

さらに、オペ室看護師は通常の
病棟看護師とは異なる専門スキル
を持っています。

 

しかし、動物医療の場合は
専門の麻酔医というのはおらず
基本的にはすべての管理を執刀医、
獣医師が行い、助手や看護師に
指示を出すようになります。

 

ですから手術を行う獣医師も
麻酔専門医のような特化した知識
は持っておらず、またモニター
だけに集中できない状態にあるの
が現状です。
(病院の規模にもよります)

 

そして術後も麻酔が覚めてくると
動物の場合はじっとしててくれない
ため、早めにモニター類が外されます。

 

つまり術後に異変があったと
しても早急に察知することが
できないのです。

 

これらすべてが人の医療と比較
して動物の麻酔関連の死亡率が
高い原因になっていると思われます。

 

しかし、動物医療もまたそれに
携わる人間たちも確実に進歩して
きています。

 

そのため、小動物医療において
麻酔に関連した死亡数は以前よりは
減少してきています。

 

今後さらなる減少に向け、研究も
進んでいくはずです。

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