癌、腫瘍

犬の癌の免疫療法に世界初の新薬!作用や効果,実用化の時期は?

悪性腫瘍(がん)の治療と言えば、
手術による外科療法、抗がん剤
による化学療法、放射線の照射
による放射線療法が治療の三本柱
となっています。

 

しかし、近年は人の医療と同じく
動物医療においても、副作用の
心配が少なく、治療に関わる苦痛を
軽減できる免疫療法が少しづつ
広まってきています。

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免疫療法はさまざまな治療法が
含まれる言葉になりますが、
人の体に本来備わっている免疫
(異物を排除し体を守る抵抗力)
の力を回復させて癌を治療する
方法です。

 

これには、科学的に効果が証明
されているものが医療で使用される
『薬剤』で、そうでないものが
いわゆる免疫を高めるなどという
サプリメントの類となります。

 

動物医療では、主に
インターフェロンや丸山ワクチン
などが免疫を高める薬剤として
使用されています。

 

また、細胞治療(免疫療法)として
代表的なものに

*特異的免疫療法
「樹状細胞(DC)療法」

*非特異的免疫療法
「活性化リンパ球 (CAT)療法」

の2種類があります。

犬や猫の体を構成している細胞
を体外で人工的に培養、増幅させ、
それを身体に投与する治療法です。

 

これらは治療実績の報告も
少しづつ増えていますし、良い
効果も上がってきています。

 

ただし、これらを行う施設は
まだまだ少なく、また治療費も
高額なため、受けたいと思っても
現実として難しい場合が多いのも
現状です。

 

こちらは猫の記事としてまとめた
ものですが治療法などは犬も同じ
です。↓

猫の癌治療!免疫療法の効果や費用は?副作用なくQOL向上を期待!

 

動物のがん治療においての免疫療法
は現状はそんな感じなのですが・・

 

なんと、犬のがん治療の
免疫療法薬剤の開発に成功した!
とのうれしい報告が発表されました。

 

北海道大学、東北大学、扶桑薬品
工業らの研究チームによる開発で
犬の免疫療法薬剤はなんと世界初
なのだそうです。

 

そこでこちらではその薬剤が
どのような作用でそのような効果を
もたらすのか?実用化は?などに
ついて期待を込めてまとめてみまし
たので参考にしてください。

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<世界初の犬の免疫療法薬剤とは>

 

人間の免疫療法薬剤として
2014年9月に発売されたニボルマブ
(商品名オブジーボ)という薬剤が
あります。
これは悪性黒色腫(メラノーマ)に
対してその効果が認められ承認された
お薬です。(その後、他のさまざまな
がんにも適応が拡大)

 

そして、今回開発された犬の
免疫療法薬剤もこのオブジーボの
作用原理とまったく同じということです。

 

オプジーボは、免疫細胞を抑制
するがんの働きを阻害するお薬です。

 

通常、免疫機能が正常に働いて
いればT細胞と言われる免疫細胞が
がんを攻撃します。

 

しかし、がん細胞はこの攻撃を受け
ないように、PD-L1という物質を
作り出し、このPD-L1ががんを攻撃
するT細胞の受容体と結合すると
がん細胞への攻撃を止めろという
信号が発信され、それによって免疫
機能が正常に作動されず、がん細胞
を攻撃することができなくなって
しまうということが分かったのです。

 

そして犬のがん細胞もこれと全く
同じで、免疫細胞のPD-1に結びつき
機能を阻害させていることが
突き止められたのです。

 

オプジーボは、抗PD-1抗体と
呼ばれるお薬で、T細胞のPD-1に
結合し、がん細胞が作り出すPD-L1
との結合を阻止、T細胞が正常に
働くようにしてがん細胞を攻撃
する力を高める作用があります。

 

そして犬では、同じ作用を持つ
『イヌキメラ抗PD-L1抗体』
という薬剤の開発が成功したと
いうことです。

<免疫療法薬剤の効果とは>

 

臨床試験の報告によると、

犬の悪性黒色腫(メラノーマ)
では、肺転移を起こした状態でも
生存期間が延長。

未分化肉腫では腫瘍が縮小

という効果が見られ、
治療によってがんが縮小または消滅
した割合を示す薬剤の有効性として

・未分化肉腫で50.0%
・悪性黒色腫で14.3%

とのことです。

 

これは人の免疫療法薬剤と
同程度の奏効率だそうです。

 

またアレルギーなどの副作用
の出現もなかったということ
です。

 

今のところ、悪性黒色腫と
未分化肉腫に対する新たな治療薬
として期待されますが、実用化
されたならオプジーボと同じく
他の腫瘍(がん)に対しても適用に
なるのでは?とさらに期待が高まります。

 

<実用化の時期は?>

 

とても待ち遠しい新薬ですが、
実際に製品として発売され、使用
できるのはいつ頃なのでしょうか・・

 

これについては、残念ながら
まだまだ長い年月がかかりそうです。

 

今後、さらなる臨床研究が
進められるようですが・・

 

そもそも新薬の開発はとても
難しく、一つの薬が出来るまでには
10~17年の年月がかかります。

 

今回のケースでは開発には
成功したとのことですので今後、
治験などが繰り返し行われ、
その後に承認申請、審査を通れば
販売ということになります。

 

そして治験~販売までは短く
見積もっても5年、長いと10年
近くかかるはずです。

 

ちなみにオプジーボは開発から
販売まで約15年かかっているそうです。

 

今回の犬の新薬開発は、
間違いなく今後の動物医療の
前進への大きな一歩であり、また
これを元にした更なる医薬品の
開発へも期待がかかります。

 

無事に承認が取れ、早く実用化
されることを願いたいですね。

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